トカラ列島トカラうま!

鹿児島県のトカラ列島にある中之島に県の天然記念物「トカラ馬」が飼育されています。馬好き島民による現状レポートです。

あさつゆ

2008-07-22 11:52:45 | Weblog
雲のない朝は放射冷却できりっと冷えた空気です。笹についた朝露が朝日に照らされて、きらきら輝いています。
昨日の晩は牧場で子牛を離された母牛が3頭、ずっと鳴いていました。
母親を恋しがる子牛の声も遠く牛小屋から聞こえてきます。
おっぱいが張るのでしょう、母の悲しみが伝わってきます。乳離れさせられた子牛たちは小屋で飼われ、濃厚飼料をもらってきたるセリまでに育てられます。
実は母牛たちは手放され、鹿児島に上げるということになっています。彼女たちの行く末を考えると胸が痛くなりました。でも、人間はそうやって生きている、生きさせてもらっているのだということを肝に銘じる機会になりました。

馬牧場の母子はのんびりです。彼女たちの方は「生きていること」自体に価値を置かれているので。
ロコちゃんが母ローズのボロ(糞)を口に運んでいました。母親の体内にある微生物を受け継ぐために有益なことなのです。
でもその食べ方はちょびっとくわえてぼろっと落とすといった感じで、むしゃむしゃといった様子ではありません。
これも生命の営みのひとつですね。
ようやっとロコちゃんは周囲に余裕らしきものが出てきたようで、父親ブラックにグルーミングしてもらったりお姉さんとかけっこしたり、私にもさわらせてくれるようになりました。
ちゃんと調教する段取りのできている子馬は、まずは生まれたばかりのころ人間が全身をくまなくさわりたおすという訓練をうけるそうです。
頭から足先からおなかから総て撫で回すことにより、次のステップに進むことが容易になるそうです。
ここの子達の場合生まれたばかりの頃はどの子も警戒心が強くできませんでしたが、ひなも坊もチャコちゃんもいまではべたべた触っていますので、ロコちゃんも大丈夫でしょう。触ってやるのは馬の周りをぶんぶん飛んでいる血吸いハエを追い払うことにもなりおおむね馬たちには好評です。

久しぶりに「与那国馬ふれあい広場」のブログをのぞいてみました。
地元の人たち・子供たちの乗馬会や浜遊びの風景が書かれていて、うらやましい限りでした。
きれいな写真付きだし。
同じ離島ですが、中之島と比べれば島民や観光客の数は桁違いで、関わるスタッフもどんどん新しいメンバーが増えているようでした。
画面から感じられる活気に憧れるだけでなく、私もがんばらなくてはと思いました。