おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み

〔特定〕行政書士/知的財産管理技能士/国家試験塾講師等が生業の巷の一介の素浪人の日常

条文ジャングル

2021-09-10 | ■ 業 務 エ ッ セ イ

 

 

 

事情があり 自身の学習スタイルは スタート時からの独習であったので

ケッコウ悩んだのは 入り組んだ論が多い科目で 条文が枝を入れなくとも

1000条を越すような あるいは 内容がそれに匹敵するような科目を含

む試験(もっとも ホボ全科目がそのようなレベルの国家試験も多いですが)

において

『今 自分は どの範囲の どのことを知るために集中すべきなのか ?』

という類の条文ジャングルに入り込んでしまっての 迷い と シバシバ遭

遇したというようなこと でした

(今も 新しい知識に挑む必要に迫られたような場合は そのような思いを

 したりもし なにも変わりがない学び手法のまま と いえそうですが)

 

法規に登場する 〔編・章・節・款・目〕といランクレベル(分類のための)

のような文言は 自身の場合ひとつの目じるし・案内標 として 利用しました

『この款あたりのことは マダマダ 正体がつかめてないな』というような

 

民法で言うと

章 だけで一塊  地上権・事務管理・相続人 など

章と節 で一塊  同時死亡の推定・不動産質・遺産の分割 など 

節と款 で一塊  一般の先取特権・契約の解除・裁判上の離婚 など

款と目 で一塊  詐害行為取消権の要件・弁済による代位 など

 

 

というようなことで 六法に登場の 法規のスタート部分目次は 場合によっては

利用できそう

かも というようなこと そのようなお話 です

 

ソンナコトハ 既に承知 という方も多いことでしょうが

余計なお世話みたいなことを 今回も記してしまいました スミマセン

 

 

さて 本日は ムムム 準備が必要な実務がスケジュールに

それと 歯医者さんにもいかなくちゃ

さて シャワーを浴びさせていただいて 相対マナー用意をしてから まず面談用

書類整理だぞ

 

                                   

 

 

 

 

 

 


削除された条文のホンノ一部だが

2021-09-09 | 〔法規 ・ 法制〕

条文改正 とはいっても 文言の変化 や 移動など と 

その仕組み・制度がなくなるというような

〔長いこと存在し続けた条文そのものの 削除〕 

とでは

ヤハリ 印象が異なりますね

 

民法 債権 第三章契約 のところも 改正が多いところです

気になる というか 実務でもタイセツ(もっとも 改正部については ランク付けする

ことなく 実務にも受験にも注意が必要なこと 当然ともいえるでしょうが・・)だと

思われ 自身も悪戦苦闘しているわけですが コツコツ対処するにしかず ということで

 

今回は 【解除と危険負担】 というあたりのことの 履行不能ということあたりに関しての

ホンノ 一部分ですが記させていただきます

先に シンプルに 要点を 並べておかせてください
                    ※ 改正前の条文には 旧 と付すこととします

〔 旧 534条 の (債権者の危険負担) は 削除 されています〕

〔 536条 の (債務者の危険負担等〕の文言が 改正されています

改正後は

(債務者の危険負担等)
五百三十六条 
当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなった
ときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる

    ※ 改正前は 債務者は反対給付を受ける権利を有しない でした

2 債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権
反対給付の履行を拒むことができない。この場合において、債務者は、自己の債務を免
れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。

    ※ 改正前は 債務者は反対給付を受ける権利を失わない でした
 
 
極くシンプルに述べさせていただくと 
改正前は 債権者・債務者双方に責任を負わせられない理由で履行不能になってしまった場合
には 危険負担(一方の債務が消滅してしまったなら他方の債権はどうなるのかというような
ことに関すること)という制度を適用して処理され[気に入った古民家が類焼で消失してしま
っても買主は代金支払をしなければならないなどの場合もあったが]原則は債務者主義といっ
て債務者が負担を負い 債権者の義務は 当然に消滅する とされていたのでした
改正後は 債務を履行することが不能であるとして双方に責任が無い場合でも 債権者の負う
反対給付債務は契約の解除(民 542①1)をしなければ消滅しない
つまり 改正後は 当然に消滅する のではなく解除が必要になった 


債務者の責任での履行不能なのか 債権者の責任でのそれなのか(双方ともに責任はない履行
不能なのかどうか) 現実の案件においてはその判断はそうとうに困難
そうであるのなら
一方が履行できないのなら 他方は 当然に消滅 とするのではなくて 他方の側は契約の
解除ができるとしておくことでよいのでは(解除をしなくとも 履行不能について自分に責
任がないかぎり その債務の履行を拒むことはできるということともしてある〔536条1項〕)
ということも改正に至った理由といわれる 
 
 
 
〔 履行不能について債務者に責任が無い場合でも 債権者の責任によっての履行不能でない 
  ない限り 債権者は契約の解除ができる( 改正前は異なっていた ・旧543条)
 
契約から離脱する(離脱しないと 相手の債務は履行できないままで契約の拘束を免れている
ようなのに 一方は自己の債務を負ったままになってしまうなどのことがある)制度として危
険負担などの制度(債権者の義務は 当然に消滅する というような)もあったけれど 
《解除》 という制度に一本化されたというようなこと 
 

                                                                                  ※ 条文に省略部アリ
第五百四十二条 
次に掲げる場合には、債権者は、前条の催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることが
できる。
一 債務の全部の履行が不能であるとき。
 

 
 

これだけのこと ? と思われるかもしれませんが 詳しい理由付けなどは

いずれにしても 自身の基本書あたりを ジックリと読み込まないと ナカナカ ナニ が 

ドウナノカ なんだかハッキリとは理解できないような箇所だと思われます(そうでない方も

おられるかもしれませんが)

 

改正部は 以前から 判例や学説などで不都合が指摘されていたところ

なので 以前からの学習者の方は さほど苦労なさらないかもしれない(逆に そのような

以前の条文下のことを知らないほうが 理解しやすいのかも ?しれないが )

自身は 基本書とニラメッコしながら 一つ一つ ツブシテイッテイルヨウナことですが

 

そこで 

改正後の

本日の記事に関する条文 と やはり気になる 【契約不適合責任】に関するものの一部を

参考までに 載せさせていただいておき 本日は ここまでとさせていただきます


 
(債務者の危険負担等)
第五百三十六条 
当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなった
ときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる。

2 債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権
者は、反対給付の履行を拒むことができない。この場合において、債務者は、自己の債務を免
れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。
 
(催告による解除)
第五百四十一条 
当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の
催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。
ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照ら
して軽微であるときは、この限りでない。

