情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

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オウム事件捜査を手がけた元検事が共謀罪は組織犯罪対策にはならないと断言!

2006-05-24 22:13:15 | 共謀罪
東京新聞(ここ←)が,オウム事件捜査などを手がけた元東京地検公安部検事・落合洋司弁護士にインタビューしたところ,落合弁護士は,共謀罪は組織犯罪対策にはならず,NGOや労組の弾圧に使われるだろうと断言したという。

■■引用開始■■

『共謀』の概念既に拡大
相談なしでも摘発
 法律違反を実行しなくても話し合えば罪になる「共謀罪」の創設法案。自民・公明両党が世論の反対を押し切り強行採決するかどうか、注目されるが、オウム真理教(アーレフと改称)事件捜査に携わった元公安検事も同法案に反対している。既に「共謀」の概念が、捜査現場や裁判でかなり広義に解釈されているため、共謀のみで罪に問うのは極めて危険だという。

 元東京地検公安部検事・落合洋司(ようじ)氏。現在は弁護士に転身し、刑事事件全般、企業コンプライアンス(法令順守)、インターネット紛争などの分野で活躍、「日々是好日」と題するブログ(http://d.hatena.ne.jp/yjochi/)も開設している。

 落合氏は「9・11テロやサリンをまくような本来的な組織犯罪に共謀罪を適用する意味はあるだろうし、諸外国との情報交換は相互主義が原則だから(立法を)やらないと制約を受ける」としつつも「法案に疑問を抱く人が多いのはもっともだ」と続ける。

 組織犯罪対策なのに「政府案」が「最高刑が懲役四年以上の懲役・禁固」である窃盗など六百十九種類の罪に共謀罪を設けることに拘泥し、「与党修正案」も最低でも六百三種類との内容であることに「組織犯罪とかけ離れた罪種まで含まれている。もっと絞り込むべきだ」と疑義を呈する。「しかも、重大犯罪には既に殺人予備罪、強盗予備罪、放火予備罪など(実行の準備に入ると罪になる)予備罪がある」

■労組、NGO 対象消えず

 共謀罪の適用対象となる「団体」の要件について、政府・与党が本格的な犯罪組織しか罪にならないと強調している点についても「そもそも一から十まで犯罪が目的という集団などない。一時的に犯罪をし、その後、やめたりするものだ。だから、裁判所は一時的に犯罪目的を持てば適用対象にする可能性が高い。法務省はかなり限定したように言うが、判断するのは法務省ではなく裁判所だ」と指摘する。「一般の人は捕まりません、などと国会で言っているが、NGOや労組が、一時的に捨て身の行動を取ることもあり得るのだから不確定だ」

■『その他の行為』の危険性

 政府は「話し合い」に加え「犯罪に資する行為」がないと共謀罪で起訴されないとしたが、世論から「あいまい過ぎる」と反発され、与党が「犯罪に必要な準備、その他の行為」と書き換えた。しかし「その他の行為」という文言も拡大解釈の危険を指摘されている。

 落合氏も「将来、裁判所が『必要な準備』には、犯罪に間接的に必要な場合も含むと解釈する可能性が十分ある。相当広範囲なもの、例えば、実行犯に靴や電車賃を貸す行為などが『犯罪に必要な準備』に該当するとされる可能性は十分ある」と話し、拡大適用の防止は条文を厳格にする以外ないと指摘する。「裁判官は条文で考える。付帯決議など、いくら、やっても関係ない」。その裁判官についても「犯罪への危機感を強めており、共謀“らしきもの”まで共謀と認定する流れにある」と指摘する。

■法律より事前情報

 ところで、捜査現場は共謀罪を必要としているのか。オウム事件捜査などを手がけた落合氏でさえ、必要性は感じなかったという。共謀罪があれば地下鉄サリン事件も防げたのか? 「防げない。事前情報がなかったからだ。逆に情報さえあれば共謀罪なしでも防げた。教団施設への建築基準法違反罪適用など手段はいくらでもある」

 「現在でも、情報さえあれば、犯罪実行前に検挙できている。公安の場合、その当否はともかく、ホテルに偽名で宿泊した、免許証に虚偽が書かれているなど、さまざまな理由を見つけて文書偽造罪、免状不実記載罪などを適用している。共謀罪がないから捜査できない切迫した事情はない」。落合氏は断言する。「組織犯罪は秘密裏に動くから、共謀罪ができても共謀罪で捕まることはないだろう。むしろ、NGOや労組などに使いやすいと思う」

 共謀罪と似た法律用語に「共謀共同正犯」がある。犯罪を謀議した仲間の誰かが実行行為に踏み切れば、他の仲間は実行しなくても共犯になるものだが、落合氏は、捜査・裁判実務で共謀共同正犯の拡大解釈が進んでいると指摘する。

 暴力団組長が泊まったホテルのロビーに拳銃を携帯していた組員がいた。組員は銃刀法違反罪、組長も同罪の共謀共同正犯に問われ、昨年末、最高裁で組長も有罪とされた。「共謀」の事実が詳細に証明されないまま共謀共同正犯が認定されたため「常識を打ち破った判決」と、法曹関係者に波紋を広げている。

 「共謀罪」の共謀と「共謀共同正犯」の共謀が同一概念であることは政府も認めている。法務省は「目くばせでも共謀が成立する」と国会答弁したが、現実は、もっと先を行っている。

 「共謀罪は共謀だけで成立するから、ある意味、怖いことだ」と落合氏。「相手が暴力団だから、いいじゃないか」と思うか、「明日はわが身。拡大解釈は危険」と感じるかは国民しだいだが、落合氏は言う。「日本では起訴されなくても逮捕、家宅捜索されるだけで大打撃だ。共謀罪には、起訴に持ち込めない相手を社会的に葬る手段として、十分過ぎる力がある」

 さらに「犯罪を漫然と相談しても共謀罪は成立しない」という法務省の説明について「気休めにもならない。相談すらしなくても、共謀が認定される以上“漠然と相談”したりすれば『具体的・現実的な合意をした』と決めつけられる可能性が極めて高い。酒の席で犯罪実行に意気投合し怪気炎を上げたりすれば、まさに自殺行為と言っても過言ではない」と警告する。

    ◇  ◇

 ある刑事は、捜査現場での共謀という概念の“使い勝手の良さ”を、こう語る。「あなたが『新型テレビが欲しいな』と言ったら、聞いていた仲間たちが、どっかから盗んできてしまった。『盗んでくれよ』『盗もうか』、そんなやりとりがなくたって、実行犯だけでなく、あなたも共謀共同正犯で捜査対象にできますよ」

■地道な捜査 逆行の怖さ

 休日出勤もいとわず、時に千万円単位の私費を使って、数十年がかりで暴力団内部にネタ元を築く刑事たちの中にも共謀罪の弊害を危惧(きぐ)する声がある。

 「自分をさらけ出さなきゃ、ホシ(容疑者)って落ちないんですよ。こっちの人間性を信用したら真実を喋(しゃべ)る。くさいセリフだけど、相手が犯罪者でもハートが勝負。私は、ずっと、このやり方だ。自供したホシに裁判で無罪主張されたり、『刑事に供述を強制された』なんて主張されたことも、一度だってない」

 刑事とは、容疑者や周辺関係者と人間関係を構築する地味でしんどい作業の繰り返しだ。「いったん相談したら、自首しないかぎりは罪になる」と迫る「共謀罪」は裏腹の発想だ。「法案を作った警察庁キャリアは…ああ、作ったのは法務省ですか。じゃあ、法務官僚たちは、現場をご存じないんじゃないでしょうか」。刑事や検事、検察事務官などが私生活を犠牲にして構築してきた捜査手法に、共謀罪がどんな影響を及ぼすのか-こんな重要なことさえ、国会では論議の一つも行われていない。

<デスクメモ>

 共謀罪をめぐり「審議は尽くした」と打ち切り姿勢の杉浦法相。本来は国会に徹底した論議をしていただく立場であるはずだが、忘れたのか。共謀罪を乱用した捜査が広がらないのか、という一点をとっても国民には不安と不信が強い。あいまいさを残したまま「今国会での可決を」なんて一方的に言われても。 (学)

■■引用終了■■


公安部検事が,組織犯罪対策は,現在の法制度で十分であり,共謀罪ができたからといって,組織犯罪が予防しやすくなるわけではないと明言した意味はとっても大きいと思う。

杉浦大臣,どう答えますか?!



