情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

日本でも議論が必要~米連邦通信委、「ネットの中立性」訴訟で敗訴 介入権限なし

2010-04-08 06:25:57 | メディア(知るための手段のあり方)
 日経は、7日、【米連邦控訴裁判所は6日、通信会社が特定のサービスへのデータの流れを絞ったりすることを禁じようとする連邦通信委員会(FCC)の規制は、同委の権限外との判断を下した。CATV最大手コムキャストの主張に沿った判断。FCCは、ネットを合法的に利用するすべてのユーザーを平等に扱う「ネットの中立性」を保証すべきだと主張してきた。一方、通信大手側は、政府には通信網の運営に介入する権限がないと主張していた。】と伝えた。

 この決定、というか、ネットの中立性の問題は、非常に重要なテーマであり、日本でも少なくとも議論が必要だ。

 いかにして、インターネット上の情報の流通を自由にさせるか、という問題とそれぞれの企業の営業の自由のバランスをいかに確保するか。

 そのバランスの在りようが、今後の情報流通の在り方を形作ることになる。

 でも、日経以外のマスメディアは、少なくとも、ネット版には掲載していないようだ。

 昨日のイラクでの虐殺ビデオも日本のマスメディアは報道していないようだが、日本のマスメディアはもはや情報を流通する手段ではなく、娯楽、政府広報になり下がったのだろうか…。

 何が重要なのかを判断することができず、日本の政府・行政が発表する情報に味付けをして掲載し、たまに特ダネを書く…。

 虐殺ビデオやFCCの決定に即応して対応できるような広い視野を持つ遊軍的な記者を養うという発想ががないのだろうか…。

 元共同通信の原寿雄さんは、ジャーナリストが、アジェンダセッティング(Agenda Setting:議題設定)のイニシアティブを行わなければならないとかねてより強調している。

 しかし、虐殺ビデオやFCCの決定を伝えようとしないマスメディアがアジェンダ設定機能を持っているとは到底思えない。

 もちろん、マスメディアの中で頑張っている人たちもいるので、その人たちに対する評価を忘れてはいけないが、総体として、このままでは、マスメディアが衰退するのは避けられないのではないか。

 マスメディアは内部でこういう事態について少しは議論をしているのだろうか…。

 ところで、明日午後2時、東京地裁で、沖縄密約開示請求訴訟の判決が出されます。

 難しい事案ですが、裁判所の英断を期待しています。

 NHKは、翌日夜下記の番組を放送予定だそうです。そうそう、これも、アジェンダ設定ができている番組の一つだと思います。
 

http://www.nhk.or.jp/tsuiseki/file/next.html

22:00-22:45 NHK総合 追跡!A to Z「「問われる情報公開 ~密約問題の真相を追う~」。核兵器を搭載したアメリカ艦船の寄港。沖縄返還時に政府が米国に代わって負担した巨額の費用…。1960年代から70年代、日本が米国と極秘裏に結んでいた「密約」の存在が、次々と明らかになっている。先月9日、密約問題を検証してきた外務省の有識者委員会が報告書を提出。1960年の日米安全保障条約改定1972年の沖縄返還交渉の際、いわゆる「核持ち込み」や、沖縄返還時の費用負担について、広い意味での「密約」が存在したと指摘した。しかしその後、密約に関する文書の一部が破棄された可能性が浮上するなど、真相究明は容易ではない。そんな中、沖縄返還時の費用負担の「密約」で、国に対し、密約文書の公開を求める訴訟が注目を集めている。訴えているのは38年前に密約をスクープした元新聞記者の西山太吉氏や研究者たち。国は密約文書は存在しないとしているが、アメリカ側には対になる文書が見つかっている。それなのになぜ文書が存在しないのか、原告側は国に説明責任があると訴えているのだ。判決は今月9日。その結果は、日本の「情報公開」の行方を左右する。密約問題をきっかけに問われる国の「情報公開」の実態と、あるべき姿を追跡する。

※画像はニューヨークタイムズ電子版(http://www.nytimes.com/2010/04/07/technology/07net.html?th&emc=th)


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