
読売新聞によると、【北九州市八幡西区で2004年3月、無職古賀俊一さん(当時58歳)が全焼した自宅の焼け跡から遺体で見つかった事件で、殺人、非現住建造物等放火罪などに問われた妹の無職片岸みつ子被告(60)(八幡西区東鳴水2)の判決公判が5日、福岡地裁小倉支部で開かれた。田口直樹裁判長は殺人・放火事件について「捜査機関は、被告の収容先の留置場に別事件の被疑者を意図的に同房にして、被告人の供述を得ようとするなど、虚偽供述を誘発しかねない不当な捜査を行った。被告が同房者に語った犯行告白は信用できず、犯人と認定することはできない」として、片岸被告に無罪を言い渡した】という。
驚くべき警察犯罪がまた一つ明らかになったわけだ。
中国新聞が掲載している要旨は次のとおりだ(※1)。
◆ ◆ ◆
【主文】
殺人と放火罪は無罪。威力業務妨害と窃盗罪については懲役1年6月、執行猶予3年。
【告白の証拠能力】
警察の留置場で同房だった女性が証言した被告の犯行告白には、証拠能力が認められない。捜査手法には次のような問題点が指摘できる。
(1)捜査機関は同房者を通じて捜査情報を得る目的で、意図的に被告と同房状態にしたということができ、代用監獄への身柄拘束を捜査に利用したとのそしりを免れない。
(2)同房者は、捜査官に伝えることを隠して被告から話を聞き出しており、被告は知らない間に同房者を介して取り調べを受けさせられていたのと同様の状態にあったということができ、本来取り調べと区別されるべき房内での身柄拘置が犯罪捜査のために乱用された。
(3)房内では、取調室と異なり、将来有罪の証拠になることを想定して、自己に有利不利を考えて話す状況になく、供述拒否権への配慮が不足している。
(4)同房者は事情聴取能力のある捜査官ではなく、捜査機関に処分を委ねている身であるから、無意識に捜査機関に迎合するおそれがあり、同房者を介して聴取する内容には虚偽が入り込む危険性がある。
同房者からの参考聴取は許されるが、本件における事情聴取は単なる参考聴取の域を超え、虚偽供述を誘発しかねない不当な方法であり、犯行告白が任意になされたものとはいえない。身柄拘置を犯罪捜査に乱用するもので捜査手法の相当性を欠き、適正手続き確保のためにも証拠能力を肯定することはできない。
【告白の信用性】
犯行告白の根幹部分は被告が同房者に話したものと認めることができる。しかし告白に、被告を犯人であると合理的疑いなく認定するほどの信用性は認めがたい。
検察官は、告白後に被害者の首に外傷があることが明らかになったという秘密の暴露があり、被告の告白には高い信用性があると主張する。しかし解剖鑑定から生前の傷と認めるには合理的な疑いが残る。被害者の首に生前の傷があると認定することはできず、告白に秘密の暴露があるとはいえない。
【結論】
告白に、被告を犯人と認めるほどの信用性は認められず、それ以外の検察官が主張する状況事実を総合しても、被告を犯人と認定するには足らない。結局、被告が犯人とするだけの確たる心証を形成するには至らなかった。
◆ ◆ ◆
警察の留置場(ブタ箱)を利用して、勾留中の被疑者、被告人の身柄を警察署内に確保し、長時間取り調べを可能としていることは批判されてきた。本来は、警察とは別の建物に留置されるべきであり、世界基準はそのようになっている。
この代用監獄については、捜査担当者と留置担当者が分かれていても、本件のような不当な捜査が行われる余地があることも批判されてきた。
今回のケースで、警察が同房者をスパイとして利用したことが明らかとなった。これによって、世界からも批判されている代用監獄を廃止することも明らかとなった。ただちに、すべての代用監獄を廃止すべく、検討する必要がある。
そして、当面は、すべての取り調べについて、録画をすることで、このような警察による犯罪を防ぐしかないだろう。
警察がなぜ、取り調べを録画することをいやがるのか?今回の事件でその理由がよく分かったと思う。警察は、違法な捜査、違法ぎりぎりの捜査ができなくなることをおそれているのだ。
当面、代用監獄が残ったとしても、すべての被疑者のすべての取り調べを録画することにしていれば、本件のような事態には至らないはずだ。
取り調べ名目で組織的に「犯罪」を行う警察の言い分にはもう耳を貸す必要はない。ただちに取り調べの録画化(可視化)を実現するべきだ。
★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
※このブログのトップページへはここ←をクリックして下さい。過去記事はENTRY ARCHIVE・過去の記事,分野別で読むにはCATEGORY・カテゴリからそれぞれ選択して下さい。
また,このブログの趣旨の紹介及びTB&コメントの際のお願いはこちら(←クリック)まで。転載、引用大歓迎です。
なお、こちらで(←クリック)、350円、1000万人寄付運動を展開していましたが、井原氏落選の結果を受けてペンディング状態です(こちら参照)。バナーは、SOBAさんの提供です。手のひらに何も乗っていない猫の手には、実は、知恵、呼びかける力など賛同するパワーが乗っているということです。まさに、今回の運動にぴったりですね。

1月17日にはNPJ/PEOPLE’S PRESS設立記念集会を開催し、多くの方に来場いただきました。ありがとうございました。近く、生中継していただいたアワープラネットTVでオンデマンド放送される予定です(http://www.ourplanet-tv.org/whats/2008/20080117_17.html)。
