浜田省吾の不倫ソング「陽のあたる場所」は、もちろん実体験からの歌ではなく、タイトルに「陽のあたる場所」とあるように、映画『陽のあたる場所』にインスパイアされて書いた虚構の情況であろう。
1951年の『陽のあたる場所』は、監督賞はじめ8部門のアカデミー賞を受賞した、大ヒット映画だ。主演は、モンゴメリー・クリフト、エリザベス・テーラー、そして、シェリー・ウインタース。
ストーリーは(この映画、わたしは学生のとき、一度だけ、東京・蒲田の映画街でみただけなので、けっこう記憶はアヤフヤね)、超イケメンだが、貧しい青年のモンゴメリー・クリフトは、就職した会社の若い令嬢と出会う。これが超美女なのだ。若いときのエリザベス・テイラーだ。とんでもなく可愛い美女なのだ。
とうぜん、美男美女、ふたりは恋に落ちる。しかし、イケメンには、貧しいときから支えてくれた、同棲している女性がいる。(結婚している妻だったか、さだかでないが、ともかく糟糠の妻、というやつだ)。まあ、美女とはいえないし、若くもない。イケメンより、ずっと年上かもしれない。
で、イケメンは、美女の社長令嬢(リズ・テイラー)と結婚するため、なんと、じぶんに惚れぬいて、つくしてくれた女性を、湖のボート遊びに誘い、ボートから叩き落とすのだよ。女性は、泳げない。そして、冬の湖だ。アビが鳴いて‥‥‥‥。
この映画を見終わったとき、どっと疲れた。なんて、暗い映画だよ。わたしは、18歳かそこらだったから、『なんで? なんで、こんな暗い映画がヒットしたの?』と思ったものだ‥‥‥白黒作品だったし‥‥‥。
エリザベス・テイラーは、もちろんいいが、わたしの場合、この三角関係のなかで、哀しい立場の役を演じた、シェリー・ウインタースに心が動く。名優だ。
スティービー・ワンダーの初期の大ヒット曲に、この映画のタイトルそのもの、A Place in the Sun がある。( A Place in the Sun 、おそらく、聖書のなかのフレーズではないかな? と、昔から想像してはしていたのだが、そこらは、まったく無知だ。来週、お父さん牧師という、バリバリのクリスチャンの友人に会うので、尋ねてみよう) スティービー・ワンダー A Place in the Sun http://www.youtube.com/watch?v=mgyp1JWCLi4
わたしの場合、 スティービー・ワンダー の A Place in the Sun より、断然、浜田省吾の「陽のあたる場所」のほうが、悲しいほど共感できて、好きだ‥‥‥‥。 浜田省吾 陽のあたる場所 http://www.youtube.com/watch?v=US0BYaElXSc |