催告によらない解除)
第五百四十二条 
次に掲げる場合には、債権者は、前条の催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることが
できる。
一 債務の全部の履行が不能であるとき。

二 債務者がその債務の全部の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。

三 債務の一部の履行が不能である場合又は債務者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を
明確に表示した場合において、残存する部分のみでは契約をした目的を達することができない
とき。

四 契約の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行をしなけれ
ば契約をした目的を達することができない場合において、債務者が履行をしないでその時期を
経過したとき。

五 前各号に掲げる場合のほか、債務者がその債務の履行をせず、債権者が前条の催告をして
も契約をした目的を達するのに足りる履行がされる見込みがないことが明らかであるとき。

2 次に掲げる場合には、債権者は、前条の催告をすることなく、直ちに契約の一部の解除を
することができる。

一 債務の一部の履行が不能であるとき。
二 債務者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。
 
(債権者の責めに帰すべき事由による場合)
第五百四十三条 
債務の不履行が債権者の責めに帰すべき事由によるものであるときは、債権者は、前二条の規
定による契約の解除をすることができない
 
第三節 売買
第一款 総則
(売買)
第五百五十五条 
売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその
代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

(売買の一方の予約)
第五百五十六条 
売買の一方の予約は、相手方が売買を完結する意思を表示した時から、売買の効力を生ずる。
2 前項の意思表示について期間を定めなかったときは、予約者は、相手方に対し、相当の期間
を定めて、その期間内に売買を完結するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。
この場合において、相手方がその期間内に確答をしないときは、売買の一方の予約は、その効力
を失う

(手付)
第五百五十七条 
買主が売主に手付を交付したときは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を現実に提供し
て、契約の解除をすることができる。ただし、その相手方が契約の履行に着手した後は、この限
りでない。
2 第五百四十五条第四項の規定は、前項の場合には、適用しない。

(売買契約に関する費用)
第五百五十八条 
売買契約に関する費用は、当事者双方が等しい割合で負担する。

(有償契約への準用)
第五百五十九条 
この節の規定は、売買以外の有償契約について準用する。ただし、その有償契約の性質がこれを
許さないときは、この限りでない。

第二款 売買の効力
(権利移転の対抗要件に係る売主の義務)
第五百六十条 
売主は、買主に対し、登記、登録その他の売買の目的である権利の移転についての対抗要件を備
えさせる義務を負う。

(他人の権利の売買における売主の義務)
第五百六十一条 
他人の権利(権利の一部が他人に属する場合におけるその権利の一部を含む。)を売買の目的と
したときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う。

(買主の追完請求権)
第五百六十二条 
引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、
買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を
請求することができる。
ただし、売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異な
る方法による履行の追完をすることができる。

2 前項の不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、買主は、同項の規定
による履行の追完の請求をすることができない。

(買主の代金減額請求権)
第五百六十三条 
前条第一項本文に規定する場合において、買主が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、
その期間内に履行の追完がないときは、買主は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求
することができる。

2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、買主は、同項の催告をすることなく、直
ちに代金の減額を請求することができる。
一 履行の追完が不能であるとき。
二 売主が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したとき。
三 契約の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行をしなけれ
ば契約をした目的を達することができない場合において、売主が履行の追完をしないでその時
期を経過したとき。
四 前三号に掲げる場合のほか、買主が前項の催告をしても履行の追完を受ける見込みがない
ことが明らかであるとき。

3 第一項の不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、買主は、前二項の
規定による代金の減額の請求をすることができない。

(買主の損害賠償請求及び解除権の行使)
第五百六十四条 
前二条の規定は、第四百十五条の規定による損害賠償の請求並びに第五百四十一条及び第五百
四十二条の規定による解除権の行使を妨げない。

(債務不履行による損害賠償)
第四百十五条 
債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権
者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。
ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして
務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

2 前項の規定により損害賠償の請求をすることができる場合において、債権者は、次に掲げ
るときは、債務の履行に代わる損害賠償の請求をすることができる。
一 債務の履行が不能であるとき。
二 債務者がその債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。
三 債務が契約によって生じたものである場合において、その契約が解除され、又は債務の不
履行による契約の解除権が発生したとき。


同様問に同じ判例が連続登場 も アリです

2021-09-08 | マンション管理関連試験等サポート   

 

試験が近いので できるだけ マンション管理士試験関連記事を載せたいと考えております

 

平成24年度の問題です

                  ※ 問い方を変えて利用させていただいております

<問 12>

Aが死亡し、その子B、C及びDが、各3分の1の割合でAの財産を相続した場合に関する

次の記述について、民法の規定及び判例による各肢の正誤を答えよ。

 

① Aがマンションの一室の区分所有者であった場合で、Aの死亡前からAと同居

  していたBがそのままそのマンションに居住しているときには、遺産分割の前

  でも、C及びDは共同してBに対して、その明渡しを請求することができる。

 

② Aがマンションの一室の区分所有者であった場合で、Eにそれを賃貸していた

  が、Aの死亡前に、AE間の賃貸借契約が有効に解除され契約が終了していた

  ときには、その後も退去していないEに対して、Cは単独でその明渡しを請求

  することができる。

 

③ Aがマンションの一室の区分所有者であった場合で、Aの死亡後、Bが、C及

  びDに無断で、第三者であるFにそのマンションを使用させているときには、C

  及びDは共同してFに対して、その明渡しを請求することができる。

 

④ Aがマンションの一室をGから賃借し、1人でそこに居住していた場合、Gは、

  Aの死亡を理由として、その賃貸借契約を解除することができる。

 

 

①について

下記の判例があり Bは C・Dに対し使用借権を有することになり 貸主で

あるC・Dは明渡しを請求できない

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【共同相続人の一人が相続開始前から被相続人の許諾を得て遺産である建物に

 おいて被相続人と同居してきたときは、特段の事情のない限り、相続開始後

 も遺産分割までは、無償で使用させる旨の被相続人の同意があったものと推

 認され、被相続人の地位を承継した他の相続人等が貸主となり同居相続人を

 借主とする使用貸借関係が存続する

 相続開始後の建物使用により当該相続人が得る利益に法律上の原因がないと

 いうことはできないから、他の共同相続人による当該相続人に対する不当利得

 の返還請求には理由がない。         最判平成8・12・17】

                  ※ 登載の判例集によって 判旨
                    の文言に差異がある場合も
                    あったりします(大意・要旨
                    は同じですが)

 

 

②について

Aが所有していた当該マンションの一室は B・C・Dの共有となる(民898)

保存行為は 各々が単独で行える(民252)

