情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

イルカによる水銀摂取を過小評価する理由が分からん!~竹槍精神が息づいているのか、日本?

2010-07-10 00:48:46 | 愉快な仲間たち(赤裸々な実態?)
 反イルカ漁映画によって、イルカ食によって過大な水銀接取が生じうることが広まりつつあるが、だからといって、イルカ漁を規制するべきだという声が上がってこないのが不思議だ。なぜ、危険な可能性があるとわかっていながら、放置するのだろうか…。

 世界保健機構などがスポンサーとなってまとめたレポート(1990年)には、次のような結論が書かれている。http://www.inchem.org/documents/ehc/ehc/ehc101.htm
 例によって超訳ご容赦。

【10.3 Conclusions
10.3 結論

The general population does not face a significant health risk from methylmercury. Certain groups with a high fish consumption may attain a blood methylmercury level (about 200 µg/litre, corresponding to 50 µg/g of hair) associated with a low (5%) risk of neurological damage to adults.
 一般人は、メチル水銀によって重大な健康上の危険に瀕してはいない。しかし、魚をたくさん食べる集団は、200ppmの血中量(髪では50ppmのレベル)で、成人に5%の確率で神経障害を発生させる可能性がある。

The fetus is at particular risk. Recent evidence shows that at peak maternal hair mercury levels above 70 µg/g there is a high risk (more than 30%) of neurological disorder in the offspring. A prudent interpretation of
the Iraqi data implies that a 5% risk may be associated with a peak mercury level of 10-20 µg/g in the maternal hair.
 胎児は危険が高い。最近の事例では、母親の髪の濃度が70ppmを超えると高いリスク(30%以上の確率)で、神経障害が発生する可能性がある。そして、イラクのデータを慎重に判断するならば、母親の髪の水銀濃度が10~20ppmで5%の確率で胎児に神経障害が発生する可能性がある。

There is a need for epidemiological studies on children exposed in utero to levels of methylmercury that result in peak maternal hair mercury levels below 20 µg/g, in order to screen for those effects only detectable by available psychological and behavioural tests.
 母親の髪の水銀濃度が20ppm以下場合に、胎児にどのような影響が出るか、心理的、行動的テストを伴う疫学的調査をする必要がある。】


 他方、国立水俣病総合研究センターの最新の調査では次のような結果が明らかとなった。
http://www.nimd.go.jp/kenkyu/report/20100427_taiji_report.pdf

 夏季・冬季両調査を通して、いずれかで髪の水銀濃度が50 ppmを上回ったのは43名(男36名、女7名)であった。比較のための他の14地域では0名だった。
 
 この43人は、5%の確率で神経障害が生じる可能性がある。

 そして、上記国立水俣病総合研究センターの調査結果の25頁に掲載されている冒頭の図をみてほしい。

 10代から30代の女性に、10ppm以上の人が少なからずいることが分かる。
 
 上記WHOなどの調査では、母親の髪の水銀濃度が10~20ppmで5%の確率で胎児に神経障害が発生する可能性がある。

 5%はけっして高くない数字だ。20人に一人、40人に二人という確率だ。



 イルカ漁を伝統だということだけで保護しようとすることは、イルカを多く食べている家族の健康を害することにつながることを想像できないのだろうか…。自分たちの「自尊心」を守るために、他人を犠牲にしていることが分からないのだろうか?

 イルカが地元で貴重な産業だという。しかし、それが健康面で危険だったら、別の産業を起こすしかない。公害企業が、地元で基幹企業だとしても、公害発覚後以前と同じように操業させますか?

 場合によっては、これまでイルカに依存させた政府にも責任があるのだから、新たな産業を立ち上げるための支援をしたってよい。

 
 イルカの水銀害を軽視した人たちは、実際に被害が生じ始めたとき、どう責任をとるつもりだろうか?えっ、イルカによる水銀接種の危険性を知っていて食べたんだから、本人たちの責任だ、ですって?

 少なくとも、胎児は、選択できませんよ。

 そして、生まれてくる子供は、その親の所有物ではなく、社会が責任を負い、社会に責任を負う存在だ。

 

 …その後、WHOは水銀については、許容量を減少させる方向での改定を行っている。

 危険性がより高いことが認識されているわけだ。

 

 …単純な話、たとえば、中国産のエビにイルカと同じ濃度の水銀が含まれており、それが日本に知らされていなかったとしたら、それが発覚した際には大騒ぎでしょう。ボイコット運動をするんではないですか?中国人は日本人を殺すのか~などと叫びながら…。


 なぜ、国産ならいいんだろ、不思議。国産だと害が少ないとでも思っているんだろうか?それって竹やりで米軍に立ち向かおうとしたくらい変なこと、非科学的なことだと思いますが…。

 結果が出ないように安全な許容量を決めているのに、それを超えているのに、無視する…。

 神風が吹くとでも思っているのか…。

 ★なお、本記事については、 @kiuchi_minoruさんから事実と違う点があるとのご指摘をいただきましたが、具体的な指摘をいただいておりません。
 健康に関することですので、間違いがあれば、@kiuchi_minoruさん、そのほかの方でも結構ですので、誤りをご指摘ください。訂正させていただきます。コメント欄にご記入ください。(反映は停止していますが、こちらからは読めます)
 

 


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