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東京に暮らす中国人が見た、リアルタイムのこの国のすべて・・・

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七夕の思い出

2007-07-10 09:05:25 | 東京写真日記
 7月7日は、日本の七夕祭りである。商店街やデパートなどの公共の場所を歩いていると、枝を垂らした笹があちこちに飾られ、島国の老若男女の願い事が手書きでつづられた、色とりどりの短冊がたくさん付けられているのを見かける。

 日本に来たばかりの頃、国内のある雑誌で読んだエッセイに、日本は中国から昔の七夕祭りと美しく悲しい牽牛織女の伝説を取り入れたが、中国の旧暦七月七日をそのまま西暦に置き換えてしまったのは、笑うに笑えない話だと書いてあったことが記憶に残っていた。

 ところがその後、民俗について詳しいある日本人の教授から、日本の七夕祭りは実は三つあるということを聞いた。一つは西暦の七月七日、二つ目は中国と同じ旧暦七月七日、三つ目はカレンダー上の八月七日である。一つの記念日を三つに分けたとは、ずいぶん面倒なことをしてしまったものだと思った。ところがそうではなかった。教授は真剣にこう説明したのだ。七月初めはまだ梅雨が明けていない。「もし七月七日に雨が降っても、織姫と彦星にはまだ会えるチャンスが二回あるんですよ……。」

 私はこの優しさに溢れた解釈に、たいへん驚かされた。さて、笹にかけられた短冊に目を向けてみると、どれもこれも男女の仲についての甘い願い事ばかりかと思っていたら、意外なことに「彼氏が早くできますように」、「新婚生活が円満でありますように」などだけでなく、「いつまでも笑顔でいたい」、「歌の世界にデビューできますように」、「おいしいものをたくさん食べても太りませんように」、「最短で英検合格!」、「世界平和祈願」などの、恋愛とは関係のない、心の底からの願い事がもっとたくさんあったのだ。

 感傷的な昔の人は、頭を挙げて月を眺め、月の女神や月の兎の幻影を生み出し、遥かな銀河を眺めて、牽牛織女の愛の物語を紡いだ。美しい伝説のおかげで、我々は月餅を味わい、桂花酒を楽しみ、さらには現代の中国版「情人節」(七夕の日に行われる二つ目のバレンタインデーとでも言うべき日)まで派生させた。一方、大和民族の方は、古い伝説に優しい願いをこめた解釈を加え、単純な恋の告白を人類普遍の意味の願い事に昇華してしまった。このような新しい発展は、誤解や曲解されるべきものではなく、理解して学ぶべき価値が大いにあるのではないだろうか?

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