ブラックファイブ

あのDr.ブラックジャックの半分以下なので、ファイブとします。命燃え尽きるまで、経験と知識からブログをやろう。

インフルエンザ診断

2006-01-26 22:34:44 | Weblog
 この冬のインフルエンザ診断は結構難しい。
 通常通りの、がっくりと消耗を見せる典型患者はもちろんいますが、熱が37度台と高くならず、咳・痰が出る、鼻水が出るなど、教科書の教えからずれている方がいつもより目立つ。
 これでは臨床診断(患者さんから、話を聞いて、のどを診たりして、検査なしで診断をつける)は、対象が幅広くなりすぎて、ふつうの風邪などと分けられにくく、結局はのどや鼻から粘液をとって、インフルエンザ迅速診断をしないと区別不能な患者さんばかりになる。
 今日も、24日にある若い医師が診察し、インフルエンザ迅速診断で陰性となり、インフルエンザではないと考え、上咽頭・気道の炎症と判断し、抗生剤を出されたが治らないという若い方がきた。
 この若い方は、鼻水がぐしゅぐしゅして、一見、鼻風邪のひどい方に見える。
 しかし、今日は研修医が心配して、迅速診断再検と血液検査の二股の検査を実施し、結果はインフルエンザ迅速診断陽性で、確定診断がなされた。
 24日の診察医は、粘液の迅速診断が陰性で鼻風邪症状が強く、違うと考えたのだろう。今日の研修医は再度疑い検査を下のだろう。
 お久しぶり、里見先生教えて下さい。
「24日にきちんと病歴をとれば、例え迅速検査が陰性でも、インフルエンザを疑うものがあるだろう。それは、年齢の若い方の風邪症状の起こり方と、患者周囲の状況あら、やはりインフルエンザを第一に考えるべきだろう。さらに、今日の場合でも、2日前に出した抗生剤の効果が認められない。若い方に初めから普通の抗生剤の効かない細菌感染が起こる可能性は極めて少ない。それならば、今日の時点で2日前のインフルエンザ診断の誤りを考え、検査なしで臨床経過からインフルエンザを考えてしかるべきだろう。」
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