土曜の夕暮れ、銀座にでかけた。
日本橋駅で、銀座線に乗り換える。ホームに立つと、これはほんとうに戦時下だな、と思った。いつもよりずーと暗い。線路側の電灯だけで、内側の蛍光管はすべてはずしてある。
これが東京メトロ・日本橋駅、土曜日午後、4時すぎだ。ホームで待つ人の数は、いつもの土曜日ではない。いつもは人であふれてる。
ところが、電車にのると、混んでる。いつもと変わらない。そして、驚いたのは銀座駅でおりて三越に入ると、人でいっぱいなのだ。化粧品売場も客であふれている。
地上にあがって、また驚いた。三越前の交差点は、いつものように人であふれてる。『東京は元気だな。日本人は、強い』と、なんだか気分が明るくなった。
最近たくさんいた、下品で騒々しい中国人や韓国人の観光客がまったくいないから、銀座を歩く人々は、上品で、静かだ。なんだか、十数年前の銀座のようで心地がいい。
とうぜんだが、白人やインド人の観光客は、まったくいない。
銀座4丁目、5丁目は、いつものようににぎやかだ。だが……。
ショーウインドーの照明を消しているから、いつもの街と雰囲気はちがうが、この交差点は人であふれている。東京の水が怖いとか、原発の放射性物質が怖いとか、そんなこと関係ないのよ、という人々が日本中から東京にやってきているのか、すごいね、と驚いた。
和光のウインドも明かりはない。でも、人はいっぱいいる。銀座は、やっぱり元気だな、と感動した。
どの店も照明を落としているから、店内は薄暗いが、キムラパンも、山野楽器も、アップルショップも、いつものように人でいっぱいだ。
文具の伊東屋の前も人であふれていた。店内もいつもほどじゃないが、繁盛していた。しかし、店内の張り紙をみて、これはたいへんなことになっているぞ、と気づいた。営業時間が午後7時まで、となっているのだ。7時は、まだ銀座に人があふれてるはずだ。
有楽町まで歩くと、事態の深刻さを痛感させられる。震災前の50%くらいの人出だろうか? もっと少ないか? うす暗くなると、街の様相が変わっていく。
有楽町のスクランブル交差点。土曜日の午後5時で、このスカスカの人。
有楽町から銀座4丁目にもどった。ほとんどのショップは、6時か7時で閉まる。東京23区は、計画停電除外地域だが、それぞれの店舗が自主的に節電のために店を閉めてるのだ。電力消費がもっとも多くなる夜のはじめに、閉店をしている。この時間は、まだ買い物客は多い。
ほとんどの店が閉まり、街灯も間引き点灯して、うす暗い銀座中央通りをたくさんの人々が歩いている。異様な光景だ。
銀座コアも18時で閉店。
まだ18時24分。土曜の銀座中央通りだ。街灯は、交差点だけ点いている。
これは、たいへんなことだ、と思い、暗くなった新橋と日比谷、そして東京駅を歩いた。衝撃的だった。その話と写真は、また後で……。
東京駅地下、八重洲ショッピング街。店は開いてる。しかし……この時間、いつもは肩がぶつかるほど人であふれている。まだ午後7時前なのだ。
東京駅・丸の内口をでた駅前。丸ビルショッピング街も、オアゾも閉まったから、人が歩いてない。街灯も消えてる。深夜じゃない。時間は、午後8時前だ。