賃貸借契約が解除されて不法占拠者となっているEに対しての明渡し請求は 本来

の あるべき状態を維持するための保存行為なので Cは単独で Eに対し当該

マンションの一室の明渡しを請求することができる


(共同相続の効力)
第八百九十八条 相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。
 
(共有物の管理)
第二百五十二条 
共有物の管理に関する事項は、前条の場合を除き、各共有者の持分の価格に従い、
その過半数で決する。
ただし、保存行為は、各共有者がすることができる

 

 

 

③について

共有者の一部の者が 他の共有者の承認無しで共有物を第三者に使用させた場合について

の判例があり 当然にはその明渡しを当該第三者に請求できない とされているので

C・DはFに対し当該マンションの一室の明渡しを請求することができない

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

共有者の協議に基づかないで一部の共有者から共有物の占有使用を承認された第三者は、
その占有が承認をした共有者の持分に基づくものと認められる限度で共有物を占有使用
する権限を有するから、他の共有者は右の第三者に対して当然には共有物の明渡しを請
求することはできない。             (最判昭和63・5・20)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

④ について

賃借人の死亡は 賃貸借の解除事由であるとの規定はないので 賃貸人Gは当該契約の

解除をすることはできない

 

 

 

ということで 正しいのは ②     ①・③・④は誤り です

 

 

ところで

1週間前の9月1日のブログに登場の問題は 本日掲載の問題の次の年度の問題でした

同様な問題が連続し 同じ判例が問題を解く鍵として連続して登場しているということ

です

 

                           はたけやまとくお事 務 所


管理組合の アレコレ

2021-09-07 | マンション管理関連試験等サポート   

 

朝晩は 秋の気配を 中レベルで?感じられるような 当地 です

みなさまのところは いかがですか

技術の進歩には驚くばかりで どこにいても 何処におられる方とも 相対して業務の

お話もできることに 巷の今の情況において いまさらながら 感謝することがあります

モチロン その手法の押し売りはできないこと 充分に慎みを持ち 注意しなければなら

ないということ 

当然ですが

 

 

2012年度(平成24年度)の マンション管理士試験問題です

                  ※ 問い方を変えて利用させていただいています

 

管理組合団地管理組合(区分所有法第65条に規定する団地建物所有者の団体をいう。)
及び管理組合法人に関する次の記述のうち、区分所有法の規定による正誤を答えよ。
ただし、規約に別段の定めはないものとする。

① 管理組合及び団地管理組合の管理者並びに管理組合法人の理事は、それぞれの
  集会において、区分所有者又は団地建物所有者及び議決権の各過半数の決議に
  より選任する。

② 管理組合及び団地管理組合においては、その職務に関し、管理者が区分所有者
  を代理し、管理組合法人においては、その事務に関し、当該法人が区分所有者
  を代理する。

③ 規約に特別の定めがあるときは、管理組合及び団地管理組合の管理者は、共用
  部分を管理所有することができるが、管理組合法人の理事は共用部分を管理所
  有することができない。

④ 共同利益背反行為の停止の請求に係る訴訟の提起に関する集会の決議は、管理
  組合及び管理組合法人の集会においては行うことができるが、団地管理組合の
  集会においては行うことができない。

 

 

 

                 ※ 区分所有法を  と略しています
                   条文に省略部アリ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・                       

① について

管理組合の管理者については (区 25条1項・39条1項)

団地管理組合の管理者の選任及び管理組合法人の理事の選任については 前記の
規定が準用されている(区 66条・49条8項)


(選任及び解任)
第二十五条 
区分所有者は、規約に別段の定めがない限り集会の決議によつて、管理者を選任し、
又は解任することができる。
 
(議事)
第三十九条 
集会の議事は、この法律又は規約に別段の定めがない限り、区分所有者及び議決権
各過半数で決する。

(建物の区分所有に関する規定の準用
第六十六条 
第七条、第八条、第十七条から第十九条まで、第二十五条第二十六条、第二十八条、
第二十九条、第三十条第一項及び第三項から第五項まで、第三十一条第一項並びに
第三十三条から第五十六条の七までの規定は、前条の場合について準用する

第二章 団地
(団地建物所有者の団体)
第六十五条 
一団地内に数棟の建物があつて、その団地内の土地又は附属施設(これらに関する権利
を含む。)がそれらの建物の所有者(専有部分のある建物にあつては、区分所有者)の
共有に属する場合には、それらの所有者(以下「団地建物所有者」という。)は、全員
で、その団地内の土地、附属施設及び専有部分のある建物の管理を行うための団体を構
成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くこ
とができる。

(理事)
第四十九条 
管理組合法人には、理事を置かなければならない。
2 理事が数人ある場合において、規約に別段の定めがないときは、管理組合法人の事
務は、理事の過半数で決する。
3 理事は、管理組合法人を代表する。
4 理事が数人あるときは、各自管理組合法人を代表する。
 
8 第二十五条の規定は、理事に準用する。

 
 
2 について
 
管理組合の管理者について(区 26条2項)
 
の規定が団地管理組合の管理者に準用あり(区 66条)
 
管理組合法人は その事務に関して 区分所有者を代理する(区 47条6項前段)
 

(権限)
第二十六条 
2 管理者は、その職務に関し、区分所有者を代理する。
 
(成立等)
第四十七条 
6 管理組合法人は、その事務に関し、区分所有者を代理する。
 

 

 

 
 
3 について
 
管理者は 規約に特別の定めがあるときは 共用部分を所有することができる
                          (区 27条1項)
 
団地管理組合の管理者 および 管理組合法人の理事には この規定の準用は
ないので 共用部分の管理所有ができない
 

 
(管理所有)
第二十七条 
管理者は、規約に特別の定めがあるときは、共用部分を所有することができる。
 

 

 
4 について
 
団地管理組合の集会に 区分所有法57条1項2項は準用されていないので
共同利益背反行為の停止の請求に係る訴訟の提起に関する集会の決議は行う
ことができない
 

 
(共同の利益に反する行為の停止等の請求)
第五十七条 
区分所有者が第六条第一項に規定する行為をした場合又はその行為をするおそれが
ある場合には、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、区分所有者の共同の利
益のため、その行為を停止し、その行為の結果を除去し、又はその行為を予防する
ため必要な措置を執ることを請求することができる

2 前項の規定に基づき訴訟を提起するには、集会の決議によらなければならない
 
 
(建物の区分所有に関する規定の準用
第六十六条 
第七条、第八条、第十七条から第十九条まで、第二十五条、第二十六条、第二十八条、
第二十九条、第三十条第一項及び第三項から第五項まで、第三十一条第一項並びに
第三十三条から第五十六条の七までの規定は、前条の場合について準用する。

 
 
 
 
