きょう、北海道・千歳で、クレーン車が電信柱10数本を倒した、というバカな事故があった。
正確にいえば、事実は、”クレーン車”が起こした事故ではないようだ。
ユニック車を積みこんだ大型トラックが、そのユニックのブームを立てたまま、走り出して、道路を横断する電線を引っかけた。引っかけても気づかず、なお走行した。で、バタバタと12本の電柱を引きづり倒した。と、いう愚かな事故だ。
いまや電信柱が支えている、街を走る電線類は、電気の線だけじゃない。昔からのメタルの電話線、光のファイバーケーブル、ケーブルテレビのライン。ただ停電だけではなく、たとえ自家発電装置をもっていても、光ファイバーが切断されれば、事業所や工場、病院などコンピュータを使う仕事はアウトだろう。
この愚かなトラック運転手が引き倒した電信柱に、どれほどの人たちが依存しているか。それが”今”の時代だ。とくに北海道の暖房は、電気に頼っている。燃やすのは、灯油だが、それらのストーブ、ボイラーは、電気で駆動している。いまや北海道は、電気がないと越冬できない。
十年くらい前だろうか? 旧江戸川を東京湾に下るクレーン船が、ブームを立てたまま下流に向かって航行して、江戸川を横断する送電線をブチ切ったことがあった。江戸川区、江東区など人口密度地を長い時間、停電させた。
しかし、わたしは、建築、解体作業の現場で、この”ユニック”というトラックをみて、いつも『すごいな』と、感心していた。『これを考えて、製品にした人たちは、凄いな』という思いだ。
わたしは、レコード店とか、音楽のプロモートとか、建築の現場と無縁で生きていたが、中年になって、現業の世界で、この”ユニック”をみた。
トラックの運転手が、一人で、とんでもない重量物をつりあげて、積みこむ。これは、じつに画期的なことではにないかい? そのドライバーは、華奢な男でも、女性でも、できるんだ。手元の小さいリモコンで、操作ができる。
わたしは、東京で建設現場のガードマンのおっさんをやっているとき、この”ユニック”を考案して製品化した会社は、すごいな、と思った。(わたしは、音楽業界が長かったから、まったく、知らない世界だったのだ)。
古川ユニック http://www.furukawaunic.co.jp/
※この千歳の事故、北海道のテレビの映像では、ブームを立てたままのユニック車を、10トンくらいの大型トラックに積んでいるようにみえる。大型トラックの荷台の高さ+ユニック車+ブームの長さだ。これで、道路を横断する電線の下を通過できる、と考えたわけだ。この感覚は、まったく理解できない。普通じゃないな。