行政書士試験民法から履行の強制(第414条)に関する問題。
「個数形式」ですので,当然のことながら,一つでも判断を誤るとそこでお終い,という大変緊張感のある問題です。
この問題は条文知識というより,どちらかといえば 一般常識的な感覚,もっというなら,日常生活での具体的な契約事例にあてはめてみてから,正誤の判断(解答)に臨んだほうが解きやすいかもしれません。
「問題」
次のア~オの事例のうち、直接強制の方法によって債務者の債務の強制的実現を図ることができるものは、いくつあるか。
ア 銀行から500万円を借り入れた企業が、返済の期限が到来したにもかかわらず、返済をしない事例
イ 画家が、顧客との間で顧客の似顔絵を描く契約を結んだにもかかわらず、似顔絵を描こうとしない事例
ウ カラオケボックスの経営者と周辺住民との間で騒音をめぐって紛争が起こり、夜12時から朝10時まではカラオケボックスの営業をしないとの合意が両者の間で成立したにもかかわらず、夜12時を過ぎてもカラオケボックスが営業を続けている事例
エ ある者の名誉を毀損する記事を雑誌に掲載した出版社が、名誉毀損を理由として謝罪広告の掲載を命じる確定判決を受けたにもかかわらず、謝罪広告の掲載をしない事例
オ 建物の賃貸借契約が終了し、賃借人が建物を明け渡さなければならないにもかかわらず、賃借人が建物を占有し続けている事例
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
5 五つ
(平成19年度 行政書士試験 問題32)