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今日の筆洗

2022年12月21日 | Weblog

この間、赤穂義士の討ち入りの日が過ぎたと思ったら、明日二十二日はもう冬至。まったく十二月は駆け足どころか百メートル走のように過ぎていく▼江戸時代は十二月十三日がすす払いで、この日から新年を迎える準備が本格化したそうだが、今の人はそこまで手間をかけぬ。年賀状書きさえ億劫(おっくう)なわが身などは新年の準備といえば多少念入りの掃除と餅を用意するぐらいである。食い意地が張っているせいで、餅にはこだわってしまう▼米どころ、新潟県長岡市のお餅屋さんに電話で注文する。毎年、同じおかみさんが応対してくれるのだが、この会話が楽しみでもある。このおかみさん、電話に出るなり、お店の名ではなく、ただ「モチヤです」という。昔から近所ではそう呼ばれているのだろう。その素朴な言い方がなんとなく、懐かしい▼会話に気取りがなく、余計なこともおっしゃらない。話をしていて、お湯がシュンシュンとわく音が聞こえるような静まり返った事務所が浮かんでくる。新潟の冬を感じる▼昨日から電話がつながらぬのは大雪のせいだろうか。現地は十二月としては記録的な大雪である。新潟県内では約二万戸が停電。長岡、柏崎市などで車が立ち往生するなど、暮れの忙しい時期にさぞお困りだろう▼この雪の峠は越えたが、今週末にはまた大雪になるそうだ。つながらぬ電話に北国がいっそう心配になる。