この記事はとても分かりやすいので,HP,ブログ,メールなどあらゆる手段で知人に伝え,また,自民党公明党議員(地方議員含む)に伝えるべきだと思います。



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杉浦法務大臣に抗議を!~共謀罪に関して,行政府の長がしてはいけない越権発言

2006-05-23 23:26:21 | 共謀罪
朝日新聞によると,【共謀罪を創設する組織的犯罪処罰法改正案をめぐり、衆院法務委員会での強行採決が河野衆院議長の要請を受けて見送られた問題で、杉浦法相は23日、閣議後の記者会見で「すでに40時間以上審議しており、一つの法案としては破格に長い。採決する機は熟している」と述べた。民主党から再修正案が示されなければ、法務委での法案審議はこれ以上せず、採決に踏み切るべきだとの考えを示した。】という。

これは,とんでもない越権発言だ。杉浦法務大臣は,行政府としての法務省の長であり,立法府が法律で定めたことを粛々と,中立的な立場から,実行に移していくことがその役割だ。立法府に対して,こういう法律をつくれ,ああいう法律をなくせ,などと口出しをする役割は有していない。

議院内閣制という制度から,内閣にも法案の提出権はあるが,あくまでも,議院内閣制,すなわち,内閣が国会の多数派によって形成されているということを背景に,行政を担当し高度の専門知識を有する内閣に,便宜的に,法案提出権を認めているだけであって,提出された法案の審議については,国会の専権事項である。

しかるに,杉浦法務大臣は,「共謀罪を成立さすべし」と発言し,国会の専権事項に口を出してしまったのである。しかも,この法案は,捜査当局が権力を行使する権限を拡大する方向のものであり,単に,「登記の手続を簡略にします」などというような法律とは質が違うのである。国民の権利に直接関わることであり,国民の代表者で構成された国会で十分な議論が必要な法案なのである。それにもかかわらず,「40時間以上,審議したらからもう採決すべし」などと言うのは,許し難い。


さらに,【杉浦法相は19日の河野議長の裁定について「できるだけ円滑にという趣旨であり、さらに審議してほしいということではないようだ」】などと述べ,立法府たる国会の長である河野議長の発言を解説したうえ,【「先週末に、民主側から再修正の提案がされるはずだったのに出なかった」と述べ、民主党の対応を促した。】(上記朝日)というのだから,これは,もはや,中立的な立場にとどまるべき行政府の長として,許されない発言と言うほかない。


朝日新聞も,単に,杉浦発言を伝えるのではなく,その問題性を指摘するべきではないか。

メディアが動かないなら,市民が声を挙げるしかない。ことは,三権分立という国のあり方にかかわる問題である。杉浦法務大臣の発言をスルーしてしまうと,同じような発言が相次ぎ,内閣が立法に冠することになってしまう。そうなると,民主的手続によって選ばれる国会の最高機関性を損なうことになり,ひいては,国民の声を軽視することにつながってしまうのだ。

杉浦法務大臣の連絡先は,ここに掲載されている。きちんと謝罪するまで抗議するべきではないだろうか。

※参照:保坂議員のブログ(ここ←)


PS:共謀罪に賛成した議員には投票しません,というフラッシュっていうんですか,どなたか,あれを作って広めまていただけませんか?



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「不調なら採決」共謀罪で武部が再び,脅迫的発言~民主党,審議拒否批判を恐れるな

2006-05-22 22:56:50 | 共謀罪
読売新聞によると,【自民党の武部幹事長は22日の記者会見で、「共謀罪」を創設する組織犯罪処罰法改正案について、「(与野党が)話し合っても、(修正協議が)詰まらない場合は採決で決める以外ない。これが民主主義のあり方だ」と述べ、与野党間の調整がつかなければ、衆院法務委員会で採決に踏み切る考えを示した。 】という。そのうえで,【民主党が同法案の採決を巡って審議拒否をちらつかせていることに対し、「かつての野党と何ら変わらない」と強くけん制した。】らしい。

民主党が前回の総選挙での大敗のトラウマから,対案強迫症に陥っているなか,「かつての野党と変わらない」という評価はまさに「脅し」だ。

この脅しに民主党が,屈しないようにするため,「審議拒否もやむなし」「審議拒否してでも廃案に追い込もうとする姿勢に賛同する」という声を民主党(ここ←)に伝えましょう!



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条約の留保をしているくせに~なぜ共謀罪ではできないというのか?

2006-05-22 06:26:15 | 共謀罪
共謀罪の適用対象を国際性を有する犯罪に限定すること,いわゆる越境性の問題について,政府・与党は留保できないと主張するが,日本政府が条約を留保した例は,多い。人権規約では,個人通報制度の部分が批准されていなかったり,高等教育の無償化など何カ所も留保されたりしている(ここ)。

また,人種差別撤廃条約に関する留保は,ここ←で言及されているし,児童の権利条約での留保は,ここ←に記載されている。

しかも,そもそも,日本政府は,人権を擁護する方向での条約,特に労働者を保護する条約は,批准すらしていないという。
【今、日本国政府が未批准の条約が二百六十以上あり、そして、署名しながら未批准の条約が、昨年十一月末現在、十二あるということでございまして、先ほど来触れられております国際人権規約、B規約の第一選択議定書もその未批准の条約の一つでもあります。人権関連の条約が未批准ではないかという指摘を我が党もしておりますところでありますが、この二百六十以上の内訳を見ますと、特に八十三条約がILO条約関係といったことも非常に際立った特徴かなというふうに思っております。】(ここ←)

このような政府の対応から,条約を直ちに完全に国内法化する必要は必ずしもないことがよく分かる。

なぜ,共謀罪についてのみ,条約の留保が出来ないと言い張るのか?

政府与党に抗議メール,FAXする際,この点も具体的に盛り込みたいと思っています。


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共謀罪の行方に関心を寄せるすべての方へ~5月19日の出来事の意味と来週の展開(海渡弁護士)

2006-05-20 10:55:13 | 共謀罪
共謀罪・5月19日に起きた出来事の意味と来週の予測される展開

                         弁護士 海渡 雄一
・18日法務委員会理事会
 18日午後3時からの法務委員会理事会は休憩を挟んで夕方まで継続された。ここで、与党は19日の委員会採決を提案し、これに対し、野党側は強く反発し、実質的な修正協議に入れなかった。石原伸晃委員長が職権で、19日午前の理事会と同日午後の委員会開会を決定した。

・法務委員会は強行採決モード
 19日午前11時から開催された法務委員会の理事会の場では、修正協議が決裂し、質疑終局・採決という提案がなされていた。そして、この時間帯に自民党の武部幹事長は「審議には終局がなければならない。採決する」と明言した。
 午後1時から委員会が開会された時点では、すくなくとも委員会室の中は強行採決モードとなっていた。
 午後3時に採決なしで審議が終わった時点で、杉浦法務大臣は「何が起こったのかわからない」と首を傾げていたという(朝日 20日)。

・この動きが止まったのはなぜか。
 当初の報道では、河野洋平衆議院議長が河野議長は19日の昼前に自民党の細田博之、民主党の渡部恒三、公明党の東順治の3国対委員長と会談し、「共謀罪は国民の一大関心事となっている。強行採決は好ましくない」として、採決の見送りを求めたこととなっている。

・河野洋平衆議院議長は一体誰の意向で動いたのか。
 衆議院議長が強行採決後に国会が空転しているときに、調整に乗り出すのはよくあることである。しかし、強行採決前にこれを止めると言うのは珍しい。今朝の朝日新聞の報道がこのような異例なことが起きた謎を解き明かしてくれている。小泉首相が細田国対委員長に密かに採決をするなと指示をし、細田氏の斡旋依頼で河野議長は動いたという。「共謀罪成立を強行した首相」と言われることが、「国民の人気」を何よりも気にする小泉氏には耐え難かったと言うことだろう。だとすれば、我々市民の声が、首相までを動かしたといえる。

