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『さらば外務省 - 私は小泉首相と売国官僚を許さない』 天木直人

2007年06月05日 | 政治・経済・外交


さらば外務省.jpg


安倍政権の支持率が大きく下がったと、新聞、テレビなどで連日報道されています。さすがに、社会保険庁の宙に浮いた年金記録が5千万件というとんでもない数になっているのには驚きました。そのこと自体は安部首相の責任ではないでしょうが、納得できる解決策を出さないとそっぽを向かれますよね。

また、現役大臣の自殺という事件も、その任命権者であり、松岡氏をかばっていた印象のある総理大臣には大きなマイナスでしょう。これで何も解明されないのではないかという雰囲気です。もともと小泉内閣の高い支持率の余禄で、飛んでいた感がありましたから、ここから自律回復できるかどうか、大きな注目です。

その結果が出るのは当然、次の参議院議員選挙ですが、それに立候補を表明したのが本書の著者、天木直人氏です。少し前のベストセラーで恐縮ですが、取り上げてみたいと思います。


天木氏はイラク戦争に反対意見を “具申” したことで実質的には解雇されてしまった元レバノン大使です。本書は出版当時かなり話題になりましたし、精力的にテレビなどに出演されていましたので、ご存知の方も多いでしょう。

読んだ時の感想は、“これ本当ならとんでもない”。普通の感覚の人なら、にわかには信じられないほどの内容ですね。当時の小泉首相や川口外務大臣、鈴木宗男、田中真紀子らの政治家や田中均氏、小和田亘氏、野上元次官や竹内現次官などが次々と実名でその行状が紹介されます。

佐藤優氏の著作、『国家の罠』 も、政治家や外務官僚ほとんどすべてが実名で登場し、官僚としての行動原理を明らかにしたすばらしいノンフィクションだと感じました。本書はそうした人物の人間性にまではっきり疑問を投げかけています。どちらもよくここまで書けたものです。 


これが日本の代表的官庁の話だとは信じたくないようなひどさですが、なぜそういう組織になるのかということも本書で解説されています。天木氏の勇気もさることながら、これほど異常な世界に身をおきながら、よく正常な精神状態でいられたものだと感心するほどでした。

本当にここまで腐っているのなら政権交代しかないなと思って読んでいましたら、天木氏も、“自民党以外” の党が政権につかなければ、ずっとこのまま日本の外交は死んだままになってしまうと危惧しています。つまりとてもとても自浄作用なんか期待できないというわけです。


以下が目次です。


第1章
 無視された意見具申

第2章
 私はけっして小泉純一郎を許さない

第3章
 外務官僚と政治家たちの恥ずべき行状

第4章
 封印された外務省の犯罪

第5章
 恐るべき外務官僚の世界

第6章
 こんな外務省はいらない

第7章
 さらば外務省


天木氏がここで暴露した内容以上に驚いたのは、氏がその後、小泉首相の地元で衆議院議員選挙に立候補したことでした。結果は惨敗でしたが、ものすごい執念だなぁと感心し、同時にちょっとかわった方だなぁ~と思った次第です。

つい先日、すばらしい官僚、小松正之氏の 『クジラは食べていい』 をご紹介したばかりですし、私の知っている官僚の方々の働きぶりは本当に猛烈です。誇張でなく、死に物狂いといった様子です。


それでも、今回の社会保険庁の怠慢に、農林水産省の官製談合。もういい加減にしてくれというのが本音ではないでしょうか。

一度すべての官僚の上層部を総入れ替えするくらいの改革がなければ、本当にこの国は滅びてしまうのではないかというような気がして来ます。これまで封印されてきた官僚内部の権力闘争の実態や、政治家と官僚との癒着が想像以上だということがいやというほど分かり、外務省のデタラメぶりにうんざりさせられました。

参議院選挙の結果に関わらず、官僚は残ります。アメリカでは、政権が変われば官僚も入れ替えになるそうですが、そういうような制度を部分的にでも入れられないものでしょうか。


