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今日の筆洗

2023年02月22日 | Weblog
米国の怪奇作家、ラブクラフトの短編に「洞窟の怪物」という作品がある▼こんな話だ。洞窟の中でガイドとはぐれた男が恐ろしい怪物に遭遇する。なんとか逃げ、その後、再会したガイドと怪物の息の根を止めるのだが、怪物をよく確かめてみると…▼「普通」の国会議員にしてみれば常識の通用しない参院議員が気味の悪い「怪物」のように見えるだろう。海外に住み続けたままで昨年七月の初当選後、ただの一度も国会に出席していない。洞窟から連れ出したいのだろう。参院懲罰委員会はNHK党のガーシー参院議員に対し「議場での陳謝」を求める懲罰案を全会一致で可決した▼その程度の懲罰かという気がしないでもないが、くだんの議員がこれに応じなければ、より重い処分の除名に進むのだろう▼もちろん、職場にやって来ない議員に高額な歳費を支払うのは道理の通らぬ話で与野党の判断は当然なのだが、一方でその人も国民の投票によって選ばれているという事実がある▼擁護する気はないが、一定の票を得た背景には、かわりばえせぬ政界に対し、非常識さをもって揺さぶりたいという有権者の怒りやヤケッパチな気分もあったのかもしれない。ラブクラフトの怪物の正体は人間だった。国会に来ない「怪物」の正体が、政治への冷笑みたいなものだとすれば、それを生んだのは誰かと思わぬでもないのである。