何度も 記しており
個人的なことでもうしわけありませんが・・・

区分所有法 3条の <団体を構成し> ・・・あたりの解釈の独特さ
   47条6項の <管理組合法人は ・・・区分所有者を代理する> の文言
などには 驚くやら ビックリさせられるやら 民法の特別法でも 並はずれて
いる(自身には そのように思われる)その個性に魅力を感じて マンション管理士試
験に挑むことを決し 実務に飛び込むことにしたのでした
 
合格後13年ほどになりますが 未だに学習が足りずに困ること シバシバ です
特別法の特別法というような位置付けとも思われる特別措置法類も複数控えているし 
手ごわいことです
 
 

このような折 なのに

2021-09-06 | ▽ タワイモナイようなお話も あるけれど

 

 

巷は オチツカナイ ザワザワとした ニュースが続く毎日であるし

おてんとうさんは なかなか ほんとうの顔を続けては見せてくれないし

チョットバカリだが どこかに 疲れがたまってしまっているような感もあるし

調べものが続くので そんなようなことが 影響しているのかなとも思うが

お仕事での肩こり気味のようなものは むしろ ありがたいような授かりもの

のようなことなのだろうけれど・・・

 

などと 今朝は ネットサーフィンしながら アレコレ思っていたり・・・

 

さて

仕事上の連絡待ちの今日 なのであるが

一日の終いの楽しみをも思いながら 努めよう

 

その 一日の終いの楽しみの近頃一番のもの は チョットバカリ 自身にとっては贅沢の

輸入ものウイスキーを軽くいただくこと と

眠りに落ちるまでの時にうかがう Uチューブからの朗読をきかせてもらうこと

今 毎晩のように流すのは 山本周五郎氏のもの

もっとも 勝手だとは思うのですが 読み手さんについては どうしても好き嫌いと

いうものがあるので 聞いてみたいと思ってナントカ探しあてた作品でも 残念

ということもある   

ですが 自身にはピッタリと思える方がおられ その妙味に酔わせてもらっています
(特に 会話部分の 声質の使い分け テンポ あたりが 素晴しいと思わされてしまう)

楽しみだなー

耳さんにお世話になる楽しみなのです

まず 一日中文字との付き合いの仕事が多いので 眼が疲れることなどもあり テレビ

は見ません

 

 

 

ということで 業務スタート

本日は 主として 改正民法のなかの 自身にとっては強敵の数箇条への再挑戦整理

と 学習のお手伝いとしての伴走者版メニュー検討 と 小規模個人起業者さんへの

アドバイス整理整頓

 

 

 

ということなどの 今朝のブログ

巷のこのような折

個人的な楽しみの話など たあいもなさすぎる記事などで ゴメンナサイ

 

 

タイヘンな情況が続きます
〔まったくのところ 想定などできなかった長期間になってしまって〕

けれど 

みなさま 

お元気で

       はたけやまとくお事 務 所                     


択一 ということ? と ある回想 

2021-09-05 | マンション管理関連試験等サポート   

 

サマザマな管理相談を受けたり 出題問題の理解のお手伝いをさせていただい

たりしていると その案件に関した 自身の実務上の経験上のことの回想を

知らず知らずのうちにしていることがあったりします

 

 

次のようなが マンション管理士試験に登場したことがあります

区分所有法・民法によれば と 正誤を問われたのでした

 

〔管理者は、集会において、毎年1回一定の時期に、その事務に関する報告を

 する必要があるとともに、個々の区分所有者の請求がある場合にも、これに

 応じることができない正当な理由がない限り、報告をする必要がある。〕

 

区分所有法28条 と 民法645条を想起した受験者の方は 迷った方も多いの

では ?

と思われました

 

・・・・・・・・・・・・・

区分所有法 (事務の報告)
第四十三条 
管理者は、集会において、毎年一回一定の時期に、その事務に関する報告をしな
ければならない。
・・・・・・・・・・・・・

シンプルに 集会において を頼りに 答えてしまってよかった ?

のかどうかも ナンダカ 心配だし というような・・・

ワザワザ 区分所有法・民法によれば とことわりが添えられているのだから・・・

と考え込んでしまったり・・・

 

民法と区分所有法によれば としてあるので 判例によれば という案内は

ないのですが

<個々の区分所有者から請求があっただけでは、報告義務は発生しない>
という判例があります (東京地判平成13・10・19  同 4・5・22)

自身の基本書には そのことが記載されていました

 

民法645条を想起したとして いつでも 報告 とはいっても ポイントは

委任者ということの捉え方が肝心と思える

そうすると 管理者は個々の区分所有者との関係での受任者ではなく 区分所有者

全員との関係においてのその地位なのだから

・・・ 個々の区分所有者の請求がある場合にも、これに応じることができない正
当な理由がない限り、報告をする必要がある・・・
とはいえないのでは

と考えて 誤り とする

 


 
区分所有法 (事務の報告)
第四十三条 
管理者は、集会において、毎年一回一定の時期に、その事務に関する報告をしな
ければならない。
 
 
(委任の規定の準用)
第二十八条 
この法律及び規約に定めるもののほか、管理者の権利義務は、委任に関する規定に従う。
 
 
民 法 (受任者による報告)
第六百四十五条 
受任者は、委任者の請求があるときはいつでも委任事務の処理の状況を報告し、委任が
終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。

 

以前にも 述べたことがあるのですが 

某管理組合の顧問としての自身に 某クレーマー(顧問就任時には 既にこのように断定さ

れていた方でした・・・そのように判断されるのもいたしかたないという方でした)さんか

ら電話が 突然 自宅にきたことがあり 

『顧問なのだから 私の直言を聞くことも役目でしょ』というようなマクシタテの機関銃を

向けられた(会話をすることをいたずらに避けようとは考えていなかったのだが 一方的に

発言が続くので 意思交通するということが不可能情況だった)

<法人の> とは表記できない組織なので 法には <区分所有者の> というような文言

が登場することが多いけれど <各区分所有者の>と捉えては不都合な理解になってしまう

ので そのような<区分所有者の>というような文言が使われている というあたりを説明

しようとも思っていたのだが・・・

そのときに 『私だって区分所有者なんだから私自身の顧問でもあるわけでしょ』 という

言葉も出てきたので 顧問契約の相手方 つまり 委任者は 区分所有者全体としての組織で 

その管理運営の相談相手ということなので その執行をする理事会というものに係らして

いただくことがホトンドの実務となっている ということだけは説明した(理解してくれたの

かどうかは定かでないが その後自宅へのマクシタテ電話直通便は なくなった)

なぜなのか ? その後 ナントナク 比較的 静かな 管理組合運営を続けることができて

いたりした

そのことを この過去問の 個々の区分所有者の請求がある場合 という文言から回想したり

したのだった

 

 

 

もう少し 時間がとれそうなので

話はかわって・・・以前にも いくどか述べていることに関してですが

本番では 択一式なので 他との比較考量でナントカ収めるという手法が

採れますが 相談を受けてひとつの肢だけを示されて答えを出す場合は より

キツイと思ってしまうことが 自身には多いです

ということで 『一問一答』式をとりいれている問題集による学習を より

おすすめすることが多いです(お手持ちの問題集を そのような形で用いれば

よいということで 新規購入などは不要ですが)

 

過去問においての 4者択一で 他と比べて あまりに易しすぎるものに答えが

集中し 他の肢には 実は とても考えさせられる良問が含まれているのを知ると

一問一答式なら そうとう手こずったろうな と 自身何度も苦笑いしたことが

多くあります

 

例として

次の肢は 適切 か 不適切か ?

