トカラ列島トカラうま!

鹿児島県のトカラ列島にある中之島に県の天然記念物「トカラ馬」が飼育されています。馬好き島民による現状レポートです。

11月

2008-11-17 19:31:01 | Weblog
明日から海が荒れるようです。
これからの季節は低気圧の通過などで波が高くなることが多くなり、欠航やランプウェーの使用制限がよくあります。

さて、晩秋?日が短くなりました。仕事帰り、明るいうちに馬たちに会えるのもあとわずか。
道端にはツワブキの黄色い花が咲き乱れ、空気は夏の蒸し暑さに比べてとっても爽やかです。月もきれい。
そんな空気を切りながら鼻歌まじりでバイクを走らせていると、小さな虫に襲われます。・・・正確に言えば襲っている(体当たりする)のは私の方なのですが、とにかく蚊よりも小さな羽虫が口に入るは目に入るはで、大変。要注意です。

高尾ではサツマイモが収穫を迎えています。
畑からとったばかりのお芋はうまみを出すために1週間ほど日陰などで乾かした方がいいそうです。熟成ということか。
でも待ち切れずに速攻てんぷら。焼き芋もおいしいけれど、てんぷらが一番。
鹿児島の郷土料理には「がね」といってサツマイモを細く切ってかき揚げにするのがあります。

各種みかんももうそろそろです。島の人はお歳暮のお返しにしたりします。
気温が下がってきて、イセエビを送ったりするのも盛んになってきました。イセエビは鮮度を保つため箱詰めして生きたまま送るのですが、夏の頃は気温が高いので死んで腐ってしまい、かといって冷蔵で送っても死んでしまうのです。これからお正月にかけてがシーズンです。

馬たちは秋恒例のひっ付く草の実をたてがみいっぱいにひっ付けています。
まだ赤ちゃんの毛が残るロコちゃんには全身にくっつきます。それをとりつつなでなでしていると気持ちよさそうにじーっとしており、離れると私の後をくっついてきてくれます。
かわいいけれど、こうゆう時期はすぐ過ぎてしまうもの。ひなぴなんかはもうお姉さんで、しつこく甘えてくることは前より少なくなりました。
1ヶ月どさんこを見慣れてきたせいか、トカラ馬は小さいなとあらためて思っています。
ポニーなので、当たり前なのですが、小さな蹄、お顔とまじまじ。
・・・と言っている私も身長150センチ。
いいコンビネーションだわあ~と思うのです。

10月は島で秋の運動会・校区文化祭、そして11月はじめにトカラ列島マラソンとイベントがたくさんあったみたいです。
それと、いよいよ来年の日蝕のツアーの募集が始まったようですよ。
十島村と近畿日本ツーリストが提携して各島に来るお客さんを合わせて1500人ほど公募します。
募集は3回に分けて行うそうで、事前の調査では2万人ほどが希望しているそう・・・。ホントか?
費用は一人35万円くらいだそうで、期間中は他の人や船舶の入港を条例で禁止することも検討しているそうです。

でもさ、日蝕の1ヶ月くらい前から前のりする人だって出てくるだろうし、キャンプ禁止なんて徹底できるのかな。
漁船で来る人だっていそう。
絶海の孤島ということと、危険な海域にあるのだということも合わせて知らせていく必要もあるのではないでしょうか。

ナチュラルホースマンシップ

2008-11-16 19:57:17 | Weblog
ナチュラルホースマンシップ

調教の方法は数多くあります。それこそ昔からある縛って叩いて馬の抵抗する力を総てそぎ落とすやり方から、逆にコミュニケーションをもとに馬の自発的行動を促して
人間との関係を結ばせるやり方もあります。
後者をナチュラルホースマンシップと呼びます。
“馬の言葉”つまり鍵となる馬の仕草を駆使し、こちら(人間)の言おうとしていることを馬に伝えることができるのです。
馬は人間が求めていることを理解したうえで行動するので、恐怖やプレッシャーによる受動的な服従ではなく能動的にコミュニケーションとして行動してくれるというのです。
馬にプレッシャーを与えないで行うトレーニング方法は従来のやり方を踏襲してきた人にはなかなか受け入れられないものだそうです。
しかし今、ナチュラルホースマンシップのプロたちがそのやり方を体系付けはじめており、我々も学べるところまでになりつつあります。非常に楽しみなことです。

