おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み

〔認定〕マンション管理士/〔特定〕行政書士/知的財産管理技能士/国家試験塾講師が生業の巷の一介の素浪人の日常

団地内で建物の建替え

2020-02-07 | マンション〔団地・複合用途〕



                                   

 

共有地上に複数の建物がある場合 その一つの建物で建替えをすることは

共有物である土地の変更行為であるとされるので共有者全員の合意必要(民法251条)

 

そうであるとすると

区分所有法の団地で 団地内の建物の建替えは事実上不可能 ということに ?

そこで

全員の合意ではなく 団地管理組合の集会で4分の3以上で建替えの承認決議を得ることで

建替えをすることを可能にしたのが 69条〔区分所有法〕

 

特定建物(建替えの対象となる土地上の建物)の建替えには

区分所有者および議決権の各5分の4以上の多数による 特定建物の建替え決議
(または全員の同意)

土地の持分割合による議決権の4分の3以上の多数による 土地についての建替え承認決議
(または全員の同意)

とが

必要になるということ

 

皆で持っている土地の上の建替えということなので 土地に関しての承認も必要になる

ということ 

 

 

要件として ① と ②

① 全部又は一部が専有部分のある建物

「一団地内にある数棟の建物(団地内建物)の全部又は一部が専有部分のある建物であり、

かつ、特定建物の所在する土地が当該団地内建物の第65条に規定する団地建物所有者の

共有に属する場合」 に 建替え承認決議をすることができる

 

すべて一戸建てという場合には この建替え承認決議は問題になりません

 

最低一つは区分所有建物でないといけないけれど 一戸建てが含まれてもかまいません

専有部分のある建物以外の建物だけで成立する団地もありますが そのような場合は

民法の共有の例外を認める必要性などないとされています

(親族で土地を共有していて 各々が建物を単独所有している場合 等)

でも 専有部分のある建物と単独所有の建物が交じっている団地で 単独所有の建物を特定建物

(建替えの対象となる建物)としての建替え承認決議も可能(69条①2号)ですが

 

② 土地が共有(準共有も含む)に属している

次に 「特定建物の所在する『土地』が団地建物所有者の共有」 に属する場合ということ

「土地」を共有していることが要件(筆数は問いません)

団地というのは 土地だけでなく 附属施設を共有している場合にも成立しますが

建替え承認決議を行うのは 「土地」が共有の場合だけ

特定建物の所在する土地なので 土地といっても通路を共有しているだけでは要件を充たしません

特定建物の敷地の共有者・準共有者ではない団地建物所有者は承認決議からは除外です
(適用外になる)

土地を共有しているのであれば 従来の土地とは別の筆の土地の上に区分所有建物を再建すること

も可です

建替え承認決議の議決権割合は 特定建物の所在する土地 の持分割合(69条2項) 

区分所有者の頭数は問題にされていません

これは建替え承認決議は 土地が共有の場合のみ認められ 通常の管理の決議でなくて

土地の利用に関することだから

これについては 規約で別段の定めをすることができません

 

 

特定建物の建替えは

特定建物の建替え決議(5分の4)

建替え承認決議(4分の3)

が必要

特定建物の所有者は たとえ特定建物の建替え決議において反対していたとしても

棟として建替えの意思決定がなされた以上 建替え承認決議においては 賛成する旨の議決権

の行使をしたものとみなされます(69条3項)

 

建替え承認決議は 建替え決議と同様に 2月前に招集通知を発し この期間は規約で伸長は可

短縮は不可

建替え決議と異なり 建替え承認決議のための説明会の必要との規定は無し

 

 

特定建物の建替えが 他の建物の建て替えに特別の影響を及ぼすときは 建替え承認決議において

その影響を受ける建物の区分所有者の議決権の4分の3以上の賛成が必要

例えば 特定建物が より大きな容積率の建物に建て替えるなら 団地全体の容積率が制限されて

いるような場合は 特定建物の建替えが他の建物に配分される容積率を侵し 今後の建替え支障が

生じる可能性があるような場合

建替えによる日照 騒音被害等は これに該当せず 別途差止め 損害賠償請求等の対応で解決

されることになると考えられています



 

特定建物が2つ以上ある場合 それぞれの特定建物について建替え承認決議を受けて建替えを

してもかまいませんが 複数の特定建物をまとめて建替え承認決議にかけるというのが
一括建替え承認決議

(少々混乱しそうですが 70条の 全部建替え決議<団地内の全建物の一括建替え>のこと
ではありません)

これは隣接する建物が建替えを行う場合には 相互に統一して調和の取れた再建建物にした方が
いいわけなので

1棟1棟建替え承認決議だけではなく このような一括建替え承認決議を認める意味があり

特定建物の建替え決議が成立すれば 当該特定建物の区分所有者は建替え承認決議においては

建替え承認決議に「賛成」したものとみなされますので 複数の特定建物を一括して承認決議にかけ

れば 承認決議が成立しやすくなります

この一括建替え承認決議は強制されているのではなく 個々の特定建物ごとに建替え承認決議を

得ても
可ではありますが


 

一括建替え承認決議を行うには 特定建物の団地建物所有者の「合意」が必要

区分所有者から個々にこの同意を取り付けるのは大変ですので 特定建物が区分所有建物である

場合は 建替え決議の際に「一括して建替え承認決議に付する旨の決議」も併せて行うことができ 

この決議があれば 特定建物の団地建物所有者の「合意」があったものとみなされる(第7項)



 

 

ということで

団地内の建物の建替えのこと やや 複雑なこととなりますが 説明を求められること

もあります

 

同じ場所に 同じものを建替えるとしても 工事に他の敷地部分を使うことがあったり

耐用年数が大幅に延長されるだろう等 敷地の利用関係に重要な変更が生じます

共用部分の変更(17条)の場合の4分の3以上あたりの感覚が相当ということで

承認は4分の3以上 となったのか ? 

 

団地建物所有者(団地関係が存在する場合の 建物の所有者・区分所有者)以外の

共有者・準共有者(団地管理組合の構成員ではない)については 

承認決議とは別に 個別に建替えの
同意を得なければなりません

《団地内の共有物は 土地・付属施設でも構わないのですが その共有者は複数棟の

建物の所有者と完全に一致する必要はない

建物の所有者の中に共有物の所有者でない者がいる場合や 共有物が建物の所有者と第三者

の共有となっている場合であっても 団地規定が適用される

が その第三者には団地規定は適用されないので 第三者との関係では区分所有法の定めに

従うのではなく 民法の共有の規定に従うことになる》

 

 

団地型標準管理規約には

50条(議決事項)に 団地総会の決議に関して 10・11号
72条(議決事項)に 棟総会の決議に関して 5・6号
上記関連のこと登場しています

両議決権割合の比較(土地の共有持分の割合等 と 棟の共有持分の割合等)
にも注視です〔コメント48・71条関係〕

 

団地内での建物の建替えのこと

受験者の方にとっても  注意を要する箇所となるようです

                           

                      

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