トカラ列島トカラうま!

鹿児島県のトカラ列島にある中之島に県の天然記念物「トカラ馬」が飼育されています。馬好き島民による現状レポートです。

心一新

2007-12-18 23:48:51 | Weblog
今日の便で宮崎の師匠と秘書(うそうそ、大先生)が島に来てくれました!
こうやって島まで馬を見に来てくれるなんて、なんて情熱といいフットワーク。それだけでも感動モノなのですが、有難いことは私の足りないところをわかりやすく教えていただいたことです。あと、会話でボケたら最後は必ず落として終われということもきつく言われました。そっちの方がムズカシー。
師匠はここのトカラ馬を数日で(数日もかからないと本人は言うかもしれませんが)乗れる馬にしてしまう人です。
それは試行錯誤独学で学んできた技術と精神があるからなのですが、最近になって日本の馬調教師の最高レベルの方とめぐり合ったことで、今まで培ってきた調教時の馬の行動やしぐさの一つ一つの理由が明確にわかるようになったそうです。同時に「馬の言葉(実際の発音ではなく、こちらの意思を伝えることができる暗号)」を覚え、
それを自分なりのやり方で広げることに今取り組んでいるそうです。
私はただぼんやりとして見える馬も、「ほら、この子は今考えているでしょ」と言います。
今すぐにはわからないけれど、馬との経験を積むにつれてわかってくるそうです。
例えばある指令を発して馬が反応しない時、怒ったりオーバーアクションで再度命令しないそうです。
〝馬はいま考えている〟ということだから。だからこちらを無視しているのか、それともこの人の要求はなんだろうかと考えているのかを見極める目を培うことが重要ということです。馬の気持ちになって。馬をよく見て。

ここの馬の全体的な栄養状況は他の環境の馬と比べると悪くは無いそうです。マリーも疾患があることは認められるが、やせ方に関して言えば範囲内だとのこと。私としては急なやせ方をしたところを見ていたので、まだそこは心配な部分なのですが。牧場の草に関してはなるべく栄養価の高い草丈の短い(若い)うちに馬が食べられる状況を作ることができればいいというくらいで、輪作放牧(一定期間馬が入らない区画を作って草を生やし、草が無くなれば馬を移動させてやる)を今すぐに考える必要があるというレベルではないそうです。それはリュウキュウチクが栄養源として大きな役割を担っているということもあります(リュウキュウチクに関してはこちらが思うよりずっと驚きの目で見ていました)。
ただ、柵の劣化は大変問題とのこと。そして血統管理。オス馬の島⇔鹿児島間のトレードができないのであれば去勢を考えるべきとのことです。

私の望みは一つ、主観的といわれようと独り善がりと思われようと、ここの馬達が“私の目から見て”しあわせそうだと思える状態にしたいということです。
それを実現させるためには今まで持っていた後ろ向きの考えは捨てなくてはいけません。
過去は過去。
去年私の手の中で死んだあの子のことは教訓だけれど、引きずってはいけないということ。
(この言い回しも引きずってるってね、今回だけ許してね)

今まではズルズルズルズル引きずって、いろんなもの引っ掛けて重くて、自分に力が無いもんだから先が見えなくなっていた部分があります。
師匠と先生の来島をきっかけに、自分も変わりたいです。引きずっているもの放せるかな、一度放してみて体力がついたらもう一度しょいなおしてもいいしね。ダメダヨーって声が聞こえるけど、そのときは背負ってもすたすた歩けるくらいまで脚力あるか、荷台に乗せる知恵がついてるから、きっと。