情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

安田弁護士は,むしろ,出頭していたら,懲戒になったかも…

2006-03-20 21:32:52 | 適正手続(裁判員・可視化など)
山口県・光市の母子殺害事件の上告審で,安田弁護士ら2名の弁護人が,弁論を欠席したことについて,われわれ,弁護士の立場からは,当然というべきである。ある弁護士が顛末と感想を明確に書いているので,引用したい。

【上告審弁論が3月14日,最高裁第三小法廷で予定されていたが,担当していた弁護人2人が3月初めに辞任した。
▼その後,同月6日付で弁護人選任届を出した安田弁護士と足立弁護士は,弁論するには準備期間が必要な上,当日は日弁連で研修用模擬裁判のリハーサルがあることを理由に弁論期日の3か月延期を申し立てたが,最高裁は直ちにこれを却下した。安田弁護士らは,欠席届を出した上で,同日の弁論は欠席し,上記日弁連に出席した。
▼これに対し,浜田邦夫裁判長は「何ら正当な理由がない不出頭は極めて遺憾」と見解を表明し,3月15日付で4月18日に弁論期日を一方的に指定し,「出頭在廷命令」を弁護人宛送りつけてきた。また被害者遺族は,所属各弁護士会に対し,故意に裁判を遅らせた行為と弁護士会が判断するなら,早急に懲戒手続に入ってほしいと要請してきた。
▼本件は,一審・控訴審無期判決が破棄され,死刑になる可能性の高い事案であって,受任後まもない安田弁護士らが,準備のため,弁論を3か月延期して欲しいと求めることは,刑事弁護人として当然のことである。最高裁の弁論が通常は一度しか開かれないことを考えるならば,準備の整わないままに出席するのは,むしろ刑事弁護人の誠実義務に反する。浜田裁判長は,弁護士出身であるにもかかわらず,「何ら正当な理由がない」と決めつけており,弁護活動に対する不当な攻撃である。】(O弁護士)


言いたいことが書いてあるので,上記引用させて頂きました。

安易に安田弁護士を批判する人は,よく読んでほしい。


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10 コメント

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共謀罪警報 (ゴンベイ)
2008-05-01 06:14:16
実質的に共謀罪の内実を獲得しようとする動きには警戒を

安田弁護士事件:検察側も上告へ…「共謀」成立を主張
毎日新聞 2008年5月1日 2時30分
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080501k0000m040168000c.html
Unknown (YO!!)
2007-07-20 19:09:45
結局、最高裁としては、期日間際になって弁護人が交代したのは裁判遅延を図るやらせと判断しただけのように思える。
前年の12月に期日を指定したということだから、なんで間際になって交代しなければならないのか、それについての合理的説明がなされてないといけない。前審の弁護人にとて荷が重くなったというなら、安田弁護士に応援を求めればいいわけで、自身が辞任する必要はない。
裁判は裁判官の自由心証主義を採用するのだから、裁判官の心証を害するような行為は厳に慎むのが、被告の利益を図る弁護士として当然の責務と思う。
被告を合理的に弁護するのに窮し、裁判遅延を図ったと心証形成されたらどうするのか。
安田弁護士 (藤原欽也)
2006-08-09 04:56:19
 光市母子殺害事件についてですが、どうかしているのは安田弁護士ではなくワイドショーマスコミとかでは。世代的にも男性遺族は私と同じぐらいですが我に降りかかった問題の責任は全て外部にあるかのごとき戦後世代と見られてしまうのでは。安田弁護士批判論者も騙されているのでは?

 

 いくら殺人事件と言っても本来、山口県の地方都市の出来事で、その地域の問題であって、どうして皆、東京の最高裁経由でものを言っているのか理解できない。年間千件程度ある殺人事件をいちいち東京で問題にしていますか?山口県光市・全国に名が知れたものですね。



 本来、日本国民が最高裁経由の問題として議論するならば、それこそ大量殺害であった戦後戦争責任の清算とかにすべきで、でもそれらは時効を理由として、ことごとく裁判所から請求を棄却されている。まあ、でも棄却も、ある程度は仕方がないでしょう。外交問題でもあるから。

 

 男性遺族も辛い、きつ過ぎるだろうな。でもその思いはそれこそ少年被告人に全てぶつけるべきで実際、実行した人もいるが面会を求めるとか、それが無理ならば、それこそ親に会うべきであろう。東京の安田弁護士にぶつけてどうする。私にはどうしても、そうとしか見えなかったですが。



 懲戒手続きに入れ、とか事前に準備していないとできないのだが。男性遺族こそ安田弁論欠席を予想していたのでは?懲戒決定も一年ぐらいかかるし。実際にやったことがあるから分かったけれど。裁判が遅い、と言っているのに、また時間が、かかることを言い出しているのは矛盾していますよ。別に安田弁護士は少年被告人の産まれながらの弁護人ではないですし。



