ぼちぼち日記

大切な日々のこと

『少女ソフィアの夏』

2006-12-24 14:46:47 | わたしの読書
『少女ソフィアの夏』
トーベ・ヤンソン作/ 渡部翠 訳(講談社)

『誠実な詐欺師』を読んだときに、教えて頂いた一冊。著者自身が、「自分の書いたものの中で最も美しい作品」と言っていたという作品だそうです。
まさに、その言葉通り。クリスマスイブの日に読み終えたのが、なんだか、運命のように感じてしまうほど、素晴らしい作品でした!

フィンランドの多島海に浮かぶ小さな島。短いフィンランドの夏を、そこで暮らす少女ソフィアとパパ、そして、おばあちゃん。その小さくも美しい日々の営みが、生き生きと描かれています。まるで日記を綴るかのように、日常をスケッチした作品・・・。

やはり教えて頂いた「ku:nel」という雑誌の「ムーミンのひみつ」という特集。そこで観た美しい島の写真を、何度も頭に思い描きながら読み進めました。
不思議なのですが、この本を読んでいると、まるで、目の前に、その小さな島が浮かんでくるかのようなのです。
美しく、ときに、その絶対的な力を見せ付ける、厳しい北欧の自然。その描写の美しさといったら!もう、私の稚拙な言葉などでは、とても表現できません。

そして何より、想像力豊かなソフィアとおばあさんの「やり取り」は、ときに、可笑しく、可愛らしく・・・読んでいるだけで、心に火が灯るかのようでした。
そうそう、「みみず」について、二人が研究論文を書く章は、思わず、声を出して笑ってしまった程でした。
私があまりに笑うので、息子が読んで欲しいと言い出してしまい・・・。息子も一緒に大爆笑。お得意の「在りえねえ~」の連発でした。
そうなんです!「在りえねえ~」ことを想像するって、
なんて馬鹿らしく、なんて楽しいんでしょう!

ああ!そんな当たり前のこと・・・いつの間に、忘れてしまっていたのかしら!!
まさに、ファンタジーの原点は、この作品にあり!?なんてね・・・。
ヤンソンさんは、こうやって、自然の声に耳を澄ませ、想像力をフル回転させながら、暮らしていたんだろうなあ・・・。とにかく、この本が愛おしくてたまらないのです。
自分で自分がおかしくなってしまうのですが、読んでいる途中、何度か本を抱きしめてしまいました(笑)。トーベ・ヤンソンという作家を、ますます、好きになってしまった作品です。

さあ、クリスマスイブ!
旦那さまは、お仕事。サンタがやってくる時間まで、帰ってこれないでしょう。息子は、いつもと全く変わらず、外で元気に遊んでおります。寒いのにねえ・・・また、半袖だわ。
一人、家に取り残された私は、これからクッキーの生地づくり。息子が帰ってきたら、一緒に型をぬいて、ケーキも飾りつけなくちゃね(でも、スポンジは市販品)!!
イブの夜。ヤンソンさんのおかげで、息子に負けない位、素敵な夢を見れそうな予感です
メリー・クリスマス

『ぺチューニアごようじん』

2006-12-24 06:53:57 | 息子と読んだ本のこと・絵本
『ぺチューニアごようじん』ロジャー・デュボアザンさく・絵

『ぺチューニアのたからもの』が、あまりに可愛らしかったので、またまた借りてきてしまいました。うふふ。ぺチューニアって、本当にかわいい!
今回のぺチューニアは、まさに「他人の芝生は青く見える」そのままの物語。

自分の農園の草よりも、向こうに見える丘の草が美味しそうに見えるぺチューニア。
とうとう、美味しい草を求めて、農場を出ていきます。けれど、そこに生えていたのは、農場の草と「全く同じ草」ばかり。
きっと、もっと行けば美味しい草があるに違いないと、進み続けるぺチューニア。
けれど、そこには、ぺチューニアを食べてしまおうと狙う動物たちが、目を光らせています。さあ。ぺチューニアが最後に見つけた、最高に美味しい草は、どこの草だってでしょう?

息子は、母のように、ぺチューニアを可愛いとは思えない様子。
「あ~!ばか、ばか。本当にばか。」と、呆れたように、言い続けておりました。
くすくすくす。
昨日、「友だちの家は、クリスマスじゃなくたって、ゲーム買ってもらえるんだよな~」って言っていたのは、誰だったかしら?息子くん。