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古い曲が気になる

「プラウド・メアリー」は、ビヨンセもカバーしている

2009-05-10 | 日記・エッセイ・コラム
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 ジョン・フォガティ 雨をみたいかい? Have You Ever Seen The Rain? http://www.youtube.com/watch?v=SCQ6XmsJ8tE

 上の映像は、ジョン・フォガティの2005年のライブだ。このとき、60才。ジョン・フォガティも、ミック・ジャガーのように衰えを知らない。CCRのフロント・マンというより、CCRそのものだ。初期のアルバムのカバー曲以外はジョン・フォガティの作詞・作曲で、すべてのボーカルをとっていた。

 (たとえば、CCRのヒット曲「アイ・プット・スペル・オン・ユー」は、スクリーミン・ジェイ・ホーキンス、「スージー・Q」は、デイル・ホーキンスがオリジナルだ)。

 CCRのプロデューサーのソウル・ゼインツ Saul Zaentz は、CCRの稼ぎで映画制作をはじめた。(その映画のことは、きのう書いた)。いかにCCRが世界で売れて、レコード・メーカーを稼がせたか、だ。『ゼインツは、踊らないで、金だけ持っていく』と、ジョン・フォガティは、じぶんたちのレコード会社のオーナーのことを、皮肉をこめて歌っている。

 

 50年代に誕生したロックは、60年代に10代向けのポップスから脱して、創造的な音楽としてピークをむかえる。1969年のウッドストック・ロック・フェスティバルが、その頂点だろう。いわば、満開に咲いた桜だ。そして、花は散る。70年代から80年代、ロックは、熟れ、退廃して、様式化していく。

 しかし、逆に、ロックは商業的にとんでもなく巨大なビジネスになっていった。50年代60年代とは比較にならないほど、莫大な金になるようになった。ロックで当たると、天文学な金額なる。金になればなるほど、音楽がつまらなくなっていく。そんなものだろう。なんでも程度がある。

 ロックが、最高に創造的で熱かった60年代、iPodやウォークマンどころか、レコード・プレーヤーすらもってない若者たちがたくさんいた。LPレコードの値段は、いまのCDとほとんど変わらない。ひどく高かった。

 (このころ、LPレコードが2000円で、大卒の初任給は、まだ1万3千円くらい、高卒では9800円とか、だった。信じられないだろうが)。ビートルズの新曲を、ラジオで一度聴いただけで、ギターを弾いて歌う先輩もいた。音楽は貴重だったのだ。簡単に音源を所有できなかった。

 少年・少女たちは、親に、レコード・プレーヤーを買ってくれとか、レコードを買ってくれとか、ギターを買ってくれとは、簡単にいえない時代だった。それらはひどく高かった。それに、どこの親たちも豊かではなかった。世の中、全部そうだった。日本のような敗戦国だけじゃない。

 勝戦国のイギリスも、アメリカも、似たような状況だった。第二次世界大戦の、戦場帰りの男たち、焦土の国で耐え、男たちの帰りを待っていた女たち。戦争に翻弄された、貧乏だがタフな青年たち、その人たちのガキたちが作り、聴いた音楽が、ロックだった。

 

 帯広三条高校の同期生、鎌田くんが、定年を期に東京・荻窪で開店した、ロック・バー Charlie's Spot にでかけて、ジョン・フォガティを聴きながら、そんなことを思った。ジョン・フォガティの生まれは、1945年、太平洋戦争が終わった年だ。

 

 CCRの、1969年のヒット曲に、「プラウド・メアリー」がある。これを、1971年、アイク&ティナ・ターナーがカバーして、かれらの最大のヒット曲になった。これをビヨンセが、カバーして、ティナに捧げて歌っている。アイク&ティナ・ターナーのヴァージョンは、アイク・ターナーのアレンジが、じつにいい。ビヨンセのカバーは、このアイク・ターナーのアレンジを踏襲している。しかし、オリジナルは、CCRのジョン・フォガティの作詞・作曲だ、と大きな声でいいたいな。

 50年代、60年代初頭は、プレスリーの「ハウンド・ドッグ」のように、白人が黒人のパクリで商売していた、ということになっている。しかし、アイク&ティナ・ターナーの「プロウド・メアリー」の時代になると、白人ロッカーの曲で黒人ソウル・ミュージシャンたちが商売をはじめていた。それより早く、ジャズのれんちゅうが、ビートルズ・ソングを演奏していた。

 ビヨンセ Proud Mary  http://www.youtube.com/watch?v=uYtnNk7xCRE

  アイク&ティナ・ターナー Proud Mary http://www.youtube.com/watch?v=54XRNQ2C2x0

  CCR(クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル) Proud Mary http://www.youtube.com/watch?v=0ROalKnVZfU

 以前にも紹介したが、「ハウンド・ドッグ」は、黒人女性ブルース・シンガー、ビッグ・ママ・ソートンがオリジナルだ。http://www.youtube.com/watch?v=5XUAg1_A7IE 黒人のあいだではヒットしていた。それをプレスリーがカバーして、白人ティーンズのスーパー・アイドルになった。

 プレスリーの「ハウンド・ドッグ」は、世界的にヒットした。日本でもヒットした。そのときは、それが黒人たちのビッグ・ヒット曲だったとは、ほとんどだれも知らない。

 エルビス・プレスリー Hound Dog http://www.youtube.com/watch?v=X5JALwwaASg

 

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 散歩道の旧江戸川。ボートをクローラー・クレーンで吊っていた。

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 石鯛、9800円が安いのか、高いのか、分からない。しかし、いつも、こういう高級魚をだれが買うのか、気になる。普通のスーパー・マーケットだから、寿司屋とか料理屋など、プロが買いに来るとは思えない。だいたい、そういう店は築地に買い出しにいくか、専門の業者が、生け簀付きのトラックで営業しているだろう。