これまた見逃すところだった企画展、会期ギリギリに向かった目黒川。
すごい荒れた天気、結構荒々しい川の様子が目についた(ジョギング記事参照)中、ここ郷さくらは何時もの静寂@隣のガススタのお兄さんの声。
2枚目は展示途中にあった古田藝大美術館教授の総評。
大変参考になりました。
今年4年目となるFROM展、比較的藝大出身が多いとは言いながら日本画に対するアプローチなど個性豊かなアーティストが年1回大作にチャレンジする機会となる本展。
昨年は週末、たまたまアーティストトークの日に訪問となって、一通り皆さんの話が聞けたので、今回は会期末寸前の平日ながらその時のお話や個別の方々との会話など反芻?しながら楽しみました。
今年は私的推しの川崎真央さんの韋駄天像が表紙にフューチャー。
今年の訪問客人気投票で私がクリックした野地美樹子さんが裏表紙上部となっており、
先ずこれだけで楽しいのですが、作品撮影可でしたので、先ずは1階最初のエリアからご紹介開始。今年はこんなパネルがエリア毎に用意されていました。
先ずはその川崎真央さん:
キャプションによれば確かにこれまで日本神話やそれに纏わる神々をモチーフにしてきた川崎さんですが、この韋駄天は仏神。
仏神には像容が確かにあるので、朱色で思いっ切り描いたそう。この訪問から1週間ほどで今度は藝大キャンパスで彼女のデッサンに出会ったのですが、これも昨年同様の気が…
昨年のトークイベントではご自身の作品は気に入った個々の部材を並べるお店、的発言があったのと、今年は多分小品の紹介に止まりそうな、と記憶していますが、そんな感じが2点。
昨年は都市の俯瞰図、ディテールまで描き込んであり、同僚作家から突っ込んだ質問があってもすれ違ったやり取りが面白かった記憶があるのですが、今年は一転幻想的な森の様子を展開。
それぞれのパネルに映し出された情景は納得、凄いと思ったのですが、この分量になってくると(我々受け手側が)些か散漫になってくるのでは、と思いました。
1階奥、少し上がったところのスペースには個性的な女性作家がお二人。
山浦めぐみさんと木下めいこさん。
山浦さんは昨年広島都市部の俯瞰図にチャーリーだったかな、の思い出を散りばめた作品だったと記憶していますが、
今年は「A Landscape-Misen,Itsukusima」。
昨年に比べ抽象度が増した感じがしますが結構な迫力。
そして昨年同様小品には肖像画。
昨年まで木の板の板目を使いながら制作していた木下さんの今年の大作を見てビックリ⁉️
左隻を拡大、右隻はサムネイル、で恐縮ですが、この左隻の鮮やかな青、去年までの年輪とは明らかに異なる。
「空創」がタイトル。
キャプションによれば、岩絵具に加え、「サイアノタイプ」という青写真用の薬品を使って、紫外線の当たらない室内で描いて、日光を浴びたら水で洗い流す、彼女にとっての「日本画」とか。
もう一つの作品は従来通りの木目を活かしたもの。
それではこちらの習い、1階から3階までエレベーターに乗って、
今回のFROM展、最終の展示となるフロアは押元一敏、武田裕子、野地美樹子さんのお三方。
先ずはの紹介は武田裕子さん、「春のそこ、おだやかなこちら」。
写真の通り連作で1本。窓の内側に映った梅の木と、庭の池に映った梅の木を俯瞰的に眺める視点で捉えた作品。
もう一つは「菊野のあれ山山に」。
如何にも典型的な日本画、と思われつつ、昨年ほどではないですが、単にその景色を表現しているだけではない彼女の世界観が感じられる一品。凄いです。
さて、上の方でお伝えした通り、本展訪問客が投票できる“私の一作”、選ばせて頂いたのは野地美樹子さん「SIJIMA」。
取材の際に「日常の喧騒と離れた静寂の中で冬の冷たく冴え渡った月が樹々を照らしている」シーンを見ての作品とか。
昨年は代々木公園か東大駒場キャンパス、彼女のアトリエに近いところで取材の銀杏をモチーフにした作品が印象的だったのですが、今年は取材先での作品。
いやー、本当に優れた筆致で素晴らしい。
この大作を収納して制作できるアトリエをお持ち、と昨年伺いましたが、それだけでない構成力、実力、時を共有化している作家として注目しなくてはいけない方であります。
今年は「創世」。そして相変わらず岩だらけ…
こうやって作家一人一人に言及すると、昨年から登場する方の数が減っていることに気が付きます。
来年どうか、要チェックです。
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ところで、2階の桜展、過去の受賞作が素晴らしかったのでアーカイブ。私的推しの宮下真理子さんや大河原典子さんなど続々:
などなど楽しんだ今回から入場料が800円となったみたいで、これが無料となり、ぐるっとパス効果は計28,720円となりました。
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