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女子高生と新ビジネス

2011-02-10 16:50:17 | 娯:ゲーム・キャラクター

一流のスポーツ選手にとっては、ファンの励ましやアドバイスが一番の心の支えになるだろう。一方、ヒット商品を打ち出すために日夜頭を絞っている企業にとっては、女子高生の意見が重要なのだという。ブームプランニング社は、首都圏の女子高校生を中心に約1万人の消費者モニターを抱え、様々な企業の商品開発や改良、あるいはプロモーションなどに大きな貢献をしてきた。NTTのキャラクター電報、資生堂の初代コンビニコスメ、バンダイナムコゲームスの15種もの歴代のプリクラなど、これらのいずれの商品にも、女子高生たちの意見が反映されているのだ。

女子高生という消費者群に目をつけたパイオニアである中村泰子社長は、1986年の創業以来一貫して、女子高生の実力を重視してきた。「彼女たちは流行や口コミに敏感で、限られたお小遣いで楽しむので、商品の選択はとても厳しいのです。」彼女たちは、気に入らなければ、大企業の幹部たちに対しても率直に「絶対買わない」と言うことができるのだ。

名古屋のダリヤ社が発売したヘアカラー剤「パルティ」。商品のブランド力を高めるために、10名あまりの幹部が複数のパッケージデザインを持って東京渋谷のブームプランニングの小さな事務所を訪れた。そして女子高生たちが活発な意見を述べた後、新しいパッケージの商品が2008年春に発売されたが、販売数は前年に比べて1.5倍に増えたという!女子高生の目の鋭さは、食品商社の山の消費者調査でもたびたび証明された。約10年前、女子高生たちに約50種類のお菓子を食べてもらって、ランキングをつけさせた。彼女たちがつけた順位と、その後の実際の販売額は98%一致したそうだ。最新技術のコンピュータで厳密に計算しても、このような結果は絶対出ないだろう。

企業が必要な時に人を迅速に集めるには、モニターたちと良好な関係を保つことが必要だ。時代がますますデジタル化しているからこそ、こうしたアナログな発想が重要になっている。女子高生たちと実際に会って話をし、彼女たちに友達を紹介してもらう。こうした信頼関係は、メールだけに頼っていては作ることができない。女子高生たちと一緒に「恋バナ」したり、友達や家族のことから進学の悩みまで何でも話を聞くのが好きだと中村さんは言う。彼女の最大の関心事は、時代が変わっても「女子高生気質」。今この気質は低年齢化し、小中学生からも目が離せないというが、堅実で効率性を求め可愛いものが大好きな手強い消費者である女子高生の未来に中村社長は、大いに期待している。

写真提供:ブームプランニング

ブームプランニング http://www.boom.co.jp/
 朝日新聞のWebサイトにて「女子高生イマこれ!」連載中! https://aspara.asahi.com/



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