おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み

〔特定〕行政書士/知的財産管理技能士/国家試験塾講師等が生業の巷の一介の素浪人の日常

3問登場 です

2023-06-20 | マンション管理関連試験等サポート   

 

 

本日の マンション管理士試験過去問学習です

3問 に 挑戦します 

【 問い方を変えずに そのまま 掲載させていただいていますが できるだけ 肢
 ごとの正誤・適切(不適切)を答えるつもりであたってみると 格段に学習効果は
 上昇すると考えられます
 本番では 4肢の比較でアッサリと答えが出る場合もあるのも確かでしょうが
 正解肢以外は スッカリ わすれてしまっているケースが多いのでは(極端な場合
 良問だなと感激してしまう問題を素通りしてしまっていて 二 三年後 の試験に
 出ていたのに初見なのでアッサリと失敗したりテコズッテしまった ということも
 あり得るのでは・・・
 いつも言わせていただいていますが その肢の相方は 常連として決まっていると
 いうことではモチロンないので 4肢からの択一 という手法での過去問学習では 
 いかがなものかと思えてなりません
[一肢ごとに自分の基準を確かめつつ答えていかなければ]ということについて 説
 明を繰り返さざるを得ない受験生の方が 多くみられますね・・・特に 多数回受
 験が続いてしまっている方に 】
      ※ 当然ですが 試験本番では 比較考量で 確実に答えだ と思える場
        合はドンドン次問に移る という手法も 採り入れるべき と 思い
        ますが日頃の学習時には 我慢して? 一問一問と格闘すべき と
        思われるのです 

 

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2018年度

〔問 32〕 
複合用途型マンションの管理組合の理事長から、管理規約の変更に係る相談を受けた
マンション管理士が行った次の回答のうち、「マンション標準管理規約(複合用途型)
及びマンション標準管理規約(複合用途型)コメント」(最終改正平成29年8月29日
国住マ第33号)によれば、適切でないものはどれか。


1 総会の議決権については、住戸部分、店舗部分それぞれの中で持分割合があ
まり異ならない場合は、住戸、店舗それぞれの中では同一の議決権により対応
することが可能です。また、住戸又は店舗の数を基準とする議決権と専有面積
を基準とする議決権を併用することも可能です。


2 当該規約を変更するに当たっては、住宅の区分所有者のみの共有に属する一
部共用部分の管理に関する条項を変更する場合であっても、区分所有者全員で
構成される総会の決議で行うことになります。


3 住宅、店舗各々から選出された管理組合の役員が、住宅部会、店舗部会の役
員を兼ねるようにすることができます。


4 店舗共用部分の修繕は、店舗部会の決議があれば、総会の決議がなくても、
店舗一部修繕積立金を取り崩してその費用を拠出することができます。


 について                     適 切

 マンション標準管理規約(複合用途型)コメント
 第50条関係
 ②
 住戸部分、店舗部分それぞれの中で持分割合があまり異ならない場合は、
 住戸、店舗それぞれの中では同一の議決権により対応することも可能である。

 また住戸又は店舗の数を基準とする議決権と専有面積を基準とする議決権を
 併用することにより対応することも可能である。

 

 について                     適 切

 マンション標準管理規約(複合用途型)コメント
 全般関係
 ⑤
 この規約は、区分所有者全員の共有物である敷地、全体共用部分及び附属施設
 のほか、一部の区分所有者の共有物である一部共用部分についても全体で一元
 的に管理するものとし、管理組合は全体のものを規定し、一部管理組合は特に
 規定していない。

 マンション標準管理規約(複合用途型)
 (議決事項)
 第52条
 次の各号に掲げる事項については、総会の決議を経なければならない。
 一 規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止

 

 

 について                       適 切

 マンション標準管理規約(複合用途型)コメント 
 第60条関係
 ② 住宅、店舗おのおのから選出された管理組合の役員が、各部会の役員を
 兼ねるようにし、各部会の意見が理事会に反映されるような仕組みが、有
 効であると考えられる。

 

 

 について                   不 適 切

 
 (議決事項)
 第52条
 次の各号に掲げる事項については、総会の決議を経なければならない。

 十  第30条第1項及び第31条第2項に定める特別の管理の実施並びに
   それに充てるための資金の借入れ並びに全体修繕積立金、住宅一部修
   繕積立金及び店舗一部修繕積立金の取崩し

