加速する円安は本質的な日本経済の弱体化

2014-09-23 12:36:39 | 経済

アイフォーンの中身は日本製部品だから←乗っ取られてアメリカの子会社になるんじゃなか

「冒険訓」(光文社)←解決策が書いてあるそうです[著者 辛坊 治郎]

【辛坊持論】加速する円安は本質的な日本経済の弱体化

スポーツ報知 9月21日(日)13時37分配信

円安が進んでいます。昨年一気に為替レートが変動して、年の終わりごろには105円台をつけた円相場は、今年に入って若干円高に戻り、103円くらいを軸に一定範囲で相場が推移する「ボックス相場」だったんですが、ここへきて一気に円安が加速しています。最大の理由は、アメリカの景気回復が鮮明になってきたことで、ドルの金利が上がるんじゃないかという思惑が強まっているからです。投資するのにドルの方が円より有利じゃないかってことで、円を売ってドルを買う動きが加速してるんですね。

  これだけならそんなに心配する話じゃないんですが、円安の底流に別の意味があるとすると、事態は楽観視できません。それは、本質的な日本経済の弱体化です。それを象徴するのが先週の新型iPhone(アイフォーン)の発表でした。発売元のアップルコンピュータは数字を公表していませんが、恐らくこの新製品は数日間に全世界で1000万台を超える売り上げを記録するはずです。普通、新しい電化製品がどんなに大ヒットしても、「数年で数百万台」がせいぜいです。それが、たった数日間で「1000万台」って、こりゃとてつもない数字ですよね。

  よく「アイフォーンの中身は日本製部品だから、日本なくしてアイフォーンはあり得ない」って言います。それはその通りなんですが、価格決定権を持っていて最終的に利益を握るのは下請けでなく、発売元だというのは残念ながら揺るぎない真実です。日本メーカーが、この種の小型家電の圧倒的な覇者だった時代を知っている者としては、現状はあまりに寂しい気がします。そして、この「日本製品に欲しいものがない」ということがもし円安の本質的理由だとすると、事態は相当に深刻です。

  日本経済はどうなるのか? 日本の地盤沈下を止め、金融緩和や財政出動に頼らない経済再生の道筋をどうつけるのか? なんてことを考察した素晴らしい本が、今日全国の書店に並びます。本のタイトルは「冒険訓」(光文社)です。著者は恥ずかしながら私です。昨年の海難事故の顛末(てんまつ)も書いておきましたので、ぜひ立ち読みせずに買ってください。どうぞよろしくお願いします。((株)大阪綜合研究所代表・辛坊 治郎)



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