 最後に事実問題として最高裁とか裁判所が弁護人の出席予定を確認しないで当日欠席のまま公判を開廷させる(した)ことは絶対にありえせん。このことは私の裁判傍聴の経験や法曹人との交流から天地神明に誓って断言します。

最高裁の責任が極めて大きいです。男性遺族の主張にも、その限度なら同意したいのですが・・・。

 

 電脳討議場 管理人 藤原欽也





光市母子殺害事件の裁判について (かおる)
2006-03-27 17:21:53
私も同じ考えで、とてもスッキリしました。弁護士さんの欠席にいっせいに非難が集中していて、どうしてそんな考えになるのか理解できず、恐ろしい時代だなぁ、と思っていたところででした。2人の弁護士を非難する人たちは、彼らに検察の役割をせよ、といっているとしか思えません。被告人の利益を守り、力をつくして被告人を弁護することこそが弁護人の仕事だということを、日弁連、弁護士会はことあるごとにもっと声を大にしてレクチュアするべきでは

詳細は… (ヤメ蚊)
2006-03-27 00:59:57
明日の尋問の準備に今から取りかかるので,,http://benli.typepad.com/annex_jp/2006/03/post_12.html

http://www.yabelab.net/blog/2006/03/20-211437.php

などをご参照下さい。



そのうえで,また,ご意見をいただければ幸いです。

何度もすみません(笑) (卵)
2006-03-26 12:29:04
人のブログで勝手に書き込み続けて申し訳ないのですが



じゅんさんの言うように

>恐らく他に受任する方は無いでしょう。



あるいは通りすがりさんの言うように

>弁論が永久に開始できませんよね?



の場合はどうなるのでしょうか。

もちろん審議が永久に開始されないのでは困りますが

かといって一旦引き受けた方が規定や予定を守らないのであればそれも困ると思います。

それとも“引き受けた”ではなく“断ることができない”ものなのでしょうか。

“断りにくい”ではなく“断れない”という規定があるのであれば

安田弁護士の選択もやむを得ない気もします。

まぁ、“誰も引き受けない”“断れない”ような弁護であれば

突然の代役なのでそこまで(規定を破って欠席してまで)無理をしなくてもいいのではと思います。



自分はとりわけ安田弁護士を批難しているわけでもありませんし

当然ヤメ記者弁護士さんの意見や上記の記事に批判しているわけでもありません。



せっかくの機会なのでこの件についてしっかりと理解しておきたいなぁと思っています。

本当に素人的考えと知識の低さで申し訳ないのですが

ご意見頂けると嬉しいです。
Unknown (通りすがり)
2006-03-25 21:56:12
>期間が足りないのであれば引き受けなければいい

>のにと思いました。



弁論が永久に開始できませんよね?
記事に同意です (じゅん)
2006-03-23 22:27:57
弁護士は被告人の利益を代行する」存在ですよね。安田さんを批判する方は自民党政治家の汚職事件に活躍?する止めヤメ検弁護士の見苦しさを、思い起こすべきだと思います。

 恐らく他に受任する方は無いでしょう。TBさせて頂きました。
初めまして。 (卵。)
2006-03-22 23:03:46
初めまして卵といいます。



ヤメ記者弁護士さんのこのブログですが

自分の関心のある記事が中心に書かれているので

勝手ながら時々読ませていただいています。



この記事についてもう少し詳しく教えていただけませんか?

山口で起きた事件事態にも、裁判制度についても非常に興味がありますが

特に法的な知識等を持ち合わせていない為的確に理解できていません。



正直、ニュースで知った時の印象はsitumonさんと同じで

期間が足りないのであれば引き受けなければいいのにと思いました。

定められた期間で結果を出す(真偽の材料を揃える)のが仕事であり、

結果を出す(無罪を勝ち取る)為に期間を設定するのでは弁護士の“成績”の為であり

本末転倒な考えのように思えます。



>担当していた弁護人2人が3月初めに辞任した。



素人的にはこのこと事態が問題なのでは?という思いなのですが。





もし良ければ私の上記の考えについて見誤っている点や

必要な知識や法律家としての見方などをご教授下さると幸いです。
一部同意できるが (situmon)
2006-03-22 17:01:39
>準備のため,弁論を3か月延期して欲しいと求めることは,刑事弁護人として当然のことである。

ここは同意できます。

しかし

>弁論期日の3か月延期を申し立てたが,最高裁は直ちにこれを却下した。

却下された以上、それに従うのが筋ではないですか?

「誠実義務」に従うなら、行方をくらまさないで延期をギリギリまで訴え続けるなり、準備ができない事を理由に辞任するなり、そもそも弁論直前に引き受けないなりするべきでは?