 (住宅一部修繕積立金及び店舗一部修繕積立金)
 第31条
 2 住宅一部修繕積立金は住宅一部共用部分の、店舗一部修繕積立金は店舗
  一部共用部分の、それぞれ次の各号に掲げる特別の管理に要する経費に
  充当する場合に限って取り崩すことができる。  
   一  一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕
   二  不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕
   三  一部共用部分の変更
   四  その他一部共用部分の管理に関し、当該一部共用部分を共用すべ
                   き区分所有者全体の利益のために特別に必要となる管理

 マンション標準管理規約(複合用途型)コメント 
 第60条関係
 ① 住宅部会及び店舗部会は管理組合としての意思を決定する機関ではない
 が、それぞれ住宅部分、店舗部分の一部共用部分の管理等について協議す
 る組織として位置づけるものである。

 

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2012年度

【問 6】 

管理所有に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 規約に特別の定めを設けても、管理者以外の区分所有者に共用部分を管理所有させることは
  できない。

2 規約に特別の定めを設けても、建物の敷地を管理者に管理所有させることはできない。


3 規約に特別の定めを設けることによって、共用部分を管理所有とした場合、その旨を登記しな
  ければならない。


4 管理所有者は、共用部分の形状又は効用の著しい変更を伴わないものであっても、共用部分の
  変更は行うことができない。




〔管理所有〕という制度を設けた趣旨は 当該共用部分について賃貸借契約をしたり 防火設備に
 ついて所管の官庁に届出をしたりする等の場面で 簡便に事を進め得るようにしておく という
 ことです
 当該共用部分の管理を委ねるという目的のために 対外的な関係においては管理所有者を所有者
 として登場させる(実質的な所有権者は区分所有者全員ですが) という制度です
 
 規約に定めることによって 制度が認められます(集会の決議だけ では 不可)
 
 
正しいものは  でした

管理所有の対象となり得るのは共用部分 であるので 敷地を管理所有することはできないので
 
 
1 について                     誤 り

 規約で別段の定めをすることができるので 管理者以外の区分所有者に共用部分を管理
 所有させ得る
 
 
(共用部分の共有関係)
第十一条 
共用部分は、区分所有者全員の共有に属する。ただし、一部共用部分は、これを共用すべき
区分所有者の共有に属する。

2 前項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。ただし、第二十七条第一項の
場合を除いて、区分所有者以外の者を共用部分の所有者と定めることはできない

(管理所有)
第二十七条 管理者は、規約に特別の定めがあるときは、共用部分を所有することができる。

 
 
3 について                        誤 り
 
 その旨の登記をしなければならないとの規定は 無い

 共用部分については権利に関する登記はなされないので 当該共用部分について管理所有する
 ことになっても 移転の登記は必要なく 第三者に対抗できる

 
 
4 について                        誤 り
 
 管理所有者は 共用部分の形状または効用の著しい変更を伴わない変更を行うことができる

 
(管理所有者の権限)
第二十条 
第十一条第二項の規定により規約で共用部分の所有者と定められた区分所有者は、区分所有者全員
(一部共用部分については、これを共用すべき区分所有者)のためにその共用部分を管理する義務
を負う。

2 前項の共用部分の所有者は、第十七条第一項に規定する共用部分の変更をすることができない
 
(共用部分の変更)
第十七条 
共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者及び議
決権の各四分の三以上の多数による集会の決議で決する。
 
(管理所有)
第二十七条 
管理者は、規約に特別の定めがあるときは、共用部分を所有することができる。
2 第六条第二項及び第二十条の規定は、前項の場合に準用する。
 
 
 
 
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2015年度

【問 16】 

Aがその所有する甲マンションの301号室をBに賃貸していたところ、Aは死亡し、Aの配偶者C
並びに子D及びEはいずれも単純承認した。この場合に関する次の記述のうち、区分所有法及び民
法の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。

1 遺産分割によってCが301号室を相続し、Aが死亡するまでに滞納した管理費の負担に関する合
意がないときは、甲マンション管理組合の管理者Fは、遺産分割後において、Aが死亡するまでに
滞納した管理費の4分の1をDに対して請求できる。


2 遺産分割によってDが301号室を相続し、Aが死亡するまでにBが滞納した賃料債権の帰属に関
する合意がないときは、Dは、遺産分割後において、Aが死亡するまでにBが滞納した賃料債権の4
分の1をBに対して請求できる。