・来週の考えられる展開
 新聞は、与党が議長を担ぎ出して強行採決を回避した以上、強行採決は不可能となったと見ており、共謀罪の会期内成立は困難となったと書き始めている。そうなれば、本当にすばらしいことである。しかし、最後の大逆転の可能性が浮上してきている。
 与党が、民主党案を丸飲みする可能性があると言うことである。
 民主党案と与党案の間のハードルは高い。
1)対象犯罪を600から300に半減する。
2)犯罪の越境性を要件に盛り込む。
3)密告奨励の自首減免制度を原則として削除する。
 これまで、与党は1)2)は条約の一部を留保しても不可能と説明してきた。そういう意味では、与党がこの民主党案を丸飲みすることはできないと見られてきたし、いまも普通の見方ではそうなるだろう。そうなると、大幅延長がない限り、今国会の会期中の成立は困難で、継続審議にしても成立のメドはないこととなる。この展開では、我々の大勝利となるのだが、そうならない展開も残されている。
 それが、与党側がこれまでの説明を突然反故にして、民主党案を丸飲みするというウルトラCが示される可能性である。そうなると、一気に国会が正常化され、修正案が成立するという事態もありうるのである。
 
・やはり、共謀罪の本質的な危険性を訴えることが大切
 これまで民主党が対案を示して論戦を仕掛けてきたことは、大いに意味のあることであった。対案がなければとっくに採決されていた可能性が高いからである。しかし、昨日平岡議員は私に「国会で審議をすればするほど共謀罪というのは訳がわからなくなる」「こんな制度を持つとされるアメリカやイギリスで実際どんな使われ方をしているのか、人権侵害が起きているのではないか、十分勉強する必要がある。」と語ってくれた。
  本当にその通りだ。アメリカとイギリスはイラクに軍隊を送っている中心だ。小選挙区制度の下で、議会内での思想の多元性が失われている国でもある。戦争に向かう政府を止められないのは、共謀罪的な監視社会の中で表現の自由が抑圧されていることと関連があるのではないのか。どんなに適用対象を限定しても、犯罪の合意だけで人を処罰できるという共謀罪の本質的な問題は解消できない。このことをもう一度訴えていくことが必要だ。

・国連条約の起草過程の民主制の有無を争点化していく必要性がある
 もし、万が一にも与党側が民主党案を丸のみにしてきても、共謀罪に反対する思想と論理を構築する必要がある。そのためには、国連による条約の起草過程にかかわったのが外務、法務、警察官僚の代表だけであり、市民の代表がいなかったということを問題にし、民主的正当性を持っているのかという問題も提起していく必要があるだろう。

・国民世論の大勢は明らかに共謀罪法案の修正可決ではなく、廃案を求めている。
 いま、国民世論の大勢は明らかに共謀罪法案の修正可決ではなく、廃案を求めている。民主党が対案を示して闘ってきたことは反対の声を強める上で役に立ったし、その努力には深く敬意を表するものである。
 しかし、民主党内でも十分討論して、仮に与党側が民主党案を丸のみにしてきても、たとえば、時間を掛けて、アメリカやイギリスの共謀罪の適用の実態を議員の海外調査を実施して徹底した調査をしたり、条約締約国が条約5条の実施のためにどのような制度を創設しているのか、包括的な調査を行うことなどを求め、将来の禍根を残さないような慎重なうえにも慎重な審議を求め続ける姿勢を貫いて欲しい。



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首相へのお手紙作戦は功を奏するか?!~共謀罪法案採決否決の背景

2006-05-20 10:14:03 | 共謀罪
ここ←で,自民党総裁である小泉首相に,共謀罪反対のラブレターを届けてはどうでしょうか,と提案しましたが,まんざら当てはずれの手段でもないようだ。朝日新聞は,20日付朝刊(ここ←)で,共謀罪の強行採決を中止させた河野衆院議長の背後に小泉の思惑が働いていたと解説しています。

【自民、公明の与党は19日、「共謀罪」創設を含む組織的犯罪処罰法改正案の衆院法務委員会での採決を先送りした。国会が空転し、審議停滞を懸念する小泉首相の意向を受けた自民党側が河野洋平衆院議長と調整。議長の要請を受け入れる形をとったものだが、大幅な会期延長がない限り、同法案の今国会中の成立は困難な情勢となった。】(上記朝日)


そして,今後の見通しについては,

【与党と民主党は再び修正協議に入る構えだが、共謀罪が適用される対象犯罪などで隔たりは大きく、政府・与党側では「もはや歩み寄る余地はない」という見方が大勢。首相は会期延長には依然、否定的だ。議長を巻き込んだ収拾策をとったことで与党は採決を強行しにくくなり、会期内成立の見通しは立たなくなった。】

としている。


もちろん,そんなに甘い見通しでいいはずもなく,今後も,国民が強く反対しているというメッセージを自公両党のあらゆる議員,地方議員に伝え続ける必要があると思うが,一筋の明かりが見えた感じはする。先が見えれば,頑張り甲斐もありますよね。

週末は,地元に帰っている議員にメッセージを伝えましょう!

そして,小泉総裁へのラブレターも,検討してみて下さい。



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与党が強行採決しようとしている共謀罪法案全文~再々…訂版?

2006-05-20 02:46:46 | 共謀罪
与党が強行採決直前までいったとされる共謀罪法案の全文は以下のとおりです。決まらなくて良かった…。でも,今回の修正は根本に関わる部分であることは間違いない。以下の引用部分の①については,団体が一時的にでも成り立ちうるというような解釈を避けるための再修正,②については,「その他」って何やねんって突っ込みを自公議員らにメールやFAX,電話で入れて,「懸念」の存在(ここ←参照)をアピールしましょう!このまま,時間切れで廃案に追い込むために…。

■■引用開始■■

第六条の二
次の各号に掲げる罪に当たる行為で、組織的な犯罪集団の活動(組織的な犯罪集団(団体のうち,①【その結合関係の基礎としての】共同の目的が死刑若しくは無期若しくは長期5年以上の懲役若しくは禁錮の刑が定められている罪又は別表第一(第一号を除く。)に掲げる罪を実行することにある団体をいう。)の意思決定に基づく行為であって,その効果又はこれによる利益が当該組織的な犯罪集団に帰属するものをいう。)として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を共謀した者は、その共謀をした者のいずれかにより共謀に係る犯罪の実行に必要な②【準備その他の】行為が行われた場合において,当該各号に定める刑に処する。ただし、死刑又は無期若しくは長期5年以上の懲役若しくは禁錮の刑が定められている罪に係るものについては,実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。
一 死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮の刑が定められている罪 五年以下の懲役又は禁錮
二 長期四年以上十年以下の懲役又は禁錮の刑が定められている罪 二年以下の懲役又は禁錮
2 前項各号に掲げる罪に当たる行為で、第三条第二項に規定する目的で行われるものの遂行を共謀した者も、前項と同様とする。
3 前二項の適用に当たっては,思想及び良心の自由並びに結社の自由その他日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当制限するようなことがあってはならず,かつ,労働組合その他の団体の正当な活動を制限するようなことがあってはならない。

※2カ所の【】内の文言が前回の修正案(ここ←)に付け加えられたものです。①②の番号は便宜上,付け加えたものです。

■■引用終了■■


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共謀罪阻止へもう一歩!~小泉に共謀罪反対の声を届けよう!

2006-05-20 01:18:20 | 共謀罪
有終の美を飾ろうといている小泉に対し,このまま共謀罪が成立したら,数十年後には,小泉は共謀罪を制定した首相として悪名を残すことになる,という趣旨の手紙やメールを小泉に送り,あるいは,小泉の事務所にその趣旨の電話してみるというのはいかがでしょうか?ええ格好しぃの小泉なら,自分の任期中に,国民の反対を踏み越えてまで,共謀罪を通過させることは躊躇するのではないだろうか?

それとも,かえって,意固地にしてしまうだろうか?

