橋下市長、大飯再稼働「容認」の背景

2012-06-01 08:02:49 | 政治
関西電力・大飯原発の再稼働について、大阪市の橋下市長は「うわべばかり言っていてもしかたがない。建て前論ばかり言っても。事実上の容認」と理解を示しました。およそ1か月前は「誰も安全だなんて言っていない。このまま進めるのは国家の重大危機」と述べるなど再稼働批判の急先鋒だった橋下氏。一転して容認した背景には何があったのか、橋下氏のブレーンに真相を問いました。

核の最終処分場はどこにするんだ 東京や大阪に最終処分場を建設しろ

 「うわべばかり言ってもしかたない。建て前論ばかり言っても。事実上の容認ですよ」(大阪市 橋下徹市長)

 31日、関西電力・大飯原発の再稼働を容認すると明言した大阪市の橋下市長。野田総理も「最終的には私の責任で判断する」と発言していて、大飯原発の再稼働に向けた動きは最終段階に入りました。再稼働の容認を明言した橋下市長ですが、これまで原発の建設や再稼働には反対の姿勢を続けてきました。

 「新規原発ないし原発の延長計画、これを府県民の総力で止めにかかる」(去年4月)
 「誰も安全だなんて言ってない。このまま進めていくことは国家の重大危機だと認識」(4月)

 ところが、5月に入ると橋下市長の発言に変化が見られるようになりました。

 「もし再稼働ということがあるなら、動かし方。それは臨時なのかどうか、1か月か2か月か3か月か、そういう動かし方もあるのではないかと」(19日)

 そして、31日・・・

 「事実上の容認ですよ。この夏どうしても乗り切る必要があれば、暫定的な基準で暫定的な安全判断かもわからないが、もうそれは容認と」

 こうした発言の変化の背景や真意について、大阪市特別顧問の古賀氏は次のように説明します。

 「きのうの段階で政府は絶対(大飯原発を)動かすことがはっきりしたので新しい段階に入った。あれこれ言い訳するのは潔くない。それよりはここで一回整理をして次の戦いに入っていこうと」(大阪市特別顧問 古賀茂明氏)

 政府の試算で、大飯原発が再稼働しなければ電力が14.9%不足するという関電管内。原子炉2基をフル出力させるには6週間かかるため、夏の電力需要のピークに間に合わせるには今がギリギリのタイミングという事情もあります。

 「『安全は万全なものではない、不十分だ』と政府に認めさせる。そういうものならば再稼働はフル稼働はあり得ない。どうしても足りない夏の間だけだと。9月には止めるんですねというところになんとか持っていきたい」(大阪市特別顧問 古賀茂明氏)

 30日に開かれた関西広域連合の会合。関係者によりますと、非公開の部分で齋藤官房副長官から次のような発言があったといいます。

 「もう決めます」(齋藤勁官房副長官)
 「再稼働を決めるということか?」(出席者)
 「そう理解していただいて結構です」(齋藤勁官房副長官)

 出席者はこのやりとりで“政府が大飯原発の再稼働に向けて押し切ろうとしている”と判断。これまで再稼働に反対してきた関西広域連合でしたが、結局「限定的」という表現を使って、政府が適切に再稼働を判断するよう求める声明を発表しました。

 「あくまでも暫定的、限定的。臨時的再稼働はやむをえないと言う方が気持ち的には近い」(滋賀県 嘉田由紀子知事)
 「積極的な判断はこの(声明)中ではしていない。(夏の)需給をにらんだ暫定的、限定的な稼働」(京都府 山田啓二知事)

 再稼働に向けた手続き。次に福井県議会とおおい町が同意すれば、最終的に福井県知事が判断します。

 おおい町では・・・

 「安全さえきちんと守っていただければ、私は賛成ですけど。事故だけはちょっと・・・小さい子がいるので」(住民)

 政府は、福井県知事の理解が得られたと判断すれば、来週改めて関係閣僚会合を開き、再稼働を決定することになります。(


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