〔共用部分の管理(共用部分の変更及び保存行為を除く。)に関する事項を議
題とする集会において、規約で定めた集会の定足数を満たせずに流会となった
場合は、管理者が決することができる旨の規約の定めは無効である。〕

 

共用部分の管理(共用部分の変更及び保存行為を除く。)は集会の決議で決する
                             (区 18①)
けれど 規約で別段の定めをすることができる(同条②)ので この肢のよう
な規約の定めも有効といえるのであり 不適切 となる


                          条文に省略部アリ
(共用部分の変更)
第十七条 
共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、
区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議で決する。
ただし、この区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができる。
 
(共用部分の管理)
第十八条 
共用部分の管理に関する事項は、前条の場合を除いて、集会の決議で決する。
ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。
2 前項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない

 
 
上の肢は 次の問題に登場の肢でした

2015年度 マンション管理士試験

〔問 25〕
集会に関する次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定によれば、適切

なものはどれか。

1 集会を開催したところ議長の他に出席者が1人しかいない場合でも、委任状
及び議決権行使書の数が規約で定めた定足数に達していれば集会は成立するし、
議案を決議することもできる。

2 集会に欠席のつもりで委任状を提出していた区分所有者が予定を変更して途
中から集会に出席し、残りの議案について自ら議決権を行使しようとするとき
は、受任者の同意を得なければならない。

3 共用部分の管理(共用部分の変更及び保存行為を除く。)に関する事項を議
題とする集会において、規約で定めた集会の定足数を満たせずに流会となった
場合は、管理者が決することができる旨の規約の定めは無効である。

4 継続して3年間、集会に出席せず委任状も議決権行使書も提出しない区分所
有者は、その意思決定を管理者に委ねたものとみなす旨の規約の定めは有効で
ある。

 

2は 委任は いつでも単独で 解除でき 相手の同意不要(民651)

4は 区分所有者は 議決権を行使しない自由をも有している

 が おそらく受験者の過半数がシメタ と思った肢で これが適切と判断

できたであろうと考えられるので 問題としては正解率が高かったのではと思

われますが 一問一答式なら どうでしょうか

それなりにエネルギーを費やすことでは ?

 

あたりまえのことをあえて述べさせていただきますが その肢は タマタマ

他の三個の肢とともに そこに登場した ということで その肢 あるいは

その肢関連の問題文は どのような他の肢を連れて出題がなされるのかは

そのとき次第(比較考量で コレだ とはいかない場合も モチロン ある)

この問題にしても 肢1のみ読んでアッサリ回答できて 他の肢の存在に

ついては眺めもしないで済ませている方も もしかするといたりするのだろうか ?

なので 問題練習の時は 一問一答式で問われているという意識で向かい合う

のが学習効率のためには好いのでは と 自身は考えています

(いつもながら 余計なお世話かもしれないようなことで ゴメンナサイ)

 

 はたけやまとくお事 務 所

          


専有部分に立ち入る

2021-09-04 | マンション〔トラブル〕

 

以前に 次のブログを記しました

エッというような相談 だが - おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み (goo.ne.jp)

 

残念なことですが 一つ屋根の下で暮らしあう住民さん同士でも 気の合う方もいれば

どうにも シックリとしない面持ちでの付き合いになる方もおられ・・・

 

専有部分へ 上階からと思われる漏水があり その事故の原因を調べるとか修理するために

どうしても専有部分への立入りが必要という場合には それを拒むことはできないことに

なっています


 
 区分所有法 
(区分所有者の権利義務等)            ※ 条文に省略部アリ
第六条 

2 区分所有者は、その専有部分又は共用部分を保存し、又は改良するため必要な範囲内
において、他の区分所有者の専有部分又は自己の所有に属しない共用部分の使用を請求す
ことができる。
この場合において、他の区分所有者が損害を受けたときは、その償金を支払わなければな
らない。

 
 
使用請求権 は 規定によって当然に認められる法定請求権です
 
この<使用権>は 区分所有者同士が相互に持っているもの 
 
 
ところで 法定請求権 なのだから とはいえ 
 
突然訪問し 

『権利があるので立ち入らせてもらうよ』

式では イカガナモノカ と 誰しも思うことでしょう
 
[権利]などというものを得ると なぜか いつもと違う言動をしてしまうようなことも
ありそう ですが
他人の生活を妨害するおそれがあるのですから 行使にも 当然 マナーが必要

 
最も迷惑にならないように行使するべき
なので  
使用の範囲・時期・方法などについて 具体的に話し合う つまり事前協議というような
ことを済ましてから訪ねる ということを実行するのが スムースにいくコツかなと思え
ます
 
立入りに どうしても応じない場合は 裁判を起こしたうえでの使用となるのも止むを得
ない と 理解されているといえましょう(自力で強行するのは 違法とされますので)
 
 
なんらかの行き違いがあった結果 なのでしょうけれど 
給水管からの漏水事故について下の階に住む者が給水管の点検・修理のために住戸に立ち
入ること求めたのですが 上の階の者が強絶した場合に 不法行為だと判断され損害賠償
責任を負わされた裁判もあります(大阪地判昭和54・9・28)
 
 
 
ところで
区分所有法に 規定が置かれる以前には 次の民法の条文が 状況が似ているということ
で類推適用されていました

 
民 法(隣地の使用請求)
第二百九条 
土地の所有者は、境界又はその付近において障壁又は建物を築造し又は修繕するため必要
な範囲内で、隣地の使用を請求することができる。
ただし、隣人の承諾がなければ、その住家に立ち入ることはできない

2 前項の場合において、隣人が損害を受けたときは、その償金を請求することができる。

 

・・・承諾がなければ、その住家に立ち入ることはできない。
 
となっているので
 
区分所有者が他の区分所有者の専有部分に立ち入る場合には 〔承諾〕が必要となるのか
と 今も 質問があったりします
 
民法隣地使用権の場合 住戸への立入りは 承諾がなければ判決によっても許されるべ
きではない と 一般に理解されているようなのです が・・・
 
学者さんのなかには 区分所有建物というものの 特別な性質を考えると その者の承諾
がないのなら承諾に代わる判決を得ることで 立ち入ることができるとすべき という考
を持つ方もおられます
 
 
ということで 〔使用請求権〕 の行使 クレグレも 慎重に ということに尽きます 
 
 
それにしても [立ち入り] という言葉のニュアンスが どうもいただけないような ?
(どういうわけか ズカズカ という言葉を連れているような 連想をしてしまう)
思いをしているのですが 皆さんは いかがな印象をお持ちですか
 

 


学者さんや出題担当者さんの 個性とか思い入れ? など

2021-09-03 | マンション管理関連試験等サポート   

 

 

 

4年ほど前あたりから 〔復 旧〕 のことの出題が 多くなっている感を覚えます

以前は さほどでなかったように思えるのですが ?

