「綺麗な花だなあ。」
と若い編輯者はその写真の下の机に飾られてある一束の花を見て、そう言った。
「なんて花でしょう。」
と彼にたずねられて、私はすらすらと答えた。
「Phosphorescence」
「フォスフォレッセンス」(1947)/太宰治
太宰治が最晩年に発表した短編小説のタイトルを、この古書カフェの名としていることから想像できるように、オーナーの方(女性です)の太宰ファン度は相当なもので、太宰が晩年に暮らした三鷹の地に開店するため、3年前に京都から移ってこられたとのことです。店は、太宰の墓のある禅林寺から道路に沿ってまっすぐ1kmほど南に下ったところにあり、すぐ隣が三鷹市立図書館という恵まれた(?)立地です。
10人も入るとおそらくいっぱいという感じのこじんまりとした店内には、太宰関連本の棚もあり、太宰と彼の娘で作家となった津島佑子や太田治子の著書も並んでいます。太宰関連のイベントも時々企画されています。
この日は、コーヒー(300円)と、ワッフル(350円)を頼み、「太宰治論」/奥野健男(太宰治に関する古典的評論)と、「Desolation Angels」(1965)/ケロアック(ケロアックは、アメリカのビートジェネレーションの代表的作家で「路上」が代表作)などを購入しました。
(参考)
・「フォスフォレッセンス」HP
・ 桜桃忌(当ブログ)
・ 玉川上水と太宰治(当ブログ)
・ 「斜陽」(兄弟ブログ:tokiの映画・読書ノート)
(地図情報)
・ フォスフォレッセンス(中央+印)
サイト内に掲載されているすべての写真画像は、クリックで拡大画像にリンクしています。
同じ出版社から出ている、「東京おさぼり喫茶」というのもありますよ。
Phosphorescenceは、燐光という意味ですが、この名前の花は無いみたいです。
この短編は、短編集「グッドバイ」(新潮文庫)に入っています。
小さい勉強机みたいなスペース、いいですね。
太宰の「フォレスレッセンス」も読んでみたくなりました。花の名前なんですか?初めて聞きました。