
先日、ある会合でニューメディアに詳しい方のお話を聞く機会があった。テーマが表現の自由に関する規制に及んだ時、その方は、技術革新による規制の逸脱について説明した。1つの手段によるコミュニケーションが規制されても別の手段によるコミュニケーションを利用することで表現の自由を確保しようということだった。
とっても分かりやすいし、それはそれとして説得力がある。例えば、今回の参院選で、多くの方がブログで候補者の動向を公示後も伝えていた。本来、文書による選挙運動は規制されていたが(今も、この「新しい記事を渡航します」の画面には、「※公職選挙法に関するご注意」が掲げられている)、今回の参院選では、ネットでの選挙運動が解禁されたといってよい。人と人が対面して、ある候補者を推薦したり、投票するようお願いすることが自由なのと同様に、ブログにおいて、特定の候補者を支援することも自由に行えるようになったといえるのではないだろうか。
しかし、残念ながら、堰を切ったように、ブログでの候補者批評がなされたわけではない。韓国では、日本と同じような規制があったにもかかわらず、投票すべきではない候補者を掲げる「落選運動」が全国的に大展開され、完全に規制を乗り越えたという。日本では、様子見だった方が多いと思う(私も含め)。
そういう意味で、技術革新による新しい可能性があった場合、一気に多くの方がそれを利用することで、法の規制を逸脱してしまおうという呼びかけは魅力的だし、おとなしい日本市民には効果的なアドバイスだと思う。
ただ、一方で、そのような法の逸脱も、結局は法の克服につなげなければならないことは強調しても強調しすぎることはないと思う。つまり、究極的には、「表現の自由」に対する不当な規制を克服するための手段として法の逸脱があるということだ。
例えば、いま、インターネットの内容規制は行われていません。ですから、マスメディアが自主規制や利権確保などのために伝えない内容の情報をインターネットによって伝えることができる。
例えば、このブログで再三書いているように(ここ←クリックなど)、放送行政を政府ではなく独立した機関(独立行政委員会)によってなさしめるのが英米では当たり前だという事実、あるいは、クロスオーナシップ(系列化)によって表現の多様性が失われないようなシステムが英米では当たり前だという事実、欧米では広告代理店が一業種一社制によって競争が激しいためメディアの財布を握るような(つまりメディアに圧力をかけることができるような)巨大代理店は出現しようがないという事実などは、メディアの業界としての利権であったりするため、報道されることは少ない。
いまは、幸い、そのような事実をここで書くことができる。
しかし、いま、通信と放送の融合が法の世界でなされようとしており、通信も内容規制がされようとしている(ここ、ここ←など)。
新しいメディアが出てきた時、政府はしばらくは様子を見るが、政府にとってプロパガンダとして利用できるとか、放置すると不都合な事実が次々と明らかになるとかの事態にいたるとそれを規制しようとする…。
分かりやすい例が、自民党が政権から一度転落した後、自民党による表現の自由(特に放送)に対する規制が強くなっていることであり(主として新しく法を作ることによる)、あるいは、原始的な手段であるビラ撒きに対する過剰な規制がなされたりすることだ(住居侵入いによる逮捕など従前の法を拡大解釈することによる)。
インターネットの規制がある法によってなされても、その規制をかいくぐる通信方法によって規制を逸脱することは、その手段が先端的な意識をもっている層で利用されている限りは許されるが、それがメーンストリームになろうとすると必ず政府は規制をかけてくる。
そうすると、市民のうち先端的な意識を持っていない多数派はいつまでも、規制のかかったメディアを利用するほかなくなり、表現の自由は画餅と化してしまう。
だからこそ、法の逸脱を利用して法を克服するべく連帯しなければならない。
日本のメディアシステムが異常なほど政府に弱いシステムになっていること、それを克服する動きが民主党を中心とする野党で出てきていること、これらをインターネットの自由を守るよう地元議員、知り合いの議員、同僚、同級生、近所の人、そして、ブログを見ている人に伝え、これまで疑問を持たなかったシステムの問題点に気づき、そのシステムを民主的なものに変更すること、これを今すぐ行うことで、規制を克服しようではありませんか。
冒頭紹介した方も、法の逸脱と法の克服が連帯する必要性を説いた。
私もそう思う。そして、インターネット規制がなされようとしている今、その連帯を直ちに開始する必要がある。
法を克服するための行動を!
※写真はこちら(←クリック)から
★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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これこそが、全日本人に伝えたい権力に対峙するときの姿勢だと思いますね。
素晴らしく奥の深い言葉だと思います。
自分には、とても、そうだったとは思えません。一部では、勝手に応援コメントを掲載した方もありましたが、やはり公職選挙法(の解釈)に遠慮した方が大多数と思います。つまり
>日本では、様子見だった方が多いと思う(私も含め)。
ということですね。
>一気に多くの方がそれを利用することで、法の規制を逸脱してしまおうという呼びかけは魅力的だし、おとなしい日本市民には効果的なアドバイスだと思う。
私も魅力的と思いますが、現実には大多数が様子見してしまうということから、おとなしい日本市民には効果的でないと考えます。
今回の参議院選でも、戸田ひさよし門真市議の呼びかけ
http://www.hige-toda.com/_mado04/07saninsen/nettokatudou.htm
あるいは、諸野脇 正氏の提案
http://shonowaki.net/
を実行に移した人がどれだけいたかと言えば、ごく少数だと思います。
やはり、法の逸脱ではなく法の克服とした、時代に合わない公職選挙法の改正を急ぐべきと考えます。
特に、候補者自身がインターネットを利用できない(現状では選挙後に挨拶文を掲載することさえダメと言われる)状況は、すぐにやってくるかもしれない次回総選挙までに改めてほしいと強く願っています。
保身。自分のテリトリーにある諸々を失う事を恐れて、見て見ない振りをする。
なんだかんだと言って、自民党支持者が減らない、又は保守的な人間が減らない大きな原因。 護憲政党が脇にやられる理由なんだよね!
節操なし
恥ずかしいねぇ…(笑)
パソコンのパの字も知らない爺様方なんぞ、今の世の中じゃただの邪魔者でしか・・・。
ネットを過信するつもりはさらさらありませんが、今までメディアが一手に握っていた情報発信の場を、国民全員が自発的に自由に扱えるというのは非常に大きな躍進。しかし権力者にとっては邪魔でしかないのですよね。