ブラックファイブ

あのDr.ブラックジャックの半分以下なので、ファイブとします。命燃え尽きるまで、経験と知識からブログをやろう。

6月1日インフルエンザあり

2006-06-01 20:53:29 | Weblog
 今日の一番目の患者さんは“インフルエンザ”だった。「えっ、6月になっても、もう堪忍してくれ」って感じ。
 この若い方は昨日も受診しており、夜中に40℃になって苦悶が続くといって連日来られたのです。昨日は担当医から“カゼ”と言われていて、夜に解熱剤を飲んでも熱が下がらず、胃が気持ち悪くなったと言う。
 丁度、暇な研修医がいたので「診てごらん」とやらせる。
 はじめる前に研修医は私に「どういうところに気をつけたらいいのでしょうか」と聞く。『自分で考えてやってごらん』と言いたかったのですが、「いつ頃からか、他の症状はあるか、周りに同じような人がいるか、飯は食えるか・・・」など、つい入れ知恵をしてしまいました。
 昨日は常勤医が診て、横着な問診が書いてあり、ざっくばらんに言うと見ても詳細は分からない程度(自分のも似ているが、さておく。)なので、もう一度よく聞く。途中気持ち悪いといいはじめ、吐くとマズイとあわてて入れ物を取ってきたりして、検査をして状態確認とした。
 余り飲めてないので、脱水補充に点滴をし、休ませる。
 研修医は一段落して、自分の持ち場に戻る。
 私は外来のノルマをこなす。他の患者さんを診ながら(眼前の方には申し訳ないが)、さっきの40℃の方を思い浮かべていたのです。
 つまり、目の前の方に診察の振りををして、頭は別の方の診断を考えていたのです。その途中、インフルエンザを思い浮かべ、前の方が終わるや否や電話で“インフルエンザの迅速検査”を指示。
 30分位して、電話「インフルエンザAが陽性です」。
 突然のひらめきの検査追加が診断確定に導いたのです。
 ヒラメキのきっかけは問診、患者さんに発病経過を聞いた結果です。
 この方は欧州北部から、30日に帰ってきたばかりだったのです。
 TVで全仏テニスを見ていたことを思い出し、観客は寒そうにしていたし、欧州のもっと北の方はより寒い。それなら、患者さんの症状のきつさはインフルエンザでも矛盾しないとの考えに至ったのです。

 昨日の担当医の問診には、欧州から帰国したなんて全く書いてなかった。
 研修医の勝利。
問診の中に診断のヒントがあった。

※ 駐車違反監視は、(成立に色々あっても)日本人のルールに対するマナーを知る良い指標かもしれない。
コメント (1)
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