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6 コメント

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こんにちは (memaido)
2007-06-05 18:29:19
はじめまして、楽しく拝見させていただきました。
またちょくちょく拝見させていただきます。
官僚のイメージ (milesta)
2007-06-06 09:23:35
この本は読んでいませんが、そういう問題意識のある人なら内部から外務省改革してほしいと思ってしまいました。立派な人が「さらば」してしまうから変わらないのではないかと・・・。
 
私は受験事情には疎いのですが、何となくどんな受験生(の親)も「できれば東大に入りたい(入れたい)」と考えているように思います。これは官僚になりたいということなのでしょうか?なぜ皆東大を目指すのでしょうか?
本当に何となくのイメージで恐縮ですが、ほとんどの教育熱心な家庭の子供が小さいうちから東大を目標に勉強して、その中から勝ち残った子だけが東大に入り、さらに優秀な子が官僚になるという一本道が日本の行政を担っているというところに、ちょっと不健全なものを感じてしまいます。多様性がなさ過ぎるのではないでしょうか?佐藤優氏のような方は、それとは別の道を歩んできたから、タフで柔軟性があるのではないかと感じるのです。でも少数派なわけですよね。
また官僚になりたい理由って何なのでしょう?東大に入るのも官僚になるのも、世間体やブランドに惹かれてだったとしたら、「公僕」意識より自分が大事な官僚になってしまうのではないでしょうか。

本物の受験生をご覧になっているVIVAさんからしたらとんちんかんな意見かもしれませんが、あくまでイメージと言うことで・・・。
続けてすみません (milesta)
2007-06-06 09:43:46
Amazonのレビューを見たら、この本には

>在外選挙制度を求めた国民を「物好きな一部の邦人」

と書かれているとありましたが、これはちょっと・・・。噂に聞く在外邦人のヒエラルキー(もちろんキャリア外交官がトップ)を感じてしまいました。
milestaさん (VIVA)
2007-06-06 10:46:56
受験生、そうですねぇ~、ひょっとしたらみんな東大ですか。確かに、東大受験のマンガはヒットしますし、ドラゴン桜も東大受験層以外も読むから売れるんでしょうから、何となくそんなことを無意識にも感じているのかもしれません。

国家公務員の試験制度だと、どうしても同じような学歴の人物が入っていくのでしょうね。佐藤氏はあれほどの人物ですが、ノンキャリアと呼ばれてしまうわけですから。あれで“ノンキャリア”はないですね、確かに(笑)。

ご紹介の部分は前後関係が思い出せず何とも…。すみません。
ご無沙汰!してます (bucky)
2007-06-06 11:27:51
この本、虎ノ門の本屋さんで仕事の途中に、相棒に「ちょっと待ってて」と言って買ったのを思い出しました。2004年のことだったような。
反自民!?な私が読んでも、天木氏の鼻息の荒さはかなりなものでした。でも「まあまあ、落ち着いて」ということで、表現を変えたとしても、この話の多くは真実であろうなと思えました。佐藤優氏の著書によってさらに外務省の問題は表に出てきたわけですが。
おそらく個人の各官僚は優秀で仕事もされていると思うのですが、ある組織になったときにまったく違う物になってしまう。そこが日本なのか・・・「官僚の入れ替え」ってアメリカの話知りませんでした。緊張感ありますね、アメリカの真似をするならそういう所はどう?
buckyさん (VIVA)
2007-06-06 12:32:55
こちらこそ、ご無沙汰してすみません。たった2.3日でも、もう久しぶりって感覚で、5日も開くと、おいおい病気にでもなったんじゃないかと心配で…(笑)。

それはともかく、やはり縄張り意識の強い国民性が影響していると感じます。おっしゃるとおりです。さらに驚いたのは、次官まではともかく、あの小和田亘氏の行動にまで言及したことですかね。本当に全部憎いんだなと感じました。

アメリカはそのようですよ。政権交代があると、ホワイトハウスのスタッフはもちろん、役所の上層部は全員交代。出された人は、企業の他、シンクタンクや大学で再就職をするということです。

確かにそうなれば構造的な官僚の腐敗はかなり防ぐことができそうですが、天下り先の確保にやっきになっているくらいだと、そう簡単には実現しないでしょうね。

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