情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

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「キャンプ・シュワブ陸上案」報道でも、普天間代替施設に求められるものは不明なまま…

2010-03-12 06:40:50 | 有事法制関連
 普天間基地の代替飛行場としてキャンプ・シュワブ内に飛行場を設けるシュワブ陸上案が浮上している。これに対して、各紙は否定的な報道をしているようだ。たとえば、3月11日付朝日新聞夕刊によると、500メートル級案と1000メートル級案の二種類があるが、いずれも騒音・安全に問題があるとして、防衛省や沖縄県が反対しているという。

 もちろん、シュワブ陸上案周辺の方のことを考えると、いい案ですね~とコメントするわけにはいかないだろうが、事実を直視しない批判は、腹立たしい。(個人的には代替不要論の立場ですが…)

 そもそも、500メートル級については、「海兵隊が普天間代替施設で運用する計画の新型ヘリや固定翼機は、その長さでは運用できないとされる」というが、朝日新聞を含む大メディアは、これまで、普天間代替施設の運用計画案についてきちんと報道したことがあるのだろうか?

 辺野古移転に関する環境影響調査の方法については、次のような問題が指摘されている。
(http://homepage2.nifty.com/~jaga/dugong/material/0709kanshidan_opinion.pdf)

【3.「辺野古」アセス方法書には、アセス(環境影響評価)に必要な、肝心な情報が欠落している。
アセスの対象となる事業には、飛行場関連と埋立関連とがある。両者の区分は難しいが、以下、各別に整理してみた。ちなみに、飛行場建設事業には沖縄県環境影響評価条例、埋立事業には環境影響評価法が適用される。
【飛行場関連】
(1)飛行場の総面積が明示されていない。
4
(2)V字形滑走路2本それぞれの幅が明示されていない。
(3)航空機の種類は「米軍回転翼機及び短距離で離発着できる航空機」とだけの記載で、ヘリやMV22オスプレイ(垂直離着機)、C130(輸送機)、戦闘機等、具体的機種の記載がない。
(4)その離着陸が想定される戦闘機については、たとえば、それに必要な施設(「アレスティング・ギア(着陸拘束装置)」)の説明がない。
(5)その上、各機種の運用(飛行ルートや演習内容)が不明である。たとえば、夜間訓練やタッチアンドゴーなど航空機運用についての説明が一切ない。これでは、ヘリなどを含む航空機運用による騒音測定さえも不可能であり、アセスはできない。
(6)滑走路2本の計画である以上、計4本の「進入灯」設置が不可避であるのに、その説明を行わず、着陸・離陸用それぞれ1本(計2本)の「進入灯」だけの記載にとどめ、あと2本の補助的な「進入灯」施設が隠されているのではないか。
(7)普天間代替施設に伴う、海兵隊員の大幅増員、この増員に伴う環境の改変が想定されるにもかかわらず、アセス方法書は、兵員増加に伴う問題について、一切考慮していない。
ちなみに、報道によると、たとえば、新基地建設等によって、辺野古ダムと辺野古浄水場の処理能力が限界を超え、ダムと浄水場の廃止が伝えられている。
(8)機体や代替施設の洗浄(洗浄場)が想定されるところ、これに関連する説明やアセス方法が欠いている。
(9)有害化学物質や廃棄物、事故などが想定されるところ、これに関連する説明やアセス方法が欠いている。
(10)沖縄防衛局は、キャンプ・シュワッブ(陸上部)内にある既設兵舎を移設させた上で、飛行場建設を計画している。この兵舎移設に伴う環境改変も想定されるところ、この兵舎移設にかかる説明や、そのアセス方法の説明が一切ない。
(11)沖縄防衛局は、キャンプ・シュワッブ内の美謝川水路変更(「切り替え等」)を行おうとしている。この水路変更に伴う環境改変も想定されるところ、この水路変更にかかる説明や、これに関するアセス方法の説明が一切ない。
(12)辺野古崎一帯の竜巻発生率は高く、実際にも、キャンプ・シュワッブ内でも竜巻による被害が発生しており、飛行場立地としては不適と思われるところ、これに関連する説明やアセス方法が一切ない。】


 以上のとおり、どのような飛行場が、どのように運用されるのかが不明確なままだ。

 その点をあいまいにしたまま、シュワブ陸上案批判をするのがジャーナリズムのあり方として正しいだろうか。

 冒頭の写真が現状の普天間基地のもの(宜野湾市ウェブサイトより)、次に掲載するのがキャンプシュワブ周辺の写真だ(命を守る会からの孫引き:http://www.asiapress.org/apn/archives/2008/04/26155954.php)。シュワブ陸上案(500メートル級)のおおよその場所を青で示した。




 普天間がシュワブと比較していかに危険かがよく分かる一方(というか、普天間があまりに異常)、シュワブ陸上案(500メートル級)で最も影響を受けるのは、米軍の兵舎であることもよく分かる。

 このような事実を無視して、抽象的な批判を浴びせる大メディアの意図を疑わざるを得ない。(→全ての案を潰して辺野古への基地建設を実現させる)

 例えば、朝日新聞は、シュワブ陸上案がヘリ訓練の分散移転と複合した案になっていることについて、次のような自衛隊幹部のコメントを無批判に掲載している。

「陸上部に代替施設を造れば、ヘリは結局そこから飛び立ってそこに戻ってくる。訓練をどこに移そうと離着陸の危険性は変わらない」

 防衛省が山口県の岩国基地に厚木基地機能を移転させる時に何をしたのか、朝日新聞は忘れたのだろうか…。この幹部のコメントを言葉通り受け止め、垂れ流すことはジャーナリズムではなく、PRだ。
(→「札びらで頬を張って米軍再編を自治体に認めさせた日米両政府の所行は、憲法に反する!」http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/a65f0d60f50ae0dae470b3c4c93de801)

 自衛隊幹部は、自分たちの都合で、「騒音を我慢すれば金をやる」と言ってみたり、「騒音があるからそこには作れない」と言ってみたりしているだけだ。

 そういうコメントをとるくらいなら、いったいどういう運用が予定されているのかをきちんと聞くべきだろう。そして、答えなければ、その姿勢自体を「説明責任を果たしていない」と声高に批判するべきだ、そう思いませんか?






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