夕暮れに(昼間暑いので)部屋を出て、街に出た。
三社祭の初日だが、もう日暮れ。雷門前の人出も夕暮れだ。
夕暮れに雷門までやってきたのは、携帯電話の住所変更のためだ。携帯のショップでは、いつもつまらんことでやたら待ちの時間がかかるので、北海道にいるときのようにバッグに本を詰めて出かけた。(北海道の病院はすごいよ。老人たちが待たされ、待たされて、待合室は死体累々だ。冗談ではなく、五年前、末期がんの母と、かかり付けの帯広の総合病院に行ったときは、ぶっ飛んだね。予約しているのに、2時間待ちだ。38キロにやせ細った余命数が月の母が、パイプ椅子のような固い椅子で2時間? 尻の筋肉が、もうまったくないから、座っているのがどれほどの苦痛なのか‥‥‥。こんなことを俺の母親にしていたのか、てめいら! わたしは、二度と帯広のその病院に母親を連れていかなかった。自宅で、毎朝、看護婦さんに点滴をたのみ、近所の内科医の往診をお願いして、自宅で看取った)。
文庫本一章くらい読むほど待たされるだろかね、と覚悟して出かけた雷門前のauショップは、待ち時間もなく、みごとに洗練された親切な応対で気持ち良かった。
住所変更もあるが、通話だけのガラケをスマホにしたとき、最も安い方法は、何か? だが、北海道のショップのおねいちゃんは、『めんどうくさいジジイだな、貧乏人はスマホ使うなよ』という態度アリアリで、わたしは、おねいちゃんの軽蔑にうんざりして、話をやめた。「いやいや、いいです、いいです」と。
きょう、雷門前のショップで、男性の担当者から、じつによく分かる説明を受けた。わたしの知りたいことだった。