おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み

マンション管理士/〔特定〕行政書士/知的財産管理技能士/国家試験塾講師が生業の巷の一介の素浪人の日常

約束を守らない住民

2021-07-27 | マンション〔規 約 類〕

 

ペットが逃げ出してのトラブルのニュースが より多くなっている ようです

 

次のような事例問題が問われたことがあります

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

規約で小鳥・鑑賞用魚類以外の動物の飼育を禁止しているマンションにおいて、

区分所有者Aから専有部分を賃借しているBが、室内で体長約65cmの雑種犬

2匹を飼育し、敷地内で犬を散歩させて通行人に吠えかかって恐怖感を与えたり、

抜け毛や悪臭を発せさせたりする等居住者に多大の迷惑をかけている

この場合において、管理組合としてとり得る措置に関する次の記述のうち、区分

所有法の規定及び標準管理規約によれば、適切でないものはどれか。

 

① 理事長は、理事会の決議を経れば、規約に違反しているとして、Bに対し、犬

  の飼育を止めるよう勧告することも、犬の飼育の差止めを裁判所に請求するこ

  ともできる。

 

② 理事長は、Bの犬の飼育行為が再三の注意勧告にもかかわらず止まないため、区

  分所有者の共同の利益に反する行為に当たるとして、総会の決議に基づき、その

  差止めを裁判所に請求することができる。

 

③ 理事長は、Aに対し、規約を遵守して犬の飼育を止めるようBに働きかけをする

  よう要請したが、これにAが従わない場合にはA自身の規約違反行為の責任を追及

  することができる。

 

④ 管理組合は、Bの犬の飼育状況を確認するため、Bに対し専有部分内への立入りを

  請求することができ、Bは、正当な理由がない限りこれを許否することができない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

適切でないものは ④ なのですが ナカナカ 手ごわい設問だと思われます

 

多大の迷惑をかけている
 規約に違反しているとして
 再三の注意勧告にもかかわらず止まないため
 共同の利益に反する行為に当たるとして

などの表現を登場させ 適切でないもの は と 問うています

誤っている<違法>か 正しい<適法>か という問い方ではなく)

 

論点においての明文の有無などの点からの他肢との比較考量においても ④ が適切

でないとされるでしょう

 

④が 不適切とされています
2012年度の マンション管理士試験の問題 です

管理組合においても とても参考になると思います

 

 

①について

理事長は 理事会の決議を経れば 規約に違反しているとしてBに対し

犬の飼育を止めるよう勧告ができ 犬の飼育の差止めを裁判所に請求する

こともできます


標準管理規約 
(理事長の勧告及び指示等)
第67条

区分所有者若しくはその同居人又は専有部分の貸与を受けた者若しくは
その同居人(以下「区分所有者等」という。)が、法令、規約又は使用
細則等に違反したとき、又は対象物件内における共同生活の秩序を乱す
行為を行ったときは、理事長は、理事会の決議を経てその区分所有者等
に対し、その是正等のため必要な勧告又は指示若しくは警告を行うこと
ができる。


区分所有者等がこの規約若しくは使用細則等に違反したとき、又は区分
所有者等若しくは区分所有者等以外の第三者が敷地及び共用部分等にお
いて不法行為を行ったときは、理事長は、理事会の決議を経て、次の措
置を講ずることができる。
一  行為の差止め、排除又は原状回復のための必要な措置の請求に関し、
   管理組合を代表して、訴訟その他法的措置を追行すること


 

 

② について

理事長は Bの行為が区分所有者の共同の利益に反する行為に当たるとして

総会の決議に基づいて その差止めを裁判所に請求できます


 

(義務違反者に対する措置)
第66条
区分所有者又は占有者が建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は
使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をした場合又はその行
為をするおそれがある場合には、区分所有法第57条から第60条まで
の規定に基づき必要な措置をとることができる。

 

区分所有法 
第七節 義務違反者に対する措置
(共同の利益に反する行為の停止等の請求)
第五十七条 
区分所有者が第六条第一項に規定する行為をした場合又はその行為をするおそれ
がある場合には、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、区分所有者の共同
の利益のため、その行為を停止し、その行為の結果を除去し、又はその行為を予
防するため必要な措置を執ることを請求することができる。

2 前項の規定に基づき訴訟を提起するには集会の決議によらなければならない。
3 管理者又は集会において指定された区分所有者は、集会の決議により、第一項
の他の区分所有者の全員のために、前項に規定する訴訟を提起することができる。

4 前三項の規定は、占有者が第六条第三項において準用する同条第一項に規定す
る行為をした場合及びその行為をするおそれがある場合に準用する。

 