恐怖を伴わないこの調教法は馬にとってだけではなく人間にとってもメリットがあります。
特別な施設(馬場や厩舎など)を必ずしも必要としないということや、大きな動物にプレッシャーを与えるという精神的・肉体的労力が要らないのです。
コミュニケーション方法をマスターしてしまえば、ほんの少しの時間で馴致が可能ということです。ただ、その域に到達するまでには繊細な注意力が必要でしょう。

馬は受動的な動物といわれます。確かに草食動物である本来の生態からは身を守るすべとして敏感な感覚を備え、常に安全を求めています。
しかし一方で人間とのコミュニケーションを能動的に構築しようとする能力も持ち合わせています。それを発揮しているとき、馬は活き活きとして見えます。
それを調教のはじめから体感できるのがこのナチュラルホースマンシップだと思うのです。
プレッシャーとリリースのやり方も有効的ですが、人間と馬との折り合いをつけることが必要です。

私がこれから使おうとする馬たちは、人間と関わらなければ自由に放牧場で草を食んでいればいいという子たちです。
わざわざその自由を奪ってまで人間と関わらせることに対しての理由(メリット)をいくつでも挙げることはできますが、問題はその方法です。

馴致調教は「従ってもらう」というゴールは同じです、しかしどのような気持ちで従ってくれるのか、そしてそれは確かなものなのかということが一番のポイントです。

木曽馬

2008-11-16 19:56:28 | Weblog
北海道だけでは飽き足らず?いえいえ、せっかくということで、日本在来馬の一種・木曽馬を多く飼育していらっしゃる牧場にお邪魔しました。
河口湖の近くにあり、この時期は紅葉狩りを楽しむ観光のお客さんが大変多い場所です。
トレッキングが主なメニューで、方々のマスコミに取り上げられているため有名です。私がいたときもTVの映像を覚えていて訪ねてこられたご家族がいました。
牧場長さんは優秀な血統(従順・体格)を求めて様々な馬種を木曽馬と掛け合わせる試みをしていらっしゃいます。
どの子も立派で、どんなお客さんにでも対応できるように調教されます。

また、在来馬の利用のもう一段階上を実践されており、つまり「馬の世界」でも認められるという調教をしていらっしゃいます。
在来馬の有用性が昨今強調されるようになっています。それは保護・保存とともに活用まで視野に入れた提言です。
しかし、「馬の世界」から見れば在来馬はまだまだ「馬」ではありません。
競技の基準が総て洋種馬が基準になっており、在来馬には当てはまりにくいのです。

この木曽馬牧場のご主人はそうゆうことをわかった上で、それでも「馬の世界」の人たちもこれならと思わせるような在来馬種のクオリティを追求しているわけです。

また、在来馬としての固有性を表すためにも日本の伝統文化である“流鏑馬”にもとりくんでいます。
和装で和鞍です。

ここでは小型馬であるトカラ馬の利用に必要な馬具(鞍)のご指導をいただきました。
小さい馬は大きな馬よりも乗り手の体重の負荷に弱いため、より気を使った馬具が求められます。
それはウエスタンやブリティッシュなどの馬具は欧米人の体型をもとに作られているため、日本人の体型では馬体に負荷のかかる乗り方になってしまいがちだということ。
ポニー用のフラットなウエスタン鞍を求めるか、一番いいのは和鞍なのかもという話になりました。

和鞍でトレッキングもさせていただきました。
面白い試みですが、やはり乗り方にコツがいり万民に提供できるというものではありませんでした。

和鞍やおもがいは、あれば大変興味を引くものですので、将来馬の気持ちがわかるようになってから試してみる価値はあると思っています。

神田日勝美術館

2008-11-15 20:47:59 | Weblog
十勝の鹿追という地域で農業をなりわいに絵を描き続けた「神田日勝」という画家がいます。
彼の絶筆は「馬」の絵です。描きかけのその馬の様子が大変印象的で、美術館のシンボルにもなっています。
第2次世界大戦の空襲で東京に暮らしていた一家は北海道に疎開し、若かった日勝はそのまま農民として開拓に従事するのですが、美大に行った兄の指導のもと絵を描き続け、馬の絵で美術展に入賞するまでになります。
その後作品にはいくつか馬が登場します。
絵画で馬はよく雄雄しい姿や麗しい様子で描かれがちなモチーフですが、彼の馬はきつい農作業で疲れてそれでも淡々と主人につくす
感じが伝わる、素朴さとともに馬のやさしさが表現されているようです。

