Ommo's

古い曲が気になる

すでに鳩山は、オバマの信頼を失っている

2009-12-06 | 日記・エッセイ・コラム

2360

2354

    車に乗り込む岡田外相  http://www.afpbb.com/article/politics/2671808/5004821

岡田外務大臣は、鳩山首相と沖縄とアメリカ政府との、板ばさみ状態どころか、いまや八方ふさがりで、疲れはてているようだ。「もう限界だ」と岡田外相は、沖縄タイムスの社長に言った、と新聞は伝えてる。「限界」とは、アメリカ政府をこれ以上じらすことができないという意味だろう。アメリカ政府は、議会での予算審議日程がある。そのタイムリミットが迫ってる。だから、いら立っている。

議会の議決がなければ、普天間基地の海兵隊8000人は、グアムへ移転できない。普天間基地は現状維持。沖縄にとって、最悪の結末だ。その決断の時間的な限界が年内だ、と、岡田外相は、沖縄で告白した。その厳しい現実を、鳩山の頭脳では、理解できないのか、この日本国総理大臣に、まったく緊迫感がない。来年の参議院選後まで先送りできるとでも気楽に思っているのだろう。

    対米交渉「もう限界」 http://www.okinawatimes.co.jp/news/2009-12-06-M_1-001-1_005.html

普天間基地移転計画は、1995年9月に起きた痛ましい事件が発端だ。沖縄のキャンプ・ハンセンに駐留するアメリカ海兵隊員3人が、商店街で買い物をしていた小学生の少女を拉致し、強姦して負傷させる事件が起きた。米軍は、地位協定をたてに容疑者の引渡しをこばんだ。これで、沖縄県民の反基地感情、反米感情が一気に爆発した。米軍基地縮小・撤廃要求運動が激しくなった。

それはただ沖縄地元だけでなく、日本じゅうで共有する国民感情になっていった。これにアメリカ政府も自民党政府も危機感をもった。そうして、日米両政府で沖縄の米軍基地縮小を模索しはじめた。世論を沈静化するポーズとして縮小・移転を協議することが必要だったが、現実に、普天間基地はもっとも危険で、騒音などで住民の負担はあまりに大きかった。

基地移転日米協議の発端になった悲惨な事件から14年。紆余曲折があって、日米両政府が合意した案に、沖縄県知事と地元・名護市長の同意を得て、いくつもある漁協とも話し合いがついた。

普天間基地の海兵隊8000人をグアムに移す。ヘリコプター基地は、名護市辺野古・キャンプ・シュワブ沖に滑走路を新設して移転する。これが、日本とアメリカの国家間の合意事項として確定した。

しかし、十数年かかって、やっと、ひとつの米軍基地が移転する画期的なことが現実になる直前になって、愚かにも民主党は、「県外あるいは国外移転」と非現実的なエサで有権者をつった。ただ政権をとりたいがために、実現不可能な甘い話をでっち上げた。それをメディア、とくにテレビが無責任に煽った。いま鳩山や岡田たちは、じぶんたちがマニフェストにした根拠のないカラ約束に追いつめられている。

岡田は、年内に現行どおり決断しなければ、アメリカの信頼を失うと恐れ、鳩山は、合意にこだわらず県外の移転先をさがせ、と北澤防衛大臣に指示する。毎日メチャクチャだ。

アメリカは、政府間で合意した海兵隊グアム移転計画を実施するため、予算を議会にはかろうしていた。だが、日本は裏切った。鳩山民主党は、「政権交代」を言い訳にするが、自民党から民主党に政権政党が代わったのは、日本の国内事情にすぎない。政府内閣を構成するのがどこの党になったかなど、外国の政府にとって、なんにも関係がない。日本の国内問題だ。政権が交代したから、前政権がかわした国家間の約束事を反古にしていい、なんてことは、鳩山民主党の常識にあっても、世界の常識にない。ましてや、同盟国との合意事項を反古にするとは……。

劇的な政権交代だった明治維新のときでさえ、明治新政府は、徳川幕府がフランスに負っていた債務を返済している。幕府が諸外国と締結した不平等条約でさえ履行している。鳩山たちが、どんな反米イデオロギーを持とうが勝手だが、日米安全保障条約という縛りがあるのだ。

日ソ不可侵条約を一方的に破って侵略してきたソ連のように、鳩山民主党政府は、日米安保条約を一方的に破棄するつもりなのかな。日米安全保障条約? 前政権の約束事でしょ……そんなこと、知らないな……政権交代したからね。

鳩山が、普天間基地移転問題を先送りしたことは、一方的に日米安保条約を破棄したに等しい裏切りだ、とアメリカ政府の人間は思っているだろうな。

いまさら日米関係の悪化が懸念される、と岡田は慌てているようだが、鳩山への不信から、もうすでにアメリカは日本を信頼していない。現に、オバマ大統領は、アフガニスタンへの3万人の米軍増派を、ウエストポイントの演説で発表するまえに、NATO諸国のほかに、インド、中国、韓国に知らせていた。だが、日本政府には何も知らせてこなかった。鳩山が、アフガン支援に5000憶円の大盤振る舞いを発表しているにもかかわらず、オバマに相手にされてない。

むかしから代々アメリカの民主党政府は、日本に対して冷淡だ。オバマの信頼を失ったいま、日米関係はより悪化していくだろう。この大不況のとき、日米同盟が冷えこむと日本の経済はどうなっていくのか。いま、アメリカと敵対して良いことはなにもないだろうに。

2366

2373

2371


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。