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『アフリカの瞳』帚木蓬生

2010年06月13日 | 小説

        
                      


南アフリカでのサッカーワールドカップが開幕しました。オリンピック以上の視聴者がいるといわれる、世界最大のスポーツ祭典。本当に待ちに待っていた大会ですが、肝心の日本チームの前評判が著しく低い!

本田でも大久保でも松井でも良いので、点を取って欲しい。がんばってもらいたいところです。


初のアフリカ開催ですし、
アパルトヘイトという言葉自体を知らない生徒が当教室でも増えているなぁと感じている昨今、これは歴史的に大変意義深いことで、いろいろと知る絶好の機会だと思いますが、なんだか治安の悪さばかりが報道されています。

特に南アフリカの象徴的存在である、
ネルソンマンデラ氏の開会式への登場がかなわなかったことが非常に残念です。しかも身内の悲劇的な事故ということで。

試合中ずっと聞こえてくる、あの
ブブゼラという伝統楽器。とんでもなくうるさく、きっと現場にいる相手チームには大迷惑なのでしょう。

が、本書を読んでみると、あの音は、テレビで見ている限り、応援というより黒人の怒りの声にも聞こえてきます。




以下は以前(2006年)、本書を紹介した内容です。


■■■■■

ある国際的な調査で、日本は世界中でかなり、どころか最も信頼されている国だと示されました。確か小泉首相も国会で『日本は国際社会から孤立している』というような批判に反論し、このデータに言及していました。

英語ですがこちらをご覧下さい。
http://www.worldpublicopinion.org/pipa/articles/home_page/168.php?nid=

同じデータを、子どもにも分かるように簡略化してありますが、うちの塾のメルマガでも『世界に良い影響を与えている国』のデータとして取り上げています。
http://tokkun.net/merumaga0602.htm

そこで、ひょっとしたら、こんな小説が現実であれば、そうなるだろうな、という一冊です。アフリカ諸国の深刻な問題の一つがエイズ、鳥インフルエンザなどです。小泉首相の演説でも、対策の援助が盛り込まれています。

日本でも10代でのHIV感染が増えていると、報道されていましたが、アフリカには国民の1割がエイズにかかり、毎日200人の赤ん坊がHIVに感染して生まれてくるという国があります。原因は国民のHIV感染に対する無知と、薬の不足なのです。

本書では南アフリカに一人の日本人医師、作田が住み、現地人の女性と結婚、人々を救うためにHIVと戦います。大統領が『アフリカンルネッサンス!アパルトヘイトさえはねのけた力を持っているのだ、その力を再び結集すれば…』と繰り返し、絶叫するも、国家の惨状は覆いようもない。

感染に気が付かず、分かっても病院に行けず、薬が手に入らない。若者が、妊婦が、赤ん坊が次々に亡くなっていきます。 戦う相手は病気だけではありません。この状況に援助の手をさしのべるどころか、それにつけこみ巨利を得ようとする外国資本。自国の利益になることにしか援助をしない。

WTOはコピー治療薬の製造を認めない。それさえあればどれだけ多くの命が救われるか知っているのに、です。そこら辺の記述に迫力があるのは、筆者自身が医師だからではないでしょうか。

さらに、それに協力することで富と権力を手に入れようとする、地元の政治家や実力者。民衆をなだめるために、ニセの薬まで効能を偽り出回り始めます。それを暴こうとする、主人公とその協力者たちは、手を変え品を変えながらの妨害にあい、命さえ狙われます。

正義感と貧しい人々の協力を頼りに必死に戦う日本人医師と、危険を顧みず彼についてくる人々の純粋な姿に感動します。後半は涙なしでは読めない一冊です。

本書の最後に出てくる、タイトルにつながる詩をご紹介します。

アフリカには瞳がある
大きなどこまでも深い瞳だ
瞳はもう涙を流さない
涙は何年も前に涸れてしまった
涙のない瞳でアフリカは見つめる
大地の緑を 
大空の先を

人類の未来を

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アフリカの瞳

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