東京新聞寄居専売所

読んで納得!価格で満足!
家計の負担を減らしましょう!
1ヶ月月極2950円です!
アルバイト大募集中です!

今日の筆洗

2021年05月12日 | Weblog
 奄美大島の島唄にある「ホコラシャ」とは元は「誇らしい」という意味だが、そこから「うれしい」とか「楽しい」というさまざまな喜びの感情を表現する言葉になったそうだ▼<キュウ(今日) ヌ ホコラシャ ヤ イチユリム マサリ イチムコウヌグートウニ アラシタボレ>。今日はうれしい。このうれしさはいつもより勝る。いつも、こんな日でありますように。そんな喜びの歌なのだろう▼現地ではそれこそ<イチユリム(いつもより)>大きく、その歌声が響いているか。奄美大島、徳之島、沖縄島北部、西表島が世界自然遺産に登録される見通しとなった。正式登録となれば白神山地、屋久島、知床、小笠原諸島に次いで五件目の自然遺産となる▼三年前、「登録延期勧告」を受けたが、今回、二度目の挑戦で難関を突破した。「ホコラシャ」だろう。豊かな森やアマミノクロウサギ(奄美大島、徳之島)、イリオモテヤマネコ(西表島)など希少な動植物が残る「生物多様性」が評価された▼さて、喜びの後、現地には自然遺産を守る決意と覚悟が求められる。登録となれば観光客なども増えるだろうが、それによって損なわれかねない貴重な自然をどう守っていくか。アマミノクロウサギの交通事故死なども増えていると聞く▼四島の美しい自然がこのままの姿で末永く守られるよう<アラシタボレ>と祈る。