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快読日記

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「高台の家」松本清張

2011年09月14日 | 日本の小説
《9/12読了 PHP文芸文庫 2011年刊 【日本の小説 短編集】 まつもと・せいちょう(1909~1992)》

収録作品:高台の家/獄衣のない女囚

2編とも、女が仕掛けた謎を男が解く話。
小説に出てくる悪女といったらたいてい魅力的な女のはずなのに、
ここに登場するのはお世辞にも美しいとは言えないかんじ。
彼女たちの「醜い」部分を、ここまでしつこくチクチクと描く松本清張って、容赦なさすぎ。
特に若くない女に対して厳しいような気がする。

たまに男性作家の作品に「こんな女いるか!」みたいなのが出てくることないですか。
しずかちゃんみたいな。
いや、F先生を批判する気は毛頭ないのですが。
例えば夏目漱石の作品にも、
美化され謎めきすぎて、まったく共感できない女が出てきます。
それに比べて、清張作品の女たちの生々しさよ。
そして生臭さよ。

やっぱり期待を裏切らないなあ。

/「高台の家」松本清張

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