昨年度も出題されています

マサカ 今年も連続 は マズ 考えられない などと 誰が断言できましょうか・・

 

出題者の方も 人間  

それぞれの個性をお持ちで 分野によっては何らかの思い入れ なども

あったりするかも ??

試験委員のメンバー構成などは 受験者の方にとっては 周知の事実というところ

かもしれませんが 受け持ち担当範囲が変わる ということなども影響しているのかも ?

などと 勝手な想像は ナンノ価値もないことかもしれませんね

トニカク 学習しておくべき範囲であることは確かな処ですから

 

 

 

さて 関連問題が出るかもしれないので それこそ念のための過去問題

2017年度(平成29年度)

〔問 9〕 議決権及び共用部分の持分割合が等しいA、B、C及びDの区分所有者か
らなる甲マンションにおいて、地震によって建物価格の2分の1を超える部分が滅
失したために、集会で滅失した共用部分の復旧が議案とされ、区分所有者及び議決
権の各4分の3以上の多数で、滅失した共用部分を復旧する旨の決議がなされた
(決議では、A、B及びCは決議に賛成し、Dは決議に賛成しなかった)。

この場合の区分所有者の買取請求権行使に関する次の記述のうち、区分所有法の規
定によれば、正しいものはどれか。ただし、その決議の日から2週間以内に買取指
定者の指定がなされなかったものとする。



1 DがAに対して買取請求権を行使し、裁判所がAの請求によってAの代金支
払についての期限の許与を認めた場合には、Aの代金支払義務とDの所有権移
転登記及び引渡しの義務は、同時履行の関係に立つ。


2 DがBに対して買取請求をした場合におけるBからCに対する再買取請求
は、復旧決議の日から2月以内にしなければならない。


3 DがCに対して買取請求をし、CがA及びBに対して再買取請求をしたとき
には、A、B及びCがDの有する建物及びその敷地に関する権利を3分の1ず
つ取得する。


4 地震による甲マンションの一部滅失によって、Dの専有部分が失われている
場合には、Dは、買取請求権を行使することはできない。

 




つまるところ これも条文を知らないと どうにもならない問題だ と言えるでしょう

裏返すと 条文にあっていたなら ナントカナッタ ということです

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

                            ※ 条文に省略部分アリ

 について

・・・集会で滅失した共用部分の復旧が議案とされ、区分所有者及び議決
権の各4分の3以上の多数で、滅失した共用部分を復旧する旨の決議がなされた・・・

ということですから 第5項の決議があったということ
なので 第7項 の場合
ということは第13項を適用できる場合
なので償還金又は代金の支払につき相当期限を許与することができる
期限を許与することができるなら
買取請求をした者が先に履行することになり 相手が
履行するまでこちらも
履行しないでいても責めは負わない とはならないので 同時履
行の関係に立たない 
ということになる
 


61条

13 第二項、第七項、第八項及び前項の場合には、裁判所は、償還若しくは買取りの請
求を受けた区分所有者、買取りの請求を受けた買取指定者又は第九項本文に規定する債務
について履行の請求を受けた決議賛成者の請求により、償還金又は代金の支払につき相当
の期限を許与することができる。


 

 

 

 について

DからBに対する買取請求があった日から2月以内にする必要がある


7 第五項の決議があつた場合において、その決議の日から二週間を経過したときは、次
項の場合を除き、その決議に賛成した区分所有者(その承継人を含む。以下この条におい
て「決議賛成者」という。)以外の区分所有者は、決議賛成者の全部又は一部に対し、建
物及びその敷地に関する権利を時価で買い取るべきことを請求することができる。この場
合において、その請求を受けた決議賛成者は、その請求の日から二月以内に、他の決議賛
成者の全部又は一部に対し、決議賛成者以外の区分所有者を除いて算定した第十四条に定
める割合に応じて当該建物及びその敷地に関する権利を時価で買い取るべきことを請求す
ることができる。


 

 

 

 について

買取請求を受けた決議賛成者は 他の決議賛成者の全部又は一部に対して 買取請求
できる


7 第五項の決議があつた場合において、その決議の日から二週間を経過したときは、次
項の場合を除き、その決議に賛成した区分所有者(その承継人を含む。以下この条におい
て「決議賛成者」という。)以外の区分所有者は、決議賛成者の全部又は一部に対し、建
物及びその敷地に関する権利を時価で買い取るべきことを請求することができる。この場
合において、その請求を受けた決議賛成者は、その請求の日から二月以内に、他の決議賛
成者の全部又は一部に対し、決議賛成者以外の区分所有者を除いて算定した第十四条に定
める割合に応じて当該建物及びその敷地に関する権利を時価で買い取るべきことを請求す
ることができる。


設問では 
復旧決議が成立しているので Dは他の3名に買取請求の行使ができるし その1人また
は2人に対しての行使もできる

DがCに行使した場合は その行使の日から2ヵ月以内に 再買取請求ができるCは D
の権利を 共有持分の割合で Aに対し または A・Bに対し 買取を請求できる
< CがAに対して買取請求をした場合 CはDからの買取請求の日から2ヵ月以内で
あれば その後Bに対して買取請求をすることもできる(A・Bに対して同時でなくと
も順次に買取請求することも可) >

Dを除いて算定されることになるA・B・Cの区分所有法14条に定める割合(共用部分
の持分割合)は3分の1ずつとなるので A・B・CはDの持つ建物及びその敷地に関す
る権利を3分の1ずつ得る(設問に 議決権及び共用部分の持分割合が等しい とある

 

 

 について

専有部分を失ったとしても 共用部分の共有持分 ・ 敷地利用権 を持っていると解さ

れるので それらについて買取請求権の行使ができる

 