驚くべき警察犯罪がまた一つ明らかになったわけだ。
中国新聞が掲載している要旨は次のとおりだ(※1)。
◆ ◆ ◆
【主文】
殺人と放火罪は無罪。威力業務妨害と窃盗罪については懲役1年6月、執行猶予3年。
【告白の証拠能力】
警察の留置場で同房だった女性が証言した被告の犯行告白には、証拠能力が認められない。捜査手法には次のような問題点が指摘できる。
(1)捜査機関は同房者を通じて捜査情報を得る目的で、意図的に被告と同房状態にしたということができ、代用監獄への身柄拘束を捜査に利用したとのそしりを免れない。
(2)同房者は、捜査官に伝えることを隠して被告から話を聞き出しており、被告は知らない間に同房者を介して取り調べを受けさせられていたのと同様の状態にあったということができ、本来取り調べと区別されるべき房内での身柄拘置が犯罪捜査のために乱用された。
(3)房内では、取調室と異なり、将来有罪の証拠になることを想定して、自己に有利不利を考えて話す状況になく、供述拒否権への配慮が不足している。
(4)同房者は事情聴取能力のある捜査官ではなく、捜査機関に処分を委ねている身であるから、無意識に捜査機関に迎合するおそれがあり、同房者を介して聴取する内容には虚偽が入り込む危険性がある。
同房者からの参考聴取は許されるが、本件における事情聴取は単なる参考聴取の域を超え、虚偽供述を誘発しかねない不当な方法であり、犯行告白が任意になされたものとはいえない。身柄拘置を犯罪捜査に乱用するもので捜査手法の相当性を欠き、適正手続き確保のためにも証拠能力を肯定することはできない。
【告白の信用性】
犯行告白の根幹部分は被告が同房者に話したものと認めることができる。しかし告白に、被告を犯人であると合理的疑いなく認定するほどの信用性は認めがたい。
検察官は、告白後に被害者の首に外傷があることが明らかになったという秘密の暴露があり、被告の告白には高い信用性があると主張する。しかし解剖鑑定から生前の傷と認めるには合理的な疑いが残る。被害者の首に生前の傷があると認定することはできず、告白に秘密の暴露があるとはいえない。
【結論】
告白に、被告を犯人と認めるほどの信用性は認められず、それ以外の検察官が主張する状況事実を総合しても、被告を犯人と認定するには足らない。結局、被告が犯人とするだけの確たる心証を形成するには至らなかった。
◆ ◆ ◆
警察の留置場(ブタ箱)を利用して、勾留中の被疑者、被告人の身柄を警察署内に確保し、長時間取り調べを可能としていることは批判されてきた。本来は、警察とは別の建物に留置されるべきであり、世界基準はそのようになっている。
この代用監獄については、捜査担当者と留置担当者が分かれていても、本件のような不当な捜査が行われる余地があることも批判されてきた。
今回のケースで、警察が同房者をスパイとして利用したことが明らかとなった。これによって、世界からも批判されている代用監獄を廃止することも明らかとなった。ただちに、すべての代用監獄を廃止すべく、検討する必要がある。
そして、当面は、すべての取り調べについて、録画をすることで、このような警察による犯罪を防ぐしかないだろう。
警察がなぜ、取り調べを録画することをいやがるのか?今回の事件でその理由がよく分かったと思う。警察は、違法な捜査、違法ぎりぎりの捜査ができなくなることをおそれているのだ。
当面、代用監獄が残ったとしても、すべての被疑者のすべての取り調べを録画することにしていれば、本件のような事態には至らないはずだ。
取り調べ名目で組織的に「犯罪」を行う警察の言い分にはもう耳を貸す必要はない。ただちに取り調べの録画化(可視化)を実現するべきだ。
★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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1月17日にはNPJ/PEOPLE’S PRESS設立記念集会を開催し、多くの方に来場いただきました。ありがとうございました。近く、生中継していただいたアワープラネットTVでオンデマンド放送される予定です(http://www.ourplanet-tv.org/whats/2008/20080117_17.html)。
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本件で問題となるのは、代用刑事施設の運用方法と、同房者の供述を立件に積極的に利用する捜査のあり方であり、取り調べの録画とは全く関係ありません。
本件ではたとえ取り調べの全課程を録画していたとしても、警察は被告を厳しく追及したでしょうし、参考人調べを躊躇するようなことはあり得ないでしょう。
取り調べの可視化が進まないと御自身の商売に影響が出ることは分かりますし私自身も可視化の導入は必要であると考える者の一人ではありますが、このエントリのような余りに牽強付会なご意見を目にすると、弁護士の方のご意見というよりも、ヘルメットをかぶって角材を振り回して気勢を上げる集団の機関誌を読んでいるような気分になります。
そもそも監獄法が刑事収容施設被収容者処遇法に改められ、代用監獄が代用刑事施設と名称が変わったにも関わらず、未だに代用監獄と宣うのは単なる印象操作にしか感じられません。
なお、判決も「代用監獄」としているので、その点、付記しておきます。