集成・兵隊芸白兵

 平成21年開設の「兵隊芸白兵」というブログのリニューアル。
 旧ブログ同様、昔の話、兵隊の道の話を続行します!

なんだかんだ言っても、つまりは単純にMAのこと好きなのさ(;^ω^)(その2)

2018-07-11 20:15:52 | 格闘技のお話
 はい、前回の続きですm(__)m。

 前回はMA技を形成するファクターについてお話ししました。めっちゃ簡単にまとめると「MAの技というのは短時間に習得できる容易なものである。ただし基本的に単純な技なので、技の威力自体は、鍛え上げたフィジカルに依る」ということでした。
 今回はMA技の具体的な姿についてお話しします。

 各国軍はMAの具体的手法をたいてい、門外不出としています。
 これはなぜかと言いますと…いきなりネタバラシをしちゃいますが、理由は、↓です。
「基本的に単純な技が多いので、手の内がバレると簡単にブロックされちゃう。」
本当に、そんなもんなのです(-_-;)。

 前回お話ししました「MA技能の満たすべき要件」をクリアするための技の姿というのは、大きく分けて2つ。
 ひとつは「運動エネルギーをそのまま相手にぶつける技」。いまひとつは「ビックリ技」。もう本当に、これしかない!というくらいです。
 「運動エネルギーをぶつける技」「ビックリ技」、いずれも「なんのこっちゃ?」と思われることでしょう。これについて説明いたします。

 まず「運動エネルギーをそのまま相手にぶつける技」についてお話しします。
 皆さんは、物理の時間あたりで、「K=1/2MV二乗」(Vの二乗の箇所、小さな2をタイピングできませんでした。ゴメンナサイ)