情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

取調録画DVDで、自白が本人の自由な意思によってなされたものではないと判断~大阪地裁

2007-11-16 04:11:35 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 【捜査段階での自白調書の任意性が争われ、取り調べ状況の一部を録画したDVDが法廷で再生された男性被告(88)=大阪市西成区=の殺人未遂事件の公判で、大阪地裁(西田真基裁判長)は十四日、「任意性に疑いがある」として、検察側による自白調書の証拠請求を却下した】(前掲東京新聞)。これは、コメントも不要なほど、取調の可視化(録音・録画)の必要性がはっきりした事案だ。

 現在、録音・録画は、検察官が「必要と認めた」場合にのみ行われており、かつ、検察側は調書に任意性があったこと(自白が自由な意思に基づくものであること)を立証するためにDVDを提出したにもかかわらず、任意性が否定されたということは、検察官がこれなら任意性は証明できるという自信作でさえ、録画によって再生されたら、裁判官は、任意性を認めないこともあると言うことだ。この事件の背景に多くの自白強要事件があることは簡単に想像できる。

 注目すべきは、【DVDでは、検察官が以前に作成した自白調書について「間違いないですか」と確認。被告は「ええ、ええ」と答えていたが、「殺そうとは思わないけど、腹立ったからね」と殺意を否認する発言もしていた】というところ。ここは、検察官が作成する調書では、次のようになる。

問い:以前に作成した●日付調書に書かれていることは間違いありませんか。
答え:はい。間違いありません。

問い:なぜ、殺意を抱いたのですか。
答え:腹立ったからね。

いままでは、このような調書にしか接することができないから、裁判官は書かれていることを基に、自白に任意性があるとしてきた。

しかし、やはり映像の力は強い。【西田裁判長は、殺意否認の発言について「検察官は、調書を訂正するかどうか被告に確認していない」と指摘。「DVDでの被告の弁解は公判とほぼ一致し、調書作成時の供述も同様だった可能性がある」と述べた】というのだ。

ここまで任意性に問題があることがはっきりした以上、やはり、取調の過程をすべて、録音・録画するしかない!



 






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