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今日の筆洗

2021年12月23日 | Weblog
 若い二人の淡い恋を描いた小説『野菊の墓』。教科書などに載っていた作者、伊藤左千夫の写真を見て、こんな顔だったのかと思った人もいるかもしれない。悲恋の物語に繊細で色白な二枚目をつい、想像してしまうが、左千夫さん、色黒でごつごつした四角い顔。頑丈そうな体格の持ち主である▼左千夫は牛乳搾取業者で一日十八時間の労働にも音を上げなかったそうだ。その立派な身体と体力の秘密は牛乳だったようで、毎日、丼のゴハンに牛乳をかけて何杯も食べたそうだ。客にもうまいものを飲ませると、搾りたての牛乳にうす茶をたて、そこに砂糖を少し入れて出していた▼牛乳を愛した左千夫に対策の知恵を借りたくなる。この年末年始、牛乳の材料となる生乳が大量に余るという懸念が出ている▼この夏は比較的涼しく、お乳の出は良かったそうだが、コロナの影響で需要が増えない。年末年始で学校給食にも出せず、このままだと牛乳を捨てなければならない。なんともったいない▼岸田首相が「いつもより一杯多く飲んで」と訴えていたが、ウシ年のお礼にも積極的に消費したい。それで助かる業者がいる▼あまり牛乳を飲まぬオジサン世代にも何か、おいしい飲み方はないかと見回せば、作家の山本周五郎が書いていた。牛乳のウイスキー割り。「やってみるとなかなか調子がいい」。大量消費は勧められないが。
 

 


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