とすると,共謀罪の成立を阻止した首相として,いい意味で名を残すよう,共謀罪を首相の権限で止めて下さいっていうほうがよいだろうか?

いずれにせよ,世論が反対しているということが伝われば,別に小泉が言い出した法案ではないのだから,無理をするようなことはないと思われる。

ちなみに,小泉純一郎氏の

議員会館の電話番号は,03-3508-7327
総理大臣秘書官室の電話番号は,03-3581-0101(2006年1月20日現在)
地元事務所の住所は,〒238-0004 横須賀市小川町13 宇野ビル3階
議員会館の住所は,〒100-8981 東京都千代田区永田町2-2-1 衆議院第1議員会館327号室

である。


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姑息な修正による強行採決に強い抗議を!~全ての自民党・公明党議員へアクションを!

2006-05-19 01:45:27 | 共謀罪
報道機関(ここ←)によると,19日,共謀罪が衆議院法務委員会で強行採決されるという。朝日新聞は,【犯罪の企てを話し合ったとみなされただけで罰せられる「共謀罪」を創設する法案をめぐり、衆院法務委員会の理事会が18日開かれ、石原伸晃委員長は19日午後に委員会を開くことを職権で決めた。与党側は「法案の審議は十分尽くした」としており、19日に採決する方針だ。】と伝えている。

まだ,時間は,あります。明日午後まで,法務委員会(ここ←)の自民党,公明党議員のほか,あらゆる自民党(ここ←),公明党(ここ←)議員の対し,電話,FAX,メールによる抗議を続けましょう。そして,より多くの方にそのような抗議活動に参加するよう呼び掛けましょう!

こちら←を使うと簡単にメールが送れるようです。できれば,さらに直接的な電話,FAXを!

自民党の「再修正案」は,共謀罪の対象となる「組織的犯罪集団」を「共同の目的が5年以上の懲役・禁固となる罪を実行することにある団体」と定義しており,これまでの4年以上からは,限定をしたという。

しかし,実際は,「5年以下の懲役」という派罪類型が多いため,4年以上を5年以上にしても,適用から外れるのは,600以上の犯罪のうち,公職選挙法などわずか13の罪に過ぎない(ここ←参照)という姑息な修正だ。


このような姑息な修正で通過させて良いはずがない。


警察も共謀罪には反対しているという。というのも,現実には効果がないからだという(以下東京新聞←より)。

【刑事】「いいか。暴力団やらテロ集団一味の中から、警察に密告するヤツが出てくると思うか。しっかりした犯罪組織ほど、それはあり得ないんじゃないのか」

【記者】でも、共謀罪法案には自首の減免規定があるから密告者も出るのでは?

【刑事】「坊や、あいかわらず、おりこうさんだねえ」と冷笑して、男は続けた。「それが甘いって言うのよ。刑が減免されたところで、組織の回し者に殺されたら何になる? 警察が一生、守ってくれるわけでもないのに。ヤクザとテロリストはな、警察より組織が怖いのよ。坊やの意見は、おりこうさんのキャリア官僚と同じ机上の空論ってやつよ」


この話をある用事で訪ねた警察署の警察官に聞いたところ,

被害届にきちんと対応するよう指示されているのに,共謀罪までできたら,共謀の有無という微妙な事実を調べさせられることになり,到底,手が回らない

などと東京新聞の記事を裏付ける話をしていた。


法務省は,新たに,共謀罪が成立するかしないかを表(ここ←)で示した。ぜひ,みてほしい。

右側が適用の範囲外だという説明だが理由が一言もないのには,まったく,あきれ果てるというほかない。

もっと,問題なのは,左側の適用があるとされる犯罪の方だ。

例えば,【偽ブランドの販売を繰り返している集団の構成員らが,海外の有名ブランドの偽物のバッグを輸入して販売することを計画した】などが入るとされているが,こういう犯罪を刑法の原則を変えてまで取り締まる必要があるのか?共謀段階で取り締まらないと取り返しのつかないような事態が発生するのか?

…………警察に逆らうと大変なことになるよ,という脅しの道具を与えるだけの結果になるのは明白ではないでしょうか!



最後まで諦めないで抗議し続けましょう!
共謀罪に反対するというメールを知人あてにも送り賛同したら,それをさらに多くの方に広めてもらい,それぞれの先から議員への抗議が届くようにお願いするというのはいかがでしょう。すでに実践されている方も多いと思いますが,仮に10人ずつが広めてくれたとして,10×10×10×10×10×10×10=10000000と7回で1000万人に広がります。




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民主党がさらに限定的な再修正案を発表~あと一歩,反対運動を広げよう!

2006-05-18 00:34:30 | 共謀罪
民主党が,17日,これまでの案について,さらに適用範囲を限定させ,濫用の危険性を少なくする案を発表した。この案は,共謀罪が適用される団体を,「構成員の継続的な結合関係の基礎となっている根本の目的が罪を実行することにある団体」と定義したもので,普通の意味での「組織的犯罪集団」に近いものになってきた。民主党がさらに限定的な案に修正したのは,市民の廃案を願う声の高まりを受けたものだと思われる。さらに反対運動をパワーアップしましょう!

■■引用開始■■

第六条の二
次の各号に掲げる罪に当たる行為(国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約第三条2(a)から(d)までのいずれかの場合に係るものに限る。)(注1)で、組織的犯罪集団の活動(組織的犯罪集団(団体のうち,【その構成員の継続的な結合関係の基礎となっている根本の】目的が死刑若しくは無期若しくは長期五年を超える懲役若しくは禁固の刑が定められている罪又は別表第一第二号から第五号までに掲げる罪を実行することにある団体をいう。次項において同じ。)の意思決定に基づく行為であって,その効果又はこれによる利益が当該組織的犯罪集団に帰属するものをいう。第七条の二において同じ。)(注2)として,当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を共謀した者は、その共謀をした者のいずれかがその共謀に係る犯罪の予備をした場合において(注3),当該各号に定める刑に処する。ただし、死刑又は無期の懲役若しくは禁固の刑が定められている罪については,実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。

一 死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮の刑が定められている罪 五年以下の懲役又は禁錮

二 長期五年を超え十年以下の懲役又は禁錮の刑が定められている罪 二年以下の懲役又は禁錮

2 前項各号に掲げる罪に当たる行為(国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約第三条2(a)から(d)までのいずれかの場合に係るものに限る。)(注1)で、組織的犯罪集団(注2)に不正権益(組織的犯罪集団の威力に基づく一定の地域又は分野における支配力であって,当該組織的犯罪集団の構成員による犯罪その他の不正な行為により当該組織的犯罪集団又はその構成員が継続的に利益を得ることを容易にすべきものをいう。以下この項において同じ。)を得させ,又は組織的犯罪集団の不正権益を維持し,若しくは拡大する目的で行われるものの遂行を共謀した者も、前項と同様とする。

3 前二項の適用に当たっては,思想,信教,集会,結社,表現及び学問の自由並びに勤労者の団結し,及び団体行動をする権利その他日本国憲法の保障する国民の自由と権利を,不当に制限するようなことがあってはならず,かつ,労働組合その他の団体の正当な活動を制限するようなことがあってはならない。

■■引用終了■■

上記のうち,【】の1カ所が民主党修正案(末尾引用。ここ←にあり)された部分だ。


これまでは,長期5年以上の犯罪を実行することを【主たる目的】とする集団であったが,再修正案では,【構成員の継続的な結合関係の基礎となっている根本の目的】とする団体に修正された。

これは,これまで政府側が答弁してきたことをそのまま定義にしたもので,一見して分かるとおり,これまでの案よりもさらに限定的なものとなっている。

すご~い。普通,野党が案を変更するときは,与党側に歩み寄るときだが,今回は,反対運動の後押しを受けて,さらに,ましな案になったのだ!!

