情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

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公人とは…読売新聞記者山田隆司さんの研究に接して

2008-06-08 07:04:26 | メディア(知るための手段のあり方)
名誉毀損の事件で公人と私人を区別し、公人については権力監視の見地からより表現の自由が優先されるべきだと考えている人は多いと思うが、じゃぁ、具体的に公人とは誰なのか、っていうことになると見解が割れると思う。タレントは公人なのか?政治家の子弟は公人なのか?そういう疑問に対する答のヒントになるのではないかと考え、読売新聞記者山田隆司さんの近著「公人とマス・メディア 憲法的名誉毀損法を考える」を読んだ。非常に参考になった。

山田さんは、まず、米国の判例理論を紹介する。それによれば、公人とは、「公職者」と「公的人物」に分けられるという。公職者は、基本的に公人であるが、それ以外の公的人物については、①全面的公的人物、②限定的公的人物(A:非自発的公的人物、B:自発的公的人物)に分けられ、名誉毀損との点で最も問題となりうる②のAについては、あ:名誉毀損の前提となる特定の公的論争の存在、②自発的あるいは任意的に、その論争の結果に影響を与えるために関与したこと、③マスメディアに定期的継続的なアクセスを有していることの3点が要件となるという。

そして、山田さんは、さらに学説などを紹介し、現在の米国の状況を詳しく説明してくれている。

個人的には、以前から、公人といっても、公的場面と私的場面があり、自らが積極的に職務で関与している部分については、公人性を認めるが、そうでない部分については、公人性を認めるべきではないのではないかと考えてきた。

分かりやすく言うと、タレントがその業務に関することでトラブルを犯したら報道すべきだが、私的問題でのトラブルは報道の対象とするべきではないのではないかということだ。もちろん、そのタレントが私的問題をある種の売り物にしている場合は、報道の対象となるのは、当然だ。

ただ、こう考えるとき、最も問題となるのは、政治家についてだ。政治家、いわゆる国会議員についてのプライベートな場面でのトラブルだ。この場合、 公的場面ではないため、表現の自由が後退するのではないか、ということになる。しかし、全面的公的人物の考え方を採用すると、国会議員のような究極的な監視の対象者は、その全ての情報が市民に提供されるべきであり、私的問題も報道の対象とすべきだということになる。

逆に、犯罪を犯したとされる者については、自ら公的問題を犯したことになるため、名誉毀損にならない方向に働くことになりそうだ。しかし、犯罪を犯した者は社会の縮図的な要素もあるため、個人的には匿名報道で保護されるべきだと考える。この際、米国の判例理論の、メディアへのアクセス能力を持っているか否かという視点が参考になる…。

なぜ報道は、名誉毀損とならないのか、全てのメディア関係者に読んで欲しい本だと思う。




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★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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