「メジャーの打法」~ブログ編

野球、ゴルフを中心とするスポーツ動作論
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下半身の動作(2)

2009年10月30日 | 打法

 ソーサ・タイプのA型。

 前回、「全体の動作との兼ね合いでどちらを採用するか?が決まる」と書いて、A型のデルガド:伸展・内転、B型のガルシアパーラ:伸展・外転、とした。ではA型のソーサはどうなのか? あきらかに伸展・外転じゃないか! 

 ソーサ・タイプも踏み出し足の地面反力には期待できないようだ。体重を支える程度で、軸足一本と考えていい。・・・となると、同じ伸展・外転が、一方ではTurnを引き出してガルシアパーラのようなB型になり、他方ではTiltを引き出してソーサのようなA型になる―ということだ。

 踏み出し足の股関節に注目しながら振ってみたところでは、

ガルシアパーラの左股関節は屈曲で、体幹の回旋に、
ソーサの左は伸展で、踏み出し足側伸展に


それぞれ寄与するように思える(もっとも、ガルシアパーラはノーステップだけどね)。
 パワーの発生の多くを軸足に負うものの、動作全体に影響を与えるという点では踏み出し足側の動作も軽んじることはできないのだ。この点はオースチン打法を考える際にもずいぶん悩まされた。

オースチンは右股関節伸展・外転、左股関節伸展だ。ソーサ・タイプは、ボトムハンドでバットを引くことはないものの、オースチンのTiltに一番よく似ている―ということになるだろう。少し見方が変わった。


 では、デルガドの踏み出し足側股関節はどうかというと、ガルシアパーラ同様、屈曲らしい。軸足側、踏み出し足側、それぞれの股関節動作と打撃タイプとの関連をまとめると、

伸展・内転、および、屈曲 → A型
伸展・外転、および、伸展 → A型
伸展・外転、および、屈曲 → B型


というおもしろい結果が得られた。

 この3タイプで、いまのメジャーの打法のほとんどをカバーしている。体重を軸足側に残すという点は共通だから、見た目はともかく、いまのMLB打法を『軸回転打法』と呼んでも大間違いではないのだろう。踏み出し足側の地面反力や股関節パワーに依存するボンズ、グリフィーは異端なわけだ。本当はこっちが『元祖軸回転』なんだろうけど、もはや風前のともしび。





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