情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

整理回収機構のトップに元検事~弁護士会に飴をやる必要はもうないってこと?

2008-12-27 11:00:31 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 整理回収機構の次期社長に、検察官出身の弁護士が採用されるというニュースが流れた。フジサンケイビジネスアイによると、【預金保険機構は26日、子会社の整理回収機構の奥野善彦社長(72)が退任し、後任に元東京高検検事長で弁護士の上田広一氏(65)が就任する人事を内定した、と発表した。上田氏は、来年1月上旬に取締役として回収機構に入社し、同年3月1日に社長に就任する。上田氏の検事としての豊富な経験などが評価された。上田氏は明大卒で、1969年に検事。北海道出身。】という。

 これは、小さいニュースだけど、実は大きな意味があるように思う。

 本来、住宅ローンの超ゆるゆる貸付問題(住専問題)を機に設置された整理回収機構は、いつのまにか、会社再生などの分野に手を伸ばし、いつまでも解散しないできた。その本当の理由は分からない。しかし、第三者的には、整理回収機構は、ある意味、司法制度改革に向けた弁護士懐柔策に利用された感は否めない。実際に、中坊公平をはじめとする司法制度改革推進派がそこで雇われてきた(中坊自身は、確か、収入はほとんどもらっていなかったようだが…)。

 そもそも、弁護士の増員を目的とする司法制度改革は、当然、弁護士にとって受け入れがたい内容であるはずだ。

 そこで、抵抗を減らすために、

 ①裁判員制度:刑事司法に絶望していた弁護士に夢を与え、司法制度改革に反対させないようにした

 ②ロースクール制度:それまでの研修所スタイルの養成方法だと、弁護士教官は、完全に赤字だったが、ロースクールスタイルにすれば、教授という肩書きがもらえるうえ、それなりの収入になり、弁護士の天下り先にもなりうる(もちろん、弁護士側がロースクール教官についてどこまで飴としての効果を感じるかどうかはそれぞれによって異なるとは思う。私も個人的には、いまのところ、教官職に時間をとられるよりも事件をしているほうが面白いと感じている)

 ③整理回収機構:うるさ型弁護士や日弁連執行部派弁護士を雇って黙らせる。中坊公平は、日弁連会長だった

 という飴をしゃぶらせたのではないかと個人的には思っている。

 そして、弁護士増員が現実のものとなったいま、もはや、飴玉を弁護士に与える必要はなくなった。

 そこで、①裁判員制度は、刑事司法を改善するものにはならないように換骨奪胎され、②ロースクールは当初、必要以上にたくさん設置することを認めた(弁護士教員枠を増やす)うえ、供給過大問題が生じてきたことを理由にここに来て絞ろうとしているのではないか。

 そして、今回、整理回収機構のトップに弁護士ではなく検察官を据え置くのは、今後は、弁護士ではなく、(元)検察官=法務省の役人=の天下り先にしようとしているのではないか?と勘ぐらざるを得ない。

 もちろん、私は、整理回収機構の人事なんて知るよしもないから、状況証拠からの推論でしかないが、そんなにおかしな推論でもないように思う。

 そうだとすると、結婚してやるといわれ、金を貢がされた挙げ句、ぼろぞうきんのように捨てられたようなもんだが、まさか、弁護士会が国を詐欺だと訴えるわけにもいかんだろう。

 冒頭のニュースは、この間の弁護士会のあり方をすべての弁護士が考え直すためのいい機会になるのではないか?特に、当時の弁護士会の執行部には、だまされていなかったのか、きちんと総括してもらいたい。
 




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