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今日の筆洗

2021年05月01日 | Weblog

 世界一のコンピューターができた。あらゆる知識が詰め込まれている。質問を打ち込んだ。「神は存在するか」。四十年以上前に出版された「フランス・ジョーク集」にあるジョークだ。一分後、答えが現れる。「存在スル。イマヤ、ワタシガ神デアル」。人類支配をたくらむような「神」登場のオチである▼コンピューターが身の回りにある今日からみれば、「神」のオチには前時代的な大げささがありそうである。半面、近ごろは、かつての人々が笑いつつ感じた不安が、時代遅れとも言えなくなっているようだ▼欧州連合(EU)の機関が先日、人工知能を巡る規制案を発表した。人権や安全への脅威になる利用を禁止している。操られてしまうことへの警戒も背景にあるという▼「神」とは思わないが、わが国の日常でも少々驚かされることがある。広告を繰り返し表示するネットのあの機能である。どう調べるのか、時に本当に関心がある物が現れる。行動が影響されないと、自信を持って否定できそうにない。政府も規制を検討しているようだ▼米国では、同じような内容の情報をすすめるネットの仕組みによって、陰謀論の深みにはまる人がいるそうだ。あの連邦議会襲撃事件などへの影響も指摘されている▼計算式のたぐいか。人ではないものに知らず知らず影響されているようで、技術の時代の笑えない側面である。