2月2日、フィリップ・シーモア・ホフマンが亡くなった。ニューヨークのアパートで発見されたとき、すでに死亡していたという。注射器とヘロインらしい薬物が入った袋が見つかっている、という。
まだ、46歳だ。好きな俳優だった。残念だ。
ジャニス・ジョップリンやジミ・ヘンや、ジョン・ベルーシが、突然亡くなったときのような、やりきれない悲しみと、無力感で、ひどく鬱だ。病気でもなく、事故でもなく、身体健康な才能ある若い人が、ドラッグで突然死ぬ‥‥‥‥‥?
米俳優フィリップ・シーモア・ホフマンさん死去 http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304396804579359333305483344.html?dsk=y
つい最近も「A Late Quartet 25年目の弦楽四重奏」をみたばかりだった。弦楽四重奏の第二ヴァイオン奏者を好演していた。
映画『マグノリア』のフィリップ・シーモア・ホフマン http://www.youtube.com/watch?v=7k0-pSCwcx4
わたしが、フィリップ・シーモア・ホフマンを意識したのは、ポール・トマス・アンダーソン監督の『マグノリア』だった。その前も端役ででているのをみていたのかもしれないが、この映画の介護士の役は、強烈だった。すごい役者がいるもんだ、と、思ったのだ。
この映画では、ジュリアン・ムーアもすごい女優だな、と強く意識した。そして、『ブギーナイツ』をみることになる。後追いだ。いらい、ジュリアン・ムーアは大好きな女優だ。
『マグノリア』のジュリアン・ムーア http://www.youtube.com/watch?v=5atrpHctFeg
役は、金目当てで大物プロデューサーと結婚した元女優だが、その男がいま、末期がんで臨終の床にある。その打算の妻が、男の死をまえにして、微妙に変わっていく心理を表現して、まあ、みごとだ。ただの美女ではない。(いまは、56才)。
この映画の薬局シーン、ジュリアン・ムーアの演技で、完全にわたしは、この役者のすごさに感動した。ジュリアン・ムーアに惚れた。すごい女優がいるもんだ、と。
今日、明日死ぬという、末期がんの夫の薬を、処方箋が必要な薬局に買いに行く。そこの薬局のアンちゃんが、中年とはいえ超美女をみて、ちゃらちゃら、つべこべ、誘惑しようとするわけよ。薬事師のガキの男が。そこで、切れる!
このシーンが、好きだな。
『マグノリア』で、薬局でジュリアン・ムーアが切れるシーン http://www.youtube.com/watch?v=uk54gpIEL_o
"Shame On You!"
ジュリアン・ムーアの話にそれたが、映画『マグノリア 』になると、妙に熱がはいる。"沈黙の"殺人も、ピストルも、”沈黙の"潜水艦も、"沈黙の"刑事も、戦争もギャングも、旅もギターもせつない恋も、まったくないが、わたしの好きな映画のすべてが凝縮されていて、ベストムービーなのだ。
フィリップ・シーモア・ホフマンは、『カポーティ』(2005年)でアカデミー賞の主演男優賞を受賞した。主演だけではない。この作品は、自身で設立した制作会社の作品なのだ。
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