今日、職場で健康診断の結果をもらいました。γーgtpだけがやたら高くて、肝臓がやられているのだろうということは想像できますが、それ以上は分かりません。アルコールはここ2年以上まったく口にしていないし、考えられるのは薬の害だけです。
映画「川の底からこんにちは」を観ました。笑えるのかなあ と思ってしまいました。
川の底からこんにちは
大衆娯楽映画の骨法を遵守したオフ・ビートなローカル・コメディ
PFFのグランプリほか数々の受賞歴を誇る期待の新鋭・石井裕也の商業映画デビュー作は、正統的な大衆娯楽映画の骨法を遵守しながらも、大阪芸大の先輩・山下敦弘の「バカのハコ船」を想わせるオフ・ビートなローカル・コメディの快作に仕上がった。
男にも都会生活にも疲れ果てた派遣OLが、ガンで余命わずかな父親のしじみ工場を引き継ぎ、再生させるという旧弊で古典的なプロットを嫌みなく牽引するのは、今、最も輝いている満島ひかりの千変万化する表情の圧倒的な魅力である。
自主映画時代から石井作品には、排泄物への奇妙な執着、母性への屈折した憧憬が垣間見えたが、本作でも、冒頭、満島ひかりがエステで腸内洗浄されながら浮かべる放心の表情や、朝の勤行のように黙々と糞尿を畑にかける行為が印象的だ。子連れで付いてきた恋人のふがいなさにあきれ果て、一発奮起して、戦闘モードで、自転車に子供を乗せて幼稚園へと疾走する場面は、内に欠損として抱えていたヒロインの母性が一気に噴出した証しとして秀逸だ。亡くなった父親が工場で働く性欲ではち切れそうなオバちゃんたち全員とデキていたという艶笑小話のようなオチは、彼女の家出の一因であり、オブセッションでもあった<新しいお母さん>の混濁したイメージを、強引に、ご都合主義的なハッピーエンドとして解消させてしまう荒業で、なかなかに不敵である。
(高崎俊夫)
川の底からこんにちは
上京して5年目のOL佐和子は、目標もない自堕落な生活を送っていた。ある日、父親が末期がんのため余命わずかだという知らせが入り、一人娘の佐和子が実家のしじみ工場の跡を継ぐことになる。しかし工場は倒産寸前で、労働者の中年女性たちからはいびられる毎日。追い込まれた佐和子は、生まれて初めて自分の人生を見つめ直すことになる。新人監督の登竜門「ぴあフィルムフェスティバル」でグランプリを受賞した石井裕也の商業映画デビュー作。主演は「愛のむきだし」の満島ひかり。
- 監督・脚本:
- 石井裕也
- プロデューサー:
- 天野真弓
- 撮影:
- 沖村志宏
- 音楽:
- 今村左悶、野村知秋
- 美術:
- 尾関龍生
- 編集:
- 高橋幸一
- 出演:
- 満島ひかり、遠藤雅、相原綺羅、志賀廣太郎、岩松了
- 製作国:
- 2009年日本映画
- 上映時間:
- 112分
- 配給:
- ユーロスペース