与党議員がテレビで,民主党案への歩み寄りの意向を示したとか…。

自民・公明党法務委員のメンバーや地元選出議員を中心に,政府・与党の団体に関する説明をそのまま書いたのが民主党じゃないか,なぜ自民党案はそうなっていないのか,などと抗議しましょう。

そして,民主党には,国際的な犯罪に限定する問題(越境性の問題)や対象犯罪を長期4年以上から長期5年を超えるに限定する問題などもあるのだから,安易に与党に妥協せず,突っ張れと激励?!しましょう。


★ちなみに,注は,

注1:条約上でいうところの「性質上国際的な犯罪」にあたる場合に限って,処罰の対象とする。

国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約(ここ←)第三条2(a)から(d)とは,

(a)二以上の国において行われる場合

(b)一の国において行われるものであるが、その準備、計画、指示又は統制の実質的な部分が他の国において行われる場合

(c)一の国において行われるものであるが、二以上の国において犯罪活動を行う組織的な犯罪集団が関与する場合

(d)一の国において行われるものであるが、他の国に実質的な影響を及ぼす場合

である。

注2:共謀罪については,条約でいうところの「組織的な犯罪集団が関与する」場合に限って処罰の対象とする。

注3:共謀罪の成立については,条約で認められているところのいわゆる「合意の内容を推進するための行為」を要件とする。


【もとの民主党案】
■■引用開始■■
第六条の二
次の各号に掲げる罪に当たる行為(国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約第三条2⒜から⒟までのいずれかの場合に係るものに限る。)で、組織的犯罪集団の活動(組織的犯罪集団(団体のうち、死刑若しくは無期若しくは長期五年を超える懲役若しくは禁錮の刑が定められている罪又は別表第一第二号から第五号までに掲げる罪を実行することを主たる目的又は活動とする団体をいう。次項において同じ。)の意思決定に基づく行為であって、その効果又はこれによる利益が当該組
織的犯罪集団に帰属するものをいう。第七条の二において同じ。)として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を共謀した者は、その共謀をした者のいずれかがその共謀に係る犯罪の予備をした場合において、当該各号に定める刑に処する。ただし、死刑又は無期の懲役若しくは禁錮の刑が定められている罪については、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。

一 死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮の刑が定められている罪五年以下の懲役又は禁錮得した財産

二 長期五年を超え十年以下の懲役又は禁錮の刑が定められている罪二年以下の懲役又は禁錮

2 前項各号に掲げる罪に当たる行為(国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約第三条2⒜から⒟までのいずれかの場合に係るものに限る。)で、組織的犯罪集団に不正権益(組織的犯罪集団の威力に基づく一定の地域又は分野における支配力であって、当該組織的犯罪集団の構成員による犯罪その他の不正な行為により当該組織的犯罪集団又はその構成員が継続的に利益を得ることを容易にすべきものをいう。以下この項において同じ。)を得させ、又は組織的犯罪集団の不正権益を維持し、若しくは拡大する目的で行われるものの遂行を共謀した者も、前項と同様とする。

3 前二項の規定の適用に当たっては、思想、信教、集会、結社、表現及び学問の自由並びに勤労者の団結し、及び団体行動をする権利その他日本国憲法の保障する国民の自由と権利を、不当に制限するようなことがあってはならず、かつ、会社、労働組合その他の団体の正当な活動を制限するようなことがあってはならない。
■■引用終了■■

★そういえば,法務省がHP(ここ←)のtopics欄の【「組織的な犯罪の共謀罪」に対する御懸念について(2006/5/17)】の中で, 法務大臣のコメントを長文できちんと明記した。こうやって明らかにすればするほど,与党案は条文が説明通りになっていないことがよく分かるねぇ…。


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共謀罪は団体構成員にのみ適用されるのか?~濫用に関する重大な疑問

2006-05-17 03:45:21 | 共謀罪
共謀罪は,「組織的な犯罪集団」(この意味が実は,普通の意味での「組織的犯罪集団」に限定されないことは,ここ←で述べたとおりですが…)に適用されるというのが,与党修正案(末尾に引用)に関する与党側の説明だ。しかし,ちょっと,待ってくれ。集団に所属しない人が共謀に加わった場合,その人も共謀罪で処罰されるのだろうか?もし,そうだとすると,集団にとどまらず,処罰範囲が拡大していくことにならないだろうか。

最初に思いつくのが,メディアの取材だ。マンション建設反対運動を継続的に行ってきたグループ(組織的業務妨害を目的としていることとされ,共謀罪が適用される可能性がある)の代表者が,ある新聞記者に「明日,トラックの現場侵入を体を張って拒否するから,ぜひ,取材に来て下さい」と依頼し,記者が取材に行くことを約束した場合,この記者は,組織的業務妨害罪の共謀罪になるのだろうか?

自然環境を破壊する事業者の活動に反対をしてきた環境保護団体(組織的業務妨害を目的としていることとされ,共謀罪が適用される可能性がある)の広報担当者が,あるテレビレポーターに「明日,塩ビを使ったおもちゃを展示している会場の前で,塩ビのおもちゃを買うなという示威活動を激しく行い,展示の目的を達成できないようにしたいので,取材に来て下さい」と依頼し,レポーターが取材に行くことを承諾した場合はどうだろうか?

たとえば、主婦万引きグループがあったとして、そのグループから誘いを受けて、いったんは、某日某デパートでこうやって服を万引きしようという合意をしたが、実際には、当日、参加しなかった場合、誘われた主婦は、窃盗の共謀罪になるのか?

たとえば、マンション反対運動をしている人が、自分の子の同級生母親に、「明日は体を張って止めるから応援に来てね」って頼み、同級生の母親が気軽にいいわよって答えたら、共謀罪が成立するのだろうか…。

条文上は,特に,集団に所属していなければならないとは書かれていない。そうだとすると…。

この点,国会での審議を確認できていないが,果たして,集団に所属していない者は,共謀罪に適用されないと言い切れるのだろうか?

また,仮に,国会での審議では,集団への適用を要件とすると答弁されていたとして,その答弁が守られる根拠はあるのか?

もし,集団に所属していない者にも共謀罪が適用されるとすると,メディアは,市民運動,労働運動などを取材できなくなってしまう可能性すらあるし,集団に所属していない者が軽い気持ちで共謀に参加した場合にも適用されることになる。大幅に適用範囲が広がる…。

結構,重大な問題のように思える…。


どなたか,ご存じの方は,ぜひ,この点,教えて下さい。


ちなみに,TBSの調査結果(ここ←の7daysの5月16日欄の政治欄を探すとあります)では,共謀罪について懸念を持っている人が65%もいることが分かったようです。

■■以下引用■■

 与野党で激しい議論となっている「共謀罪」を新たに設ける組織犯罪処罰法の改正について、8割近くの人が今の国会での成立にこだわるべきでないと考えていることが、JNNの世論調査でわかりました。

 調査はこの土日に行いました。与党が今の国会での成立を目指す共謀罪の新設について、組織犯罪防止の観点を重視し、前向きに取り組むべきだと答えた人が37%だったのに対し、社会生活への影響が出ないかという観点を重視し、慎重に取り組むべきが61%という結果でした。

 共謀罪について、日本弁護士連合会などが指摘している会社や労働組合などでの行為や酒の席での意気投合なども罪に問われる可能性があるといった懸念については、「懸念がある」が65%、「懸念はない」が32%で、「前向きに取り組むべき」と答えた人でも半数以上が「懸念がある」と答えています。

 また、今の国会での成立については「成立させるべき」が18%なのに対し、「こだわるべきでない」が79%にのぼり、法改正に前向きな人でも68%が「こだわるべきでない」と考えています。

 一方、国会では、与野党が共謀罪を新設する法案の修正に向けた協議を続けています。しかし与野党の考えの開きは大きく、協議がまとまるめどは立っていません。

 与党側は今週金曜日の委員会採決を目指していますが、民主党の小沢代表は16日の役員会で、与党側に歩み寄りがみられず、協議が不調に終わった場合は、徹底抗戦すべきとの考えを示し、強い態度で臨む方針を確認しました。(16日20:28)


■■引用終了■■


なお,民主党の小沢党首が,15日、「共謀罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案について「犯罪の構成要件が漠としていて法定主義に反し、基本的人権を侵害する恐れがある。司直の裁量の余地が多すぎる」と批判したということです(ここ←)。


