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古い曲が気になる

丹下左膳、釘抜藤吉

2012-02-02 | 日記・エッセイ・コラム

 

 浦安市中央図書館の書庫で(この図書館の書庫は大部分解放されている)、本をさがしていると、『林不忘探偵小説選』(論創社 2007年)が目にはいった。おお、こんな本が出てるんだ、と40年ぶりに釘抜藤吉の捕物話を読みふけった。

林不忘探偵小説選 (論創ミステリ叢書)

 林不忘は、本名、長谷川海太郎。林不忘、谷譲次、牧逸馬と3つのペンネームで大衆小説を書きなぐり、文壇のモンスターといわれた才人だ。だが、絶頂期、35歳の若さで急死した。だから、意外と作品は少ない。しかし、だれでも丹下左膳は知っているだろう。

 林不忘は、時代物を書くときのペンネームで、丹下左膳は、林不忘がつくった最も有名なキャラクターではないだろうか。

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 作家デビューは、江戸きっての眼明かしの親分、釘抜藤吉が活躍する捕物、つまり探偵物だった。丹下左膳は、片眼、片腕の浪人。釘抜藤吉は、片足が釘ぬきのように曲がった身障者だ。きっと、いまの時代では、こういうキャラクターが活躍するのはむずかしいだろう。あしたのジョーの酒好きのコーチ、丹下段平さんの“丹下”は、もちろん丹下左膳からいただいたのだろう。

 林不忘こと、長谷川海太郎は、明治33年(1900年)新潟で生まれ、函館で育った。父・長谷川清が、函館の新聞社『北海新聞』の主筆として招聘されたのだ。東京の明治大学に入学するが、すぐにアメリカに渡った。アメリカでも大学をやめて、さまざまの仕事をしながら放浪する。このアメリカ時代のことは、谷譲次の名前で書いた、めりけんジャップ物に反映されている。このシリーズも、じつにおもしろおかしい。

 船員になって上海で上陸して、陸路朝鮮半島まで旅して、日本に帰国した。そして、東京と実家の函館をぶらぶらしながら、探偵小説、つまり江戸時代の捕物ばなしを書きはじめたわけだ。

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 もちろん江戸の探偵物、岡っ引き・眼明かしが事件を解決する小説は、岡本綺堂の半七捕物帳がある。林不忘の釘抜藤吉捕物覚書の新しさは、アメリカのペーパーバックを読み飛ばす英語力で、ハードボイルドを知っていたのが大きいのじゃないかな。

 


アメリカ軍の黒人女性部隊

2012-02-02 | 日記・エッセイ・コラム

                                                      

           369歩兵連隊の帰国 http://www.youtube.com/watch?v=upwzJ-IpCcQ&feature=related

 ビル“ボージャングル”ロビンソンが所属した369歩兵連隊は、第一次世界大戦のときの黒人歩兵部隊だ。

 第二次世界大戦のときには、黒人女性の部隊もつくられた。6888郵便大隊(6888 Postal Battalion )だ。この大隊は、最前線の事務方、アメリカ軍の郵便業務を担当したのだ。兵士が故郷に送る、故郷の家族が前線の兵士に送る、その郵便の数は膨大だったのだ。ユーチューブに大隊が行進している映像がある。

        6888 Postal Battalion  http://www.youtube.com/watch?v=G2_0HZMv2dA

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 この、8000人ともいう黒人女性の大部隊を指揮したチャリティー・アダムス少佐は、黒人女性として最初のアメリカ軍の高級将校だ。数学と物理学と心理学の学位をもっていて、戦後は、大学で教鞭をとった。

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 6888 Postal Battalion(6888郵便大隊)は、後方の部隊だが、最前線で医療任務についた黒人女性の看護兵たちもいたのだ。

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 この看護兵たちも、6888郵便大隊の女性兵士たちも、自分の意志で入隊した志願兵(ボランティア)だ。

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