おびひろ

2008-11-15 20:46:58 | Weblog
十勝最大の都市は帯広です。
何か有名なところ・・・といわれると旭川の動物園や札幌の時計台などというメジャーなものはあまり思いつかないです。
あの有名なキャラメルを作っている花畑牧場は帯広市の近くにあるのですが、あまり地元では評判は良くないらしく・・・。
「六花亭」も道内では有名どころです。
十勝の豆(あずきなど)や砂糖(ビート)を使ってリーズナブルでおいしい、お菓子やさんです。
でもまあひとまず、豚丼なんてどうでしょう。

競走馬

2008-11-15 20:45:55 | Weblog
競走馬のセリの様子です。
さすが日本の馬産地、日高。
高級な軽種馬がごろごろセリにかけられ、落札されてゆきます。
でも最近はやはり不景気の影響か、かつての華やかさは影を潜めているそうで、値段も高くつかないとか。
・・・それでもウン百万のコールが乱れ飛ぶわけですから、やっぱりあるところにはあるというか。
しばしセレブ(?)の空気を吸って、で、はいてきました。

北大農場

2008-11-15 20:44:35 | Weblog
10月の中ごろ、研修中の牧場を一時離れて、日高地方の静内にある北海道大学の付属農場に5日間ほど行ってきました。
牧場長である教授のはからいで、調教されていない新馬を扱わせてもらえることになったのです。
ここは牛や競走馬の他にドサンコ(北海道和種)が80頭ほど飼育されています。
全部一つの牧地内で放牧されていますが、総ての成牡が去勢されており、種牡は他所から毎年ちがう子を1頭借りてくるので、生産される子の血が濃くなるようなことはまったくないようでした。
生産された子はセリにかけるなどして毎年何頭か買われていくそうです。
私はここで2歳のドサンコの女の子2頭を調教させてもらいました。賞味3日間の内容でしたのでたいしたことはできなかったのですが、いい勉強になりました。それは預かった2頭が同じプログラムでまったくちがう仕上がりになったからです。
1頭は大変従順で次のステップにすぐいけそうなほどでしたが、もう1頭はプレッシャーにびくびくして私のスキンシップにも応じようとしなかったのです。

最終日群れに返したときには本当に感謝の気持ちでした。私のためにありがとうね。

ばんえい競馬

2008-11-15 20:43:26 | Weblog
ばんえい競馬、ご存知ですか?帯広市にある競馬場で行われています。
蝦夷地開拓時代に活躍した農耕馬をモチーフにした競馬で、サラブレットよりずっと体格のいい重種馬が重いソリを引いて速さを競います。
経営難で廃止の動きもあったのですが、一つしかない固有の文化で残していこうという運動が起こり地域密着型でやっているみたいです。
新しいお客さんを取り込んでいこうとしていて、施設は初心者にも入りやすく丁寧な解説パンフレットやミニチュアホースなどもいて楽しめました。

賭け事をしに会場に行ったわけじゃないんです。施設の隣に「馬の資料館」という小さな博物館があり、調べ物で行ったついでに競馬場にも入ってみたわけです。
馬券は買わなかったのですが、レースはなんだか楽しかったです。どちらかというとほのぼのした感じで。
越えなければならない山がコース上に2箇所あり、ここが見せ所。
スタートはじめはのろのろ、活気のない感じだったのですが山越えはさすがに迫力で、がんばれと応援したくなる気持ちわかります。
それと、レースはとってもゆっくり行われるので、応援する馬の脇を歩きながら観戦できるという楽しみもあるみたいです。

夏の時期はナイターがあり、仕事帰りに行く人も珍しくないみたいです。
ピカピカイルミネーションが光ってました。

競馬場の施設にはケーブルテレビのスタジオも見学できるようになっており、全レースが放送されているみたいです。

馬横断あり

2008-11-15 20:42:07 | Weblog
北海道は広大な自然を利用して、「外乗」と呼ばれるトレッキングが盛んです。
時には1日中乗れてしまうほどコースが多彩なところもあります。
20キロ、60キロなどと馬で走破するエンデュランスという長距離の大会も開催されています。

日高地方などは右を向いても左を向いても競走馬の牧場だらけ。
日本の馬王国といったところでしょうか。

実は鹿児島も競走馬の生産調教には優れた土地で、特に大隈半島に牧場があるのですが、最近はずいぶん馬の数が減っているそうです。
以前は寒い冬鹿児島に持って来て夏になると北海道にという馬主さんが多かったそうなのですが。

こんな道路標識があるほっきゃーどーにはとてもとてもかないませんわ。