 

③ について

Aは 専有部所有者である自身の そして専有部分の貸与を受けているBの言動にも

区分所有者・当該専有部貸主としての責を負う立場にありますので Bに犬の飼育を

止めるよう働きかけなければならず 理事長の要請にAが従わないのであれば 理事

長は A自身の規約違反行為の責任を追及できることになります

 


 

(専有部分の貸与)
第19条
区分所有者は、その専有部分を第三者に貸与する場合には、この規約及び
使用細則に定める事項をその第三者に遵守させなければならない

(理事長の勧告及び指示等)
第67条 

区分所有者は、その同居人又はその所有する専有部分の貸与を受けた者
若しくはその同居人が前項の行為を行った場合には、その是正等のため必
要な措置を講じなければならない。


 

 

④ について

管理する上で 必要な範囲内において 専有部分や専用使用部分への立入りを

請求することが可能な場合はあります


(必要箇所への立入り)
第23条
前2条により管理を行う者は、管理を行うために必要な範囲内において、他の者
が管理する専有部分又は専用使用部分への立入りを請求することができる。

   (敷地及び共用部分等の管理)
    第21条 

   (窓ガラス等の改良)
    第22条


 

ほかに

区分所有法に

(占有者に対する引渡し請求)
第六十条 ・・・当該行為に係る占有者が占有する専有部分の使用又は収益を目的
とする契約の解除及びその専有部分の引渡しを請求することができる・・・・
 
というような請求もあります が

Bの犬の飼育状況を確認するため Bに対し専有部分内への立入りを請求する と
ことは そのような場面で許されるとする根拠をみつけ難く そうした請求をBは 
拒否できることとなると考えられるので
④肢は適切でないものといえる

 

 

 



<再 掲>

 

標準管理規約

(義務違反者に対する措置)
第66条
区分所有者又は占有者が建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用
に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をした場合又はその行為をする
おそれがある場合には、区分所有法第57条から第60条までの規定に基づ
き必要な措置をとることができる。

 

(理事長の勧告及び指示等)
第67条
区分所有者若しくはその同居人又は専有部分の貸与を受けた者若しくはその
同居人(以下「区分所有者等」という。)が、法令、規約又は使用細則等に
違反したとき、又は対象物件内における共同生活の秩序を乱す行為を行った
ときは、理事長は、理事会の決議を経てその区分所有者等に対し、その是正
等のため必要な勧告又は指示若しくは警告を行うことができる。


区分所有者は、その同居人又はその所有する専有部分の貸与を受けた者若し
くはその同居人が前項の行為を行った場合には、その是正等のため必要な措
置を講じなければならない。


区分所有者等がこの規約若しくは使用細則等に違反したとき、又は区分所有
者等若しくは区分所有者等以外の第三者が敷地及び共用部分等において不法
行為を行ったときは、理事長は、理事会の決議を経て、次の措置を講ずるこ
とができる。

一  行為の差止め、排除又は原状回復のための必要な措置の請求に関し、
   管理組合を代表して、訴訟その他法的措置を追行すること
二    敷地及び共用部分等について生じた損害賠償金又は不当利得による返
       還金の請求又は受領に関し、区分所有者のために、訴訟において原告又
       は被告となること、その他法的措置をとること


前項の訴えを提起する場合、理事長は、請求の相手方に対し、違約金として
の弁護士費用及び差止め等の諸費用を請求することができる。


前項に基づき請求した弁護士費用及び差止め等の諸費用に相当する収納金は、
第27条に定める費用に充当する。


理事長は、第3項の規定に基づき、区分所有者のために、原告又は被告となっ
たときは、遅滞なく、区分所有者にその旨を通知しなければならない。この場
合には、第43条第2項及び第3項の規定を準用する。

 

 

区分所有法
 

第七節 義務違反者に対する措置
(共同の利益に反する行為の停止等の請求)

第五十七条 
区分所有者が第六条第一項に規定する行為をした場合又はその行為をするおそれ
がある場合には、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、区分所有者の共同
の利益のため、その行為を停止し、その行為の結果を除去し、又はその行為を予
防するため必要な措置を執ることを請求することができる。

2 
前項の規定に基づき訴訟を提起するには、集会の決議によらなければならない。

3 
管理者又は集会において指定された区分所有者は、集会の決議により、第一項
の他の区分所有者の全員のために、前項に規定する訴訟を提起することができる。

4 
前三項の規定は、占有者が第六条第三項において準用する同条第一項に規定す
る行為をした場合及びその行為をするおそれがある場合に準用する。