3 遺産分割によってD及びEが301号室を持分各2分の1として相続し、Aの死亡後遺産分割まで
に滞納した管理費の負担に関する合意がないときは、甲マンション管理組合の管理者Fは、遺産分割
後において、Aの死亡後遺産分割までに滞納した管理費の全額をDに対して請求できる。


4 遺産分割によってEが301号室を相続し、Aの死亡後遺産分割までにBが滞納していた賃料債権の
帰属に関する合意がないときは、Eは、遺産分割後において、Aの死亡後遺産分割までにBが滞納した
賃料債権の全額をBに対して請求できる。
 
 

誤りは  です

 


次の 最高裁の判例を知っていたか否かがすべて とも言えそうな問題でした
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

遺産は、相続人が数人あるときは、相続開始から遺産分割までの間、共同相続人
の共有に属するものであるから、この間に遺産である賃貸不動産を使用管理した
結果生ずる金銭債権たる賃料債権は、産とは別個の財産というべきであって、
各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得するものと
解するのが相当である。
遺産分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずるものであるが、各共
同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得した上記賃料
債権の帰属は、後にされた遺産分割の影響を受けないものというべきである。    
                           (最判平成17・9・8)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ということで 
各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得するものと
解するのが相当である
とあるので Cは2分の1  Dは4分の1  を Bに請求できる
Eは 4分の1は請求可だが 全額は請求できない

 

遺産から発生する法定果実は それ自体は遺産ではないともいえるけれど 遺産

分割が遡及効を有する(遡って権利を得る)以上 その財産を得た者が 相続開始

以降のその財産から発生した法定果実である賃料を得る との理解もできる と思

われるのですが・・・

 


(天然果実及び法定果実)
第八十八条 

物の用法に従い収取する産出物を天然果実とする。
 物の使用の対価として受けるべき金銭その他の物を法定果実とする。

 

(果実の帰属)
第八十九条 

天然果実は、その元物から分離する時に、これを収取する権利を有する
者に帰属する。

 法定果実は、これを収取する権利の存続期間に応じて、日割計算に
よりこれを取得する。

(遺産の分割の効力)
第九百九条 

遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずる。
ただし、第三者の権利を害することはできない。


・・・・けれど 最高裁は 上のような判断をしたのでした

 

 について                                                                  正しい

  Aが死亡するまでに滞納した管理費の支払債務は可分債務なので 相続分に
  応じて 法律上当然 承継される (最判昭29・4・8)

  

2 について                  正しい

  相続財産として可分債権があれば それは当然に分割されて 相続分に応じて
  共同相続人が権利承継する(最判昭29・4・8)
  Bが滞納の賃料債権は可分債権


について                   正しい

  専有部分を共有する者の管理費等の支払債務は 不可分債務と解されている
                       (判例 東京高判平成20年5月)
  債権者は 一人に対し 又は同時に・順次にそのすべての不可分債務者に対し
  全部又は一部の履行を請求できる(民430・436)
  301号室は遺産分割されるまでC・D・Eが共有者(民898)で 不可分債
  務である管理費等支払債務を負っているので その場合 D一人に対し 全額
  を請求することも可能



時系列 というか 問われている時点のこと  と  その場面での当事者  と  

なによりも 対象となっている債権・債務 

を シッカリと判別しつつ 対処しなければならない問題でした

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ということで

本日は 標準管理規約 ・ 区分所有法 ・ 民法 の過去問学習でした

以前からもうしあげているように 上記3科目が 試験の合否のポイント である
こと
そのなかで 標準管理規約は < トニカク その枠内 というより そのものか
ストレートに問われる〚区分所有法に則って規約となり得るものは世に タクサ
ン存在し得 内容もサマザマだけれど 標準管理規約といえるのは その中の唯一
のもの その内容も 唯一 のデキアガッテイルもので 登場する理論もソノママ
ズバリ 〛ので >
得点の確実度合いは 格別 である と 考えられる

区分所有法も民法も デキアガッテイルもの
ですが・・・
区分所有法は 条数は少ないが 理論の奥が深いものが多い
民法は 条数の大きさ プラス 論点・判例も膨大 
ということ

標準管理規約問題は 本試験場で向き合った際の圧迫度が他よりは少しなりとも

総じて緩い のではないかと思われるのです

自身としては そのあたりのことを感じてほしい という思いで 三科目のもの

を並べてみたのですが・・・

どうでしたでしょう 手ごたえ の 感覚 は ?

 

                            

                                 

    よろしくお願いいたします - おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み (goo.ne.jp)