7 第五項の決議があつた場合において、その決議の日から二週間を経過したときは、次
項の場合を除き、その決議に賛成した区分所有者(その承継人を含む。以下この条におい
て「決議賛成者」という。)以外の区分所有者は、決議賛成者の全部又は一部に対し、
物及びその敷地に関する権利を時価で買い取るべきことを請求することができる。


 

 

ということで 正しいものは  です

 

 

 

 

区分所有法における復旧は 61条 の 一個の条文 です

ポイントを 色づけしてみますので よかったら 参照してください


第八節 復旧及び建替え
(建物の一部が滅失した場合の復旧等)
第六十一条 
建物の価格の二分の一以下に相当する部分が滅失したときは、各区分所有者は、滅失した
共用部分及び自己の専有部分を復旧することができる。ただし共用部分については
旧の工事に着手するまでに第三項、次条第一項又は第七十条第一項の決議があつたときは、
この限りでない。
 
                                                             ※ 次条第一項 には69条1項による場合も含む
             
2 前項の規定により共用部分を復旧した者は、他の区分所有者に対し、復旧に要した金
額を第十四条に定める割合に応じて償還すべきことを請求することができる。

3 第一項本文に規定する場合には、集会において、滅失した共用部分を復旧する旨の決
議をすることができる。

        ※ 普通決議で可
          復旧は区分所有者全員(反対者も含む・46条)が団体として行う
          19条により区分所有者全員が費用を負担する
          各区分者は費用の支払につき期限の許与の請求はできない
 
4 前三項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。


5 第一項本文に規定する場合を除いて、建物の一部が滅失したときは、集会において、
区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数で、滅失した共用部分を復旧する旨の決議
をすることができる。

       ※ 第一項本文に規定する場合を除いて ということは滅失部分の価格割合
         が二分の一を超える(大規模一部滅失)の場合のこと
 
6 前項の決議をした集会の議事録には、その決議についての各区分所有者の賛否をも記
載し、又は記録しなければならない。


7 第五項の決議があつた場合において、その決議の日から二週間を経過したときは、
項の場合を除き、その決議に賛成した区分所有者(その承継人を含む。以下この条におい
て「決議賛成者」という。)以外の区分所有者は、決議賛成者の全部又は一部に対し、建
物及びその敷地に関する権利を時価で買い取るべきことを請求することができる。この場
合において、その請求を受けた決議賛成者は、その請求の日から二月以内に、他の決議賛
成者の全部又は一部に対し、決議賛成者以外の区分所有者を除いて算定した第十四条に定
める割合に応じて当該建物及びその敷地に関する権利を時価で買い取るべきことを請求す
ることができる。

8 第五項の決議の日から二週間以内に、決議賛成者がその全員の合意により建物及びそ
の敷地に関する権利を買い取ることができる者を指定し、かつ、その指定された者(以下
この条において「買取指定者」という。)がその旨を決議賛成者以外の区分所有者に対し
書面で通知したときは、その通知を受けた区分所有者は、買取指定者に対してのみ、前
項前段に規定する請求をすることができる。

            ※買取指定者は複数の者でもよく 
             決議賛成者全員を指定するのも可
             区分所有者以外の者を指定でも可
             法人を指定でも可 
 
 
9 買取指定者が第七項前段に規定する請求に基づく売買の代金に係る債務の全部又は一
部の弁済をしないときは、決議賛成者(買取指定者となつたものを除く。以下この項及び
第十三項において同じ。)は、連帯してその債務の全部又は一部の弁済の責めに任ずる
ただし、決議賛成者が買取指定者に資力があり、かつ、執行が容易であることを証明した
ときは、この限りでない。

 
10 第五項の集会を招集した者買取指定者の指定がされているときは当該買取指定
)は、決議賛成者以外の区分所有者に対し、四月以上の期間を定めて、第七項前段に規
定する請求をするか否かを確答すべき旨を書面で催告することができる。


11 前項に規定する催告を受けた区分所有者は、前項の規定により定められた期間を経
過したときは、第七項前段に規定する請求をすることができない。

12 第五項に規定する場合において、建物の一部が滅失した日から六月以内同項
条第一項又は第七十条第一項の決議がないときは、各区分所有者は、他の区分所有者に対
、建物及びその敷地に関する権利を時価で買い取るべきことを請求することができる。

             ※ 特別の限定(決議に賛成の区分所有者 というような)
               が無いので 復旧決議が成立しない限り各区分所有者は
               対等の立場で相互に買取請求権の行使ができると解され
               復旧の決議が成立の場合とは異なり この場面では決議
               に賛成の者の買取請求権行使も可能となる

 
13 第項、第項、第項及び項の場合には、裁判所は、償還若しくは買取りの請
求を受けた区分所有者、買取りの請求を受けた買取指定者又は第九項本文に規定する債務
について履行の請求を受けた決議賛成者の請求により、償還金又は代金の支払につき相当
の期限を許与することができる。
 
             ※ 61条項の場合には 期限の許与は無い(復旧に必要となる
               費用の支払について 期限の許与の請求は認められていない)
 

 

さらに 
以下も記しておきます

 

各区分所有者は 滅失した自己専有部分の復旧をすることができます

 

小規模復旧建物の価格の二分の一以下に相当する部分の滅失)
 と
 大規模復旧建物の価格の二分の一を超える部分の滅失)
 における相違する点のポイントについて】

                                       ※ 共用部分の滅失なのか専有部分の滅失なのかは問われません
              〔滅失部分につき 共用部分と専有部分の比率は問われません〕

・後者では 特別決議が必要となる

・後者では 集会の議事録に賛否の記載・記録を要する

・後者では 復旧前と構造・用途が異なるものでも可

・後者では 集会決議によらない各区分所有者による復旧はできないと解される

・後者では 法の規定と異なる規約を定めること(別段の定め)は許されない

・後者では 復旧決議後 反対者等に買取請求権が認められる

・後者では 復旧・建替え のいずれの決議もなされない場合の買取請求が認められる  

 

                     



ナンダカナー という気持ちが続くなら

2021-09-01 | マンション管理関連試験等サポート   

 

問題について 《解説》 についての 思いを記させていただきます

 

 

マンション管理士試験の過去の問題です

〔問〕

Aが所有する甲マンションの301号室をBが賃借し、B及びCの2人で居住

していたところ、Bが死亡した場合における次の記述のうち、民法及び借地借家

法の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。

 

