特定行政書士 徳能ブログNEO

特定行政書士とくさんのちょっと得するかもしれないお話  
シーズン2

民法で1問(87)

2011年03月09日 17時28分00秒 | 民法過去問

 行政書士試験民法から履行の強制(第414条)に関する問題。

 「個数形式」ですので,当然のことながら,一つでも判断を誤るとそこでお終い,という大変緊張感のある問題です。

 この問題は条文知識というより,どちらかといえば 一般常識的な感覚,もっというなら,日常生活での具体的な契約事例にあてはめてみてから,正誤の判断(解答)に臨んだほうが解きやすいかもしれません。          

                                              「問題」

 次のア~オの事例のうち、直接強制の方法によって債務者の債務の強制的実現を図ることができるものは、いくつあるか。

 ア 銀行から500万円を借り入れた企業が、返済の期限が到来したにもかかわらず、返済をしない事例

 イ 画家が、顧客との間で顧客の似顔絵を描く契約を結んだにもかかわらず、似顔絵を描こうとしない事例

 ウ カラオケボックスの経営者と周辺住民との間で騒音をめぐって紛争が起こり、夜12時から朝10時まではカラオケボックスの営業をしないとの合意が両者の間で成立したにもかかわらず、夜12時を過ぎてもカラオケボックスが営業を続けている事例

 エ ある者の名誉を毀損する記事を雑誌に掲載した出版社が、名誉毀損を理由として謝罪広告の掲載を命じる確定判決を受けたにもかかわらず、謝罪広告の掲載をしない事例

 オ 建物の賃貸借契約が終了し、賃借人が建物を明け渡さなければならないにもかかわらず、賃借人が建物を占有し続けている事例

  1 一つ

  2 二つ

  3 三つ

  4 四つ

  5 五つ

        (平成19年度 行政書士試験 問題32) 


国家賠償法で1問(4)

2011年03月09日 00時11分00秒 | 行政法過去問

    国家賠償の制度に関する総論的な問題から1問。

 この手の問題は,ひととおり行政法の勉強が進んでくると,自然に正解が見えてくるという問題の代表だと思います。

 他の法律との兼ね合いなどから考えて,ちょっと不自然だ,と感じる選択肢を省いていくと必然的に正解が浮かび上がってくることになりますが・・・

                  「問題」

  国家賠償制度に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 1 違法な行政庁の処分に対し国家賠償請求訴訟を提起して勝訴するためには、あらかじめ当該処分に対して取消訴訟または無効確認訴訟を提起し、取消しないし無効確認の判決を得て、当該処分が違法であることを確定しておかなければならない。

 2 国家賠償法は、憲法17条の規定を受けて制定されたものであるので、日本国民と外国人とを区別せずに損害賠償を認めている。

 3 国家賠償法は、国または公共団体の損害賠償責任について、補充的に「民法の規定による」としているが、民法典以外の失火責任法*や自動車損害賠償保障法なども、ここにいう「民法の規定」に含まれる。

 4 行政事件訴訟法は、行政庁が取消訴訟の対象となる処分をする場合には、当該処分の相手方に対し、取消訴訟と併せて国家賠償法1条に基づいて国家賠償訴訟を提起することができる旨教示する義務を規定している。

 5 国家賠償法は、憲法17条の規定を受けて制定されたものであるから、特別法において、公務員の不法行為による国または公共団体の損害賠償責任を免除し、または制限する規定を置くことは憲法違反であり、許されない。

 (注) *失火ノ責任ニ関スル法律

         (平成20年度 行政書士試験 問題19)