おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み

〔特定〕行政書士/知的財産管理技能士/国家試験塾講師等が生業の巷の一介の素浪人の日常

オカシイナー と思えても ドギマギせずに進む

2022-09-14 | マンション管理関連試験等サポート   

 

管理組合さんを訪問すると ときには [マンション敷地]のことも質問されることが

あります

『 自分は 土地については どのような権利を持っているのだろう・・・

 15年も住み続けているのに マンションをノッケテイル敷地のことは 気にしていなかった

 のだけど フト 心配になってしまって・・・』

という類の質問を受けたりします

 

 

本日の マンション管理士試験過去問題学習 です

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2014年度

【問 2】              ※ 問い方を変え 利用させていただいております
A所有の甲地に所在するマンションの専有部分をA及びBが所有している場合の敷地利用権に関する次の記述のうち、区分所有法、民法及び不動産登記法の規定による正誤を答えよ。ただし、規約に別段の定めはないものとする。


1 Aが第三者Cのため甲地に賃借権を設定し、A及びBがCから賃借権の譲渡を受けその持分が各1/2である場合、A及びBのそれぞれの賃借権の準共有持分が敷地利用権となる。


2 AがBのため甲地に地上権を設定し、BがAの専有部分所有のための甲地の使用を認容する場合は、Aの敷地利用権は、地上権者Bとの間の契約上の利用権である。


3 AB問の使用貸借契約により、AがBの専有部分所有のための甲地の使用を認容する場合のBの敷地利用権は、使用借権であるが、登記することにより敷地権となる。


4 Aが甲地をA及びBの所有する各専有部分の底地ごとに区画して分筆し、Bの専有部分の底地部分に賃借権を設定し敷地利用権とした場合、Bは、専有部分と敷地利用権とを分離して処分することができる。
 
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1  について        正しい

 
(定義)
第二条 
6 この法律において「敷地利用権」とは、専有部分を所有するための建物の敷地に関する権利をいう。
 
敷地利用権として 所有権・地上権・賃借権・使用借権 がある
肢の場合 AとBは賃借権を準共有(所有権以外の財産権の共有)しているので その準共有持分が
敷地利用権となっている
 
 
 
 
 
2 について       正しい
 
 地上権を設定した者は 所有権に基づいて土地を使用することができなくなるので AB間の契約
 に基づいて専有部分を所有することになる
 つまり Aの敷地利用権は 地上権者であるBとの間の契約上の利用権である(自己の所有権に基づく
 利用ではない)。
 
 
 
 
3 について       誤り
 
 敷地権(敷地利用権ではなく)とは 登記された敷地利用権 のことなので 敷地権となるためには
 登記が必要だが 使用借権 は登記できない


(建物の表示に関する登記の登記事項)
第四十四条 建物の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。
九 建物又は附属建物が区分建物である場合において、当該区分建物について区分所有法第二条第六項に規定する敷地利用権(登記されたものに限る。)であって、区分所有法第二十二条第一項本文(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができないもの(以下「敷地権」という。)があるときは、その敷地権
 
(登記することができる権利等)
第三条 登記は、不動産の表示又は不動産についての次に掲げる権利の保存等(保存、設定、移転、変更、処分の制限又は消滅をいう。次条第二項及び第百五条第一号において同じ。)についてする。
一 所有権
二 地上権
三 永小作権
四 地役権
五 先取特権
六 質権
七 抵当権
八 賃借権
九 配偶者居住権
十 採石権(採石法(昭和二十五年法律第二百九十一号)に規定する採石権をいう。第五十条及び第八十二条において同じ。)
 
 
 
 
4 について       正しい
 
 肢の場合 Bは その所有する専有部分の底地部分の賃借権を単独で有している〔数人で有して
 いる場合ではない〕
 ので 専有部分と敷地利用権とを分離して処分することができることになる
 
 
(分離処分の禁止)
第二十二条 
敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、区分所有者は、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない。ただし、規約に別段の定めがあるときは、この限りでない。

 

 

 

 

《参考になるかもしれないメモ》

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土地所有者自らが借地権者となることは,混同の法理により原始的に不可能とされています
〔所有権者自らが その自分の土地を借りるなどすることは 本来 オカシイこと ですよね
 自分が自分のものを借りる ?? ですよね〕


民法179条1項本文(地上権につき)
 (混同)

第百七十九条 
同一物について所有権及び他の物権が同一人に帰属したときは、当該他の物権は、消滅する。
ただし、その物又は当該他の物権が第三者の権利の目的であるときは、この限りでない。

2 所有権以外の物権及びこれを目的とする他の権利が同一人に帰属したときは、当該他の権利は、消滅する。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。
3 前二項の規定は、占有権については、適用しない。


民法520条本文(賃借権につき)
第五款 混同

第五百二十条 
債権及び債務が同一人に帰属したときは、その債権は、消滅する。
ただし、その債権が第三者の権利の目的であるときは、この限りでない。

 

原則論どおりに自己借地権を認めない場合には 建物が共有である場合に不都合が生じます
典型例は区分所有建物(分譲マンション)ですね〔これに限りませんが〕
いずれにしても 借地借家法は 民法の 混同 の例外として一定の範囲で
自己借地権 を 認めました。

(自己借地権)
第十五条 
借地権を設定する場合においては、他の者と共に有することとなるときに限り、借地権設定者が
自らその借地権を有することを妨げない。
2 借地権が借地権設定者に帰した場合であっても、他の者と共にその借地権を有するときは、
その借地権は、消滅しない。

 
肢1 で “ 自分の土地を自分が借りるというようなことなど あり得ないはず 
何か得体の知れないヒッカケを含んでいる肢なのかな ??? ”
というような感覚になってしまって ペースを崩してしまいそうになった方も おられたのでは・・
そういうことが その後の思考の流れにイタズラをしてしまうようなことが 受験においては
あり得ますね 
オソロシイコトデス けれど・・・
 
そんなときは 一旦 斜め前方などを眺め 心で深呼吸してみる など ペースを混乱させないように
自分流儀で工夫するべき でしょう ね
少しでも早く 落ち着くようにしないと・・・実力が出せないことにもなってしまいます

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                        はたけやまとくお事 務 所  

 
 
 
 
 
 
 
 
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