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今日の筆洗

2023年03月16日 | Weblog

「大リーグボール3号」は漫画「巨人の星」の星飛雄馬投手が編み出した魔球で下手投げの超スローボールである▼もう少し説明させてほしい。確か、ボールを投げる瞬間、親指と人さし指だけで押し出すように投げる。漂うようなボールは打者のスイングが起こす風によってするりと逃げていく▼「本物の3号だ」とテレビの前でうなる。WBCチェコ代表のオンジェイ・サトリア投手の投球である。球速150キロが当たり前の時代に、その直球は120キロ。さらに遅いチェンジアップは不思議な動きをする。大谷さんが空振りの三振。やった!と思わず声が出る▼サトリア投手のみならず、東京の1次リーグで大きな印象を残したチームはチェコ代表だろう。佐々木投手の160キロ超の速球を平然と打ち返す。守備も悪くない。教師や金融アナリストなど普段は野球以外の職業についている選手たちとは思えぬ実力である。なによりも野球が好きでたまらないという雰囲気がどこか懐かしく、応援したくなる▼チェコ野球の歴史は平たんではない。野球渡来は一九一九年と古いが、第二次大戦で一時、途絶える。戦後も西側のシンボルだとして時の政権に禁止される時期もあったと聞く▼苦難の歴史も今の選手からあふれる野球をやれる喜びと関係があるのかもしれぬ。勝敗に加え、世界の野球が見られるのも大会の楽しみである。


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