日本ジャーナリスト会議も15日,「法案は、憲法で保障された言論・表現・結社の自由を侵害し、『処罰対象は実際の行為』とする刑法の原則を根底から覆す」と、共謀罪を創設する組織的犯罪処罰法改正案を廃案にするよう求める緊急声明を発表したようです(ここ←)。

 

与党修正案
■■引用開始■■

第六条の二
次の各号に掲げる罪に当たる行為で、組織的な犯罪集団の活動①【(組織的な犯罪集団(団体のうち,その共同の目的がこれらの罪又は別表第一(第一号を除く。)に掲げる罪を実行することにある団体をいう。)の意思決定に基づく行為であって,その効果又はこれによる利益が当該組織的な犯罪集団に帰属するものをいう。)】として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を共謀した者は、②【その共謀をした者のいずれかにより共謀に係る犯罪の実行に必要な行為が行われた場合において,】当該各号に定める刑に処する。ただし、③【死刑又は無期若しくは長期5年以上の懲役若しくは禁錮の刑が定められている罪に係るものについては,】実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。
一 死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮の刑が定められている罪 五年以下の懲役又は禁錮
二 長期四年以上十年以下の懲役又は禁錮の刑が定められている罪 二年以下の懲役又は禁錮
2 前項各号に掲げる罪に当たる行為で、第三条第二項に規定する目的で行われるものの遂行を共謀した者も、前項と同様とする。
④【3 前二項の適用に当たっては,思想及び良心の自由並びに結社の自由その他日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当制限するようなことがあってはならず,かつ,労働組合その他の団体の正当な活動を制限するようなことがあってはならない。】

※4カ所の【】内の文言が元々の政府案に付け加えられたものです。①~④は便宜上,付け加えたものです。

■■引用終了■■



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共謀罪HPバトルは圧倒的に日弁連が攻勢!~与党修正案を厳しく批判:入管法「改正」へも意見書

2006-05-15 23:16:55 | 共謀罪
日弁連が「『共謀罪』に関する与党再修正案に対するコメント」と題して,HP(ここ←)に,与党の再度の修正案に対する批判を掲載した。法務省と日弁連はHPでバトルを繰り広げているが(ここ←参照),今回の攻防は,法務省が昨日紹介したとおりの体たらくだけに(ここ←の後半参照)明らかに,日弁連の圧勝だ。以下,日弁連の意見書を紹介する。また,日弁連は,入管法「改正」問題に対する意見書(ここ←)も発表,本気で悪法に闘う姿勢を強めている!

なお,日本ペンクラブも篠田さんの予告通り,本日,「私たち日本ペンクラブは、文筆活動を通じ、人間の内奥の不可思議と、それらを抱え持つ個々人によって成り立つ世の中の来し方行く末を描くことに携わってきた者として、この事態に対して、深い憂慮と強い反対の意思を表明するものである。」などとする反対声明(ここ←)を発した。日本ペンクラブらしい文章。こういう宣言がいろいろな団体から発せられるといいのですが…。

■■引用開始■■

2006年5月15日
日本弁護士連合会

1 与党再修正案について                        

与党は5月12日、共謀罪について、与党修正案をさらに「再修正」することを提案した。その主な内容は以下のとおりである。

(1)「共謀罪」の適用される団体を「組織的な犯罪集団」と明示した。ただし、「組織的な犯罪集団」の定義は、「その共同の目的が犯罪を実行することにある団体」との従来の定義を変えていない。

(2)修正案において加えられた「犯罪の実行に資する行為が行われた」との要件を「犯罪の実行に必要な準備その他の行為が行われた」と修正した。

(3)「日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当に制限してはならない」「労働組合その他の団体の正当な活動を制限することがあってはならない」旨の文言を加えた。

しかし、(1)に関しては、過去の審議の中で、「共同の目的」とは「団体の結合の基礎となる目的」を指す旨繰り返し政府から答弁されているにもかかわらず、そのとおり条文に反映されていない。また、過去に違法行為を行った事実のない団体が共謀罪の対象とされる危惧も依然として払拭されていない。

(2)に関しては、「その他の行為」にどのような行為が含まれるのか明確でなく、拡大解釈の余地を残している。少なくとも、「その他の行為」は削除するべきである。

2 いわゆる「越境性」と対象犯罪の限定について

さらに今回の再修正案においても、依然としていわゆる「越境性」は要件とされず、また対象犯罪も「4年以上の懲役・禁錮」となる犯罪のままであり、絞り込まれてはいない。

そもそも今回の法案は、対象犯罪が619にも及ぶ点に国民の危惧があり、対象犯罪を絞り込むことは大きな検討課題である。

政府は、これらの点に関して、条約上の留保ができない旨を従前から述べてきている。しかし、国連越境組織犯罪防止条約の趣旨・目的は、「国境を超える組織犯罪集団による重大な犯罪を防止する」という点にあるので、条約の批准にあたり、留保又は解釈宣言を行った上で、重大犯罪の定義として別の基準を定立することや越境性を要件とすることは、条約の趣旨・目的に反するとは言えず、条約の解釈として十分に成り立ちうるものである。

3 条約の審議内容と各国の実施状況の徹底調査を

国民の懸念が著しく高まった今、このような重大な立法について拙速に審議を進めるのではなく、原点に立ち返り、条約の意味内容や解釈を確定する必要がある。

また、119カ国に及ぶとされる批准国における条約の留保と解釈宣言の詳細な内容、各国における重大犯罪の定義などを調査し、その上でこれらの基礎資料を基に、条約の趣旨・目的を損なわず、かつ濫用の危険性を払拭した法案内容にするため、十分に議論して立法すべきである。

この法案が、広い国民の関心と深い懸念を呼んでいることに鑑み、国会審議においては、国際的な協調を図るとともに、人権の制約を最小限に留めるための叡智を集め、国民各層の不安を取り除き、将来に禍根を残すことのないよう、慎重な上にも慎重な審議を重ねるように求めたい。                 以上

■■引用終了■■

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では,どうすれば共謀罪の適用範囲が限定されるのか~ヒス●リックな法務省への(重ねマーク付き)提案?!

2006-05-14 20:01:11 | 共謀罪
共謀罪は,限定的なものになったとしても,これまでの刑法の枠組みを大幅に変更するものだけに,基本的には廃案とするべきだと思っています。そのうえで,昨日の「与党再度の修正案の問題点~メディアにも適用ある…」という記事(ここ←)において,与党修正案を批判しましたが,「では,具体的な条文上の歯止めはどうあるべきか」ということについても,自分なりの考えを示しておこうと思います。私自身は,あくまでも廃案論者であり,以下の案は,もし,政府・与党が言っているように,限定的な適用をするというのであれば,条文上もこうなるはずだ…ということについて考えるためだけのものです。ある意味,政府・与党案をつくる法務省へのラブレターです。

政府・与党は,本法案をテロ対策,暴力団,振り込め詐欺(オレオレ詐欺)などの組織犯罪対策だと説明しています(ここ←の「組織的な犯罪の共謀罪に関するQ&A 」参照)。

このうち,暴力団,振り込め詐欺については,すでに多くの犯罪が現実に行われているのであり,それらについてきちんと取締を行えば済むだけのことであり,何故,共謀罪の新設が必要なのか,まったく意味不明です。共謀罪が新設されることによって,なにゆえ,暴力団犯罪や振り込め詐欺がより取り締まりやすくなるのかを具体的に説明して欲しいところです。しかし,今回は,そういうことはひとまずおいて,政府・与党の説明に沿った場合,条文がどうあるべきか,という観点から,考えてみます。

共謀罪が,テロ対策,暴力団対策,オレオレ詐欺などの振り込め詐欺対策だとすれば,共謀罪の対象となる団体をそのように限定すればいいだけのことです。

つまり,与党修正案は,「組織的な犯罪集団」とは,【団体のうち,その共同の目的がこれらの罪又は別表第一(第一号を除く。)に掲げる罪を実行することにある団体】としました。しかし,これでは,ここ←で批判したように,メディアさえ対象となります。市民団体などは当然,対象になってきます。これを防ぐためには,テロ集団,暴力団,詐欺集団を対象とすることを明記すればいいだけのことです。