 CがBの妻であるときは、Aの承諾がなくても、Cは、Aに対し301号室

 に居住することを主張することができる。

 CがBの妻であり、Bに子がなく母Dがいるときは、CとDとの遺産分割

 協議が成立するまでの間、Dの承諾がなくても、Cは、Dに対し301号室に

 居住することを主張することができる。

 CがBの内縁の妻であり、Bに前妻との子Eがいるときは、EがBの賃借

 人の地位を相続するので、Cは、Aに対し301号室に居住することを主張す

 ることができない。

 CがBの内縁の妻であり、Bに相続人がいないときは、Cは、Bの賃借人

 の地位を承継することができるので、Aに対し301号室に居住することを主

 張することができる。

 

問題文に 〔・・・判例によれば・・・〕という文言があります

そこで想起されるだろう判例としては 

肢においては 

【共同相続人の一人が相続開始前から被相続人の許諾を得て遺産である建物に

 おいて被相続人と同居してきたときは、相続開始後も遺産分割までは、無償で

 使用させる旨の被相続人の同意があったものと推認され、被相続人の地位を

 承継した他の相続人等が貸主となり同居相続人を借主とする使用貸借関係が

 存続する

 相続開始後の建物使用により当該相続人が得る利益に法律上の原因がないと

 いうことはできないから 他の共同相続人による当該相続人に対する不当利得

 の返還請求には理由がない。         最判平成8・12・17】

              ※ この記事では X判例 と呼ばせていただきます

   

 肢においては

【建物賃借人と同居しているその内縁の妻は、夫が死亡した場合、他に居住して

 いる相続人が承継した賃借権を援用して、賃貸人に対しその建物に居住する

 権利を主張することができるが、賃借人となるわけではないから賃料支払の

 義務は負わない。               最判昭和42・2・21】

            ※ この記事では Y判例 と呼ばせていただきます

  [ 内縁の妻が被相続人と共に占有していた場合について 類似内容の判例
                     (最判平10・2・26)あり ]

 

 

 過去問題集の解説には 判例の内容(裁判所名・判決日時 等も)が 
 登場しません

 

 肢についての解説においては

 <CとDが相続人になり、遺産分割協議が成立するまでの間、その相続財産は

  C・Dの共有に属する(898条)。そして、各共有者(CとD)は、共有

  物の全部について、その持分に応じた使用ができるため(249条)、共有

  者の1人であるCは、他の共有者であるDの承諾がなくても、Dに対し、

  301号室に居住することを主張できる(判例)。>

  とあるばかり

  これを読んで 学習者の方は スッキリと理解できるでしょうか ?

  『・・・そうであるとすると DにしたってCに対して同様の主張が可能?

   なのかな? コレ 単に898と249の条文を根拠とする説明なのでは? 

   最後に登場の(判例)は何処に登場しているのだろう 内容は・・ 

   イロイロ知りたいが この表記だけでは追っかけることもできないナー?』

 

X判例には [被相続人の同意があったものと推認]というような ポイント が示

されているのですが

 

 

肢についての解説では

 <賃借人の相続人(本肢E)から、死亡した賃借人の内縁の妻(本肢C)

  に対する明渡請求を権利濫用であると否定した本文類似の判例により

  (民法1条3項、判例)、Cは、Aに対し301号室に居住すること

  を主張できる。>

とあるばかり

 

 

[相続人が承継した賃借権を援用]して賃貸人に主張できるという より

具体的な根拠がY判例には示されているのですが・・・

 

かたや 

過去問題集の解説には キチンと 肢についての説明において X・Y 双方

判例とも 要点とともに登場しています

 

以前にも少々 使用テキスト・問題集などについて 率直に? 述べさせていた

だいたことがあるのですが

ケッシテ 非難などということではなく 

どうも 質問に答えていない答えだ というふうな

どうも 紙幅の関係でのことだけとは思えない(現に他社は同サイズでも それなりに

工夫なさってそれなりの解説を尽くしているように思えるので)大雑把過ぎる解説だ

もう少し 法的な繊細さがあっていいのでは と思えてしまうものもある

 もしかすると 受験合格のためには 要領のよい学習が必要
 あまり詳しさを追う学習はむしろ害にもなる
 判例を知るまでの必要を認めない それよりも 効率を追求しての短期合格こそ
 賞賛に値するものだ  というようなポリシーに基づく方針なのかもしれないが?
 そうした途もあってもよいのかもしれないが せめて学習者の疑問を晴らすべく
 判例を追う情報を載せるくらいの配慮は必要と思われるので ソコにも至らない解説
 は 
少なくとも妥当とはいえない と 考えます
 将来の実務を思うと 余計 判例というものの大切さを知っておくべきなので 判例
 とのつきあ
いに費やすエネルギーをタイセツに思う心も 大事だと考えます

 

そこで 

解説などを読んでいて “ナンダカナー” “自分の波長とは合いそうもないかな ?”

と しばしば思えてしまうような問題集ならば セカンドオピニオン的に 別なものも参照

してみるということも検討に値する

のでは ということを伝えたかったのです

 

 

「問題集は コレに限りますよね 」などとの発言を見聞きするにつけ エッと 自身は思

うことがあるので 参考までに 本日のブログとなりました

名声? とか 営業センス ? とかに惑わされることなく 利用していてピンとこない

場合には 他のものも眺めてみるチャンスを持ってはイカガか という提案です

 

安価なものではないので他を参照用として入手検討などと申すこと恐縮してしまうのですが 

受験学習者さんの言葉などからすると 解説に そうとうに差異があることもあるようです

たしかに 眺めさせていただいていて コレは質問の意に沿っているとはいえないような解説だ

との感を覚えてしまうこともありました

差しさわりがあるかも ですが 比較してみた時に やはり解説の優劣の感想を求められたら

断然 コチラを推奨するだろうな という場面もあったりします

 

学習力の伸びに支障があるようなら そのようなことをも 見つめてみること

ケッシテ無駄ではないと思われます

要するに 自分にとって理解しやすい 学力を伸ばせる 基本書・問題集の選択もタイセツと

いうこと

 

 

すみません

極くシンプルに

について

 Bの相続人Cは 被相続人Bの一切の権利義務を承継する (民896)

について

 X判例を参照

について

 Y判例を参照

について


(居住用建物の賃貸借の承継)
第三十六条 
居住の用に供する建物の賃借人が相続人なしに死亡した場合において、その当時婚姻又は
縁組の届出をしていないが、建物の賃借人と事実上夫婦又は養親子と同様の関係にあった
同居者があるときは、その同居者は、建物の賃借人の権利義務を承継する
ただし、相続人なしに死亡したことを知った後一月以内に建物の賃貸人に反対の意思を表
示したときは、この限りでない。

2 前項本文の場合においては、建物の賃貸借関係に基づき生じた債権又は債務は、同項
の規定により建物の賃借人の権利義務を承継した者に帰属する。

 

ということで 誤っているのは  です