情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

新聞協会もコンテンツ規制反対の意見書を総務省に提出!~ネット規制反対のパブコメを!その11

2007-07-21 05:19:57 | メディア(知るための手段のあり方)
 総務省の「通信・放送の総合的な法体系に関する研究会」が6月にまとめた中間報告に対するパブリックコメントは、昨20日、締め切られましたが、多くの方に意見を提出頂いたようでありがとうございます。結果は、しばらくしたら、こちらのウェブページ(←クリック)に掲載されると思いますので、結果についても注目したいと思います。特に、こういう政府主導の研究会は結論ありきになりがちなので、結果を充分にアピールすることで、安易な規制をさせないように、政府から独立した監督機関を新設するように、させたいものです。

 皆さんの意見提出の効果もあったのか、幸い、新聞協会が、【「提言がそのまま実現された場合、言論・表現活動や報道に対する公権力の介入につながり、憲法21条が保障する言論・表現の自由が脅かされることを危惧する」との意見書を総務省に提出した】ということです(日経←クリック)。

 詳しい意見書の内容はまだ見ていませんが、パブコメ段階で、業界団体がきちんとした意見を述べることはとても重要なことだと思います。締め切られたとはいえ、ぜひ、「民放連」なども意見を取りまとめて発表してほしい。

 また、まだ、パブコメを提出していない方も、意見を提出して頂ければ幸いです。絞めきり後とはいえ、もし、一定程度以上の意見が集まれば、委員会としても無視することはできないでしょう。

 提出したよとか、こうすれば簡単に送れるとか、いろいろなコメントを頂きました。個別にはレスしていませんが、本当にありがとうございました。

 しかし、これからが勝負です。パブコメだけでなく、インターネット規制を検討している与党を政権から引きずり下ろすことこそが、直接、結果につながります。インターネットに自由が与えられるまで、与党(自民党・公明党)には票を入れないこと、これを実行して初めてインターネットの表現の自由を確保することが出来るのだと思います。

 すでに何度も述べているように、日本でも放送行政を、政府から独立した「電波監理委員会」に委ねたことがあったが、日本政府は占領軍から独立した後、ただちに、その委員会をつぶし、政府が自ら放送局に圧力をかける手段を手にしたのです。そのことが自民党一党独裁体制を実現させた最も重要な要因でした。

 政府は、放っておけば、政権維持に利用できるメディアはとことん利用しようとします。当然でしょう。だからこそ、欧米各国では、政府が放送を直轄するのではなく、独立行政委員会による放送行政を行っているのです。
 
 しかし、電波監理委員会が廃止された当時の有権者は、電波監理委員会の持つ重要な意味、そして、電波監理委員会の廃止そのものすら知らないまま、その次の選挙に臨んだはずです。

 いま、放送に続いて、インターネットについても、政府・与党は規制をし、政権維持の道具にしようとしています。前回の衆議院選挙では、ネットを利用した方がよいからネット選挙解禁の方向で確定しておきながら、逆風になった今回の参議院選挙では、ネット選挙を解禁しなかったことからも、政府・与党の姿勢は明らかです。
 
 しかし、独立後まもなく、電波監理委員会がつぶされた時とインターネット規制がなされようとしている今とでは、大きく違うことがあります。

 それは、以前は、メディアが伝えないと事実が伝わらなかったが、いまは、インターネットによって事実を共有できるし、そのように事実を共有することで、メディアもその事実を伝えることになる…ということです。

 インターネットの自由を手放すかどうか、まさに、1人ひとりが正面から問われているわけです。

 私たちは、いま、インターネット規制がはじまろうとしていることを知っているのです。知った以上、それを防ぐことで、よりよい政府をつくりだす環境を整える義務があります。それは、次の世代への義務です。

 参議院選挙、そして、次の衆議院選挙では、インターネットの自由を守るため、与党には票を入れないようにする、そして、このことを自由に表現できることを大切にしたい。 

 …実は、NHK(当時はラジオのみ)は一時国家の手に握られたことがあります。戦後1年後の1946年10月のことでした。それは、日本の民主化に一定の歯止めをかけるべく、GHQが、新聞社の労働組合による首切り合理化反対ストに対し、「スト決行のところは、用紙の割り当てを中止する」と脅して、このストを中止させた際のできごとです。

 このとき、NHK労組だけは、猛然とゼネストを断行し、10月5日午前7時10分、NHKの放送は、占領軍向けのものを除き、停止したのです。

 これに対し、政府は、「放送の国家管理」を断行し、10月8日午前7時、逓信省の役人がNHKラジオ放送を開始しました。その後、労使交渉が再開されたこともあり、10月23日、午後7時、「スト破り」がはじまり、25日午後7時、国家管理が解除されたそうです(以上、大山勝美著「私説放送史」)。

 私は夢想します。NHKの国家管理に対し、市民が立ち上がり、NHKを取り囲み、現場にマイクを戻せとシュプレヒコールする姿を!

 しかし、当時は、放送の国家管理の重大さが市民に理解されていなかったのではないでしょうか。新聞がGHQの脅しによって、ストから脱落した以上、NHK労組のストのことを好意的に伝えるメディアはほとんどなかったと思われるからです。

 いま、私たちは、「シュプレヒコールを上げる自由」と「シュプレヒコールを上げなければならない理由の理解」、この両方を手にしています。

 インターネットの国家管理反対!
 真の民主的社会の実現を!
 自由を我に! 

その1その2その3その4その5その6その7その8その9その10もご参照下さい。)



 ※冒頭の図は、民放連番組部が作成したものを利用させて頂きました。












★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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1 コメント

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NHKの話は知りませんでした。 (カーク)
2007-07-21 17:37:15
私はNHKを真の公共放送にする運動を考えています。その名もNHK独立運動です。
NHKは受信料を払う人たちのものであり、その予算を国会が口を出すことは許されないものと考えています。