例えば,「組織的な犯罪集団」を,

【団体のうち,①その共同の目的が毒ガス,爆発物など大量に人を殺傷することが可能となる手段をもって,複数以上の不特定人を殺傷することにある団体もしくは②死刑又は無期若しくは長期5年以上の懲役若しくは禁錮の刑が定められている犯罪を共同の目的とする団体でその構成員のうち複数のものが前記の犯罪によってそれぞれ複数回有罪判決を受けたことがある団体】

と定義づければいい。

このように変更するだけで,法務省が百回,いや,一万回,「一般市民には適用しません」というよりも確実に,限定される(ちなみに現在,対象となるのはここ←を目的とする団体。例えば,「米穀の割当て又は配給等の規定に基づく制令違反等」や「偽りその他不正の行為による消費税の免税等」なども入る)。そして,共謀罪をもって取り締まるべきだとしている対象を取り締まることもできる。オレオレ詐欺などの悪質詐欺については,必ずしも,「構成員のうち複数のものが前記の犯罪によってそれぞれ複数回有罪判決を受けたことがある」とは言えないかも知れないが,共謀罪で取り締まるべきなのは,そういう悪質なものだけではないだろうか。もちろん,どうしても詐欺事案については,大量に被害が出るために,予防する必要がある,というのなら,こうしてはどうか。

【団体のうち,①その共同の目的が毒ガス,爆発物など大量に人を殺傷することが可能となる手段をもって,複数以上の不特定人を殺傷することにある団体,②死刑又は無期若しくは長期5年以上の懲役若しくは禁錮の刑が定められている犯罪を共同の目的とする団体でその構成員のうち複数のものが前記の犯罪によってそれぞれ複数回有罪判決を受けたことがある団体,若しくは③不特定の多数人を対象に詐欺を行うことを共同の目的とする団体】

これで,法務省の立法目的は達成できるのではないでしょうか?


ところで,法務省は,5月12日,そのHP(ここ←のtopics欄の一番上)に法務大臣記者会見ダイジェストなる記事を掲載しました。

その全文は,以下のとおりです。

■■引用開始■■

法務大臣記者会見ダイジェスト

-共謀罪-
「ともかく犯罪集団に対して適用する問題で,一般の国民に全く関係はありません。」
「むしろ,犯罪集団を制圧して多くの国民の生活を安心・安全なものに導いていくための条約であり,国内法です。」
「一般市民の方が目配せしただけで成立するというのは大変な誤解。法案の正しい理解を!!」

■■引用終了■■

なんですか,これは? 安心してくれ,安心してくれ,って,法務省ともあろうものが,理由も示さず,ただ強弁しているだけ。個人が使うならまだしも,!マークを二つも重ねるヒス●リックぶりには驚くほかない。そもそも,いつ,どこで,発言したものかも不明だし,会見の全文がどこにあるかも示していない。こういうのをプロパガンダっていうのではないでしょうか?国民をバカにするにもほどがある!!!!!!!(勝った。5個も多い)
※その後,法務省は上記ページに会見の全文を掲載しました…。


与党修正案を以下引用しておきます。

■■引用開始■■

第六条の二
次の各号に掲げる罪に当たる行為で、組織的な犯罪集団の活動①【(組織的な犯罪集団(団体のうち,その共同の目的がこれらの罪又は別表第一(第一号を除く。)に掲げる罪を実行することにある団体をいう。)の意思決定に基づく行為であって,その効果又はこれによる利益が当該組織的な犯罪集団に帰属するものをいう。)】として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を共謀した者は、②【その共謀をした者のいずれかにより共謀に係る犯罪の実行に必要な行為が行われた場合において,】当該各号に定める刑に処する。ただし、③【死刑又は無期若しくは長期5年以上の懲役若しくは禁錮の刑が定められている罪に係るものについては,】実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。
一 死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮の刑が定められている罪 五年以下の懲役又は禁錮
二 長期四年以上十年以下の懲役又は禁錮の刑が定められている罪 二年以下の懲役又は禁錮
2 前項各号に掲げる罪に当たる行為で、第三条第二項に規定する目的で行われるものの遂行を共謀した者も、前項と同様とする。
④【3 前二項の適用に当たっては,思想及び良心の自由並びに結社の自由その他日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当制限するようなことがあってはならず,かつ,労働組合その他の団体の正当な活動を制限するようなことがあってはならない。】

※4カ所の【】内の文言が元々の政府案に付け加えられたものです。①~④は便宜上,付け加えたものです。

■■引用終了■■



★なお,5月16日にも以下のような緊急集会が予定されているようです。

☆5・16共謀罪の強行採決を許さない緊急集会☆
ここ←参照)

■とき
5月16日(火)午後5時30分~
■ところ
衆議院議員面会所
(衆議院第一議員会館の向かい側、地下鉄国会議事堂前駅
1番出口・永田町駅1番出口から徒歩3分)
■発言
国会議員、市民、表現者 ほか
■主催
共謀罪の新設に反対する市民と表現者の集い実行委員会
■呼びかけ人
魚住昭(ジャーナリスト)
大谷昭宏(ジャーナリスト)
岡本厚(『世界』編集長)
小倉利丸(ネットワーク反監視プロジェクト)
石下直子(盗聴法《組織的犯罪対策立法》に反対する神奈川市民の会)
北村肇(『週刊金曜日』編集長)
木村まき(横浜事件第三次再審請求人)
斉藤貴男(ジャーナリスト)
佐高信(評論家)
佐藤憲一(盗聴法《組対法》に反対する市民連絡会)
設楽ヨシ子(ふぇみん婦人民主クラブ共同代表)
篠田博之(『創』編集長)
高田健(許すな!憲法改悪・市民連絡会)
俵義文(子どもと教科書全国ネット21) 
二木啓孝(日刊現代編集部長)
西野瑠美子(「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク)
寺澤有(ジャーナリスト)
寺中誠(アムネスティ・インターナショナル日本)
富山洋子(日本消費者連盟)
西村仁美(ルポライター)
福山真劫(平和フォーラム事務局長)
元木昌彦(講談社 元『週刊現代』編集長)
森達也(TVディレクター・映画監督・作家)
森原秀樹(反差別国際運動日本委員会)
矢野まなみ(移住労働者と連帯する全国ネットワーク)
星川淳(グリーンピース・ジャパン事務局長/作家・翻訳家)
■問い合わせ先
日本消費者連盟 TEL 03-5155-4765
『創』編集部 TEL 03-3225-1413
mail@tsukuru.co.jp




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与党再度の修正案の問題点~メディアにも適用ある…

2006-05-13 17:36:24 | 共謀罪
犯罪の企てを話しあっただけで罪となる「共謀罪」の創設を盛り込んだ組織的犯罪処罰法などの改正案が,来週早々にも衆院法務委で採決されると噂されている。その採決に向けて,与党側が,再度(これで何度目?)の修正案を示した。この修正にもまだまだ,問題がある。まず,修正案全文を見てみよう。

■■引用開始■■

第六条の二
次の各号に掲げる罪に当たる行為で、組織的な犯罪集団の活動①【(組織的な犯罪集団(団体のうち,その共同の目的がこれらの罪又は別表第一(第一号を除く。)に掲げる罪を実行することにある団体をいう。)の意思決定に基づく行為であって,その効果又はこれによる利益が当該組織的な犯罪集団に帰属するものをいう。)】として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を共謀した者は、②【その共謀をした者のいずれかにより共謀に係る犯罪の実行に必要な行為が行われた場合において,】当該各号に定める刑に処する。ただし、③【死刑又は無期若しくは長期5年以上の懲役若しくは禁錮の刑が定められている罪に係るものについては,】実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。
一 死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮の刑が定められている罪 五年以下の懲役又は禁錮
二 長期四年以上十年以下の懲役又は禁錮の刑が定められている罪 二年以下の懲役又は禁錮
2 前項各号に掲げる罪に当たる行為で、第三条第二項に規定する目的で行われるものの遂行を共謀した者も、前項と同様とする。
④【3 前二項の適用に当たっては,思想及び良心の自由並びに結社の自由その他日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当制限するようなことがあってはならず,かつ,労働組合その他の団体の正当な活動を制限するようなことがあってはならない。】

※4カ所の【】内の文言が元々の政府案に付け加えられたものです。①~④は便宜上,付け加えたものです。

■■引用終了■■


以上の修正のうち,実質的に意味があるのは,①と②だ。

③は,日本の刑法では長期刑については,「懲役5年以下」という決め方がされているものが多いため,「5年以上の懲役…」という分け方では限定されない。「5年を超える」とされれば,少しは意味のあるものになる。しかし,それでも,300以上の犯罪が該当することになるが…。

④は,単なる訓示規定であり,意味がない。犯罪だと見なしさえすれば,正当な活動ではなくなるのだから…。

そこで,まず,②だが,【犯罪の実行に必要な準備その他の行為】というのは確かに前の修正案「犯罪の実行に資する行為」よりは限定されそうではある。しかし,まず,思い出して欲しいのは,与党は,この要件を,犯罪の成立要件ではなく,処罰要件だとしたことだ(ここ←参照)。つまり,この要件がなくても,逮捕し,取り調べることはできる。そのうえで,本当は別の目的で行った行為~例えば,生活費として銀行預金を引き出した行為~をもって,「犯罪の実行に必要な準備その他の行為」とされてしまい,処罰されてしまう可能性がある。というか,警察ににらまれれば,そうなるでしょう。さらに,【その他の行為】というのがいかにも不明確だ。

最後に①だ。これは,組織的な犯罪集団という言葉が,いかにもテロ集団とか暴力団を示しているように思え,市民とは関係がない法律になったかのような印象を与える。

しかし,法律というのは,印象ではなく,きちんと,定義をみていく必要がある。

そうすると,

「組織的な犯罪集団」とは,

【団体のうち,その共同の目的がこれらの罪又は別表第一(第一号を除く。)に掲げる罪を実行することにある団体】

ということになり,テロ集団だとか暴力団とかには限定されない。

一つ一つ見ていこう。

【(組織的な犯罪集団(団体のうち,その共同の目的がこれらの罪又は別表第一(第一号を除く。)に掲げる罪を実行することにある団体をいう。)の意思決定に基づく行為であって,その効果又はこれによる利益が当該組織的な犯罪集団に帰属するものをいう。)として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を共謀した者】に何が該当するか?


例えば,ある酷い公害を撒きちらす企業があったとして,その公害企業を追及してその公害に関係する行為を中止させようというメディアがあったとします。その公害企業の行為と公害の因果関係は明白ではないのが通常(明白になっていたら,公害企業相手に訴訟をすればいい)だから,場合によっては,メディアの行為は,組織的信用毀損罪・組織的業務妨害罪(5年以下)だとみなされる可能性がある。そうすると,このメディアは,「共同の目的が組織的信用毀損罪・組織的業務妨害罪を実行することにある団体」すなわち,【組織的犯罪集団】だと言える。

次に,【団体の意思決定に基づく行為】といえるかどうかだが,これは,メディアが取材する場合,当然,いえる。

そして,【その効果又はこれによる利益が当該組織的な犯罪集団に帰属するもの】といえるかどうか。取材し,報道した結果,視聴率がアップし,あるいは,発行部数が伸びる可能性があるし,報道する側はそれを期待する。ということは,利益が帰属するという要件はクリアできる。

※実はここで問題なのは,この法律がテロ対策とされているが,テロ集団にとってテロを行うことによって,【その効果又はこれによる利益が当該組織的な犯罪集団に帰属する】といえるだろうか?
例えば,東京ドームに毒ガスを撒いたとしましょう。その結果,多数の死傷者が出たとして,テロ集団にとって,いかなる効果,利益が帰属するのか?
一見,帰属しないように思えるでしょう。ところが,テロ対策だという以上,ここは,強引にでも帰属させますよ。例えば,組織の知名度があがるとか組織に加入する人や狂信的に寄付する人が増えるなど…
つまり,歯止めにならないし,政府側もするつもりがない…ということです。

以上,①も,公害取材スタッフが該当するようでは,到底,市民団体には適用されないとはいえません。

とりあえず,与党再度の修正案についての反論です。
ちなみに前の修正案に対する反論はここ←です。



組織犯罪処罰法(ここ←)
第三条 次の各号に掲げる罪に当たる行為が、団体の活動(団体の意思決定に基づく行為であって、その効果又はこれによる利益が当該団体に帰属するものをいう。以下同じ。)として、当該罪に当たる行為を実行するための組織により行われたときは、その罪を犯した者は、当該各号に定める刑に処する。
 一 刑法(明治四十年法律第四十五号)第百八十六条第一項(常習賭博)の罪 五年以下の懲役
 二 刑法第百八十六条第二項(賭博場開張等図利)の罪 三月以上七年以下の懲役
 三 刑法第百九十九条(殺人)の罪 死刑又は無期若しくは五年以上の懲役
 四 刑法第二百二十条(逮捕及び監禁)の罪 三月以上十年以下の懲役
 五 刑法第二百二十三条第一項又は第二項(強要)の罪 五年以下の懲役
 六 刑法第二百二十五条の二(身の代金目的略取等)の罪 無期又は五年以上の懲役
 七 刑法第二百三十三条(信用毀損及び業務妨害)の罪 六年以下の懲役又は五十万円以下の罰金
 八 刑法第二百三十四条(威力業務妨害)の罪 五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金
 九 刑法第二百四十六条(詐欺)の罪 一年以上の有期懲役
 十 刑法第二百四十九条(恐喝)の罪 一年以上の有期懲役
 十一 刑法第二百六十条前段(建造物等損壊)の罪 七年以下の懲役






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次の共謀罪緊急院内集会は17日~もう一歩活動を広げよう!

2006-05-13 00:05:09 | 共謀罪
5月12日の集会は,参加者200人で立ち見が続出するほどの熱気に包まれ,sさすがに,メディアもそのことを伝えざるをえないところまできた(ここ←参照)。

共謀罪は,来週早々にも採決と噂されてはいるが,今週末から来週早々にかけての市民1人ひとりの活動(ここ←参照)で一日,一日先に延ばし,廃案にすることは十分可能だ。

それぞれの頑張りを次の緊急集会に来たみんなと語り合い,さらに何ができるかを考えることができるように,今週末,もうひと踏ん張りしましょう!!もう1人,反対者を増やし,その人から共謀罪反対のメールや電話,FAXを与党議員・メディアなどに入れてもらう。反対している野党には応援メールを送ってもらう。それだけ大きな力になるはずです。

◆緊急集会◆
日時   2006年5月17日 (水)  午後6時半~ 
場所 星陵会館  <千代田区永田町2-16-2  TEL 03-3581-5650 > 
場所は国会裏手の日比谷高校内です。
地下鉄有楽町線、半蔵門線、南北線 永田町駅下車6番出口徒歩3分 地下鉄千代田線国会議事堂前駅下車5番出口徒歩5分 地下鉄南北線溜池山王駅下車(国会議事堂前駅5番出口)徒歩5分 地下鉄銀座線、丸の内線赤坂見附駅下車徒歩7分

発言  超党派国会議員・日弁連・刑事法学者・法律家・文化人・ グリーンピース・アムネスティ・30日メーデーデモにおける逮捕者(プレカリアート) ほか

【 呼びかけ人 】 
糸数慶子(無所属・参議院議員),石井郁子(共産党・衆議院議員),井上哲士(共産党・参議院議員),枝野幸男(民主党・衆議院議員・法務委員),江田五月(民主党・参議院議員・法務委員),小川敏夫 (民主党・参議院議員),河村たかし(民主党・衆議院議員・法務委員),近藤正道(社民党・参議院議員),千葉景子(民主党・参議院議員・法務委員),仁比聡平(共産党・参議院議員・法務委員),平岡秀夫(民主党・衆議院議員・法務委員),福島みずほ(社民党・参議院議員),保坂展人(社民党・衆議院議員・法務委員),松岡 徹(民主党・参議院議員・法務委員),円より子(民主党・参議院議員)    

問い合わせ先 = 平岡秀夫事務所3508-7091  保坂展人事務所3508-7070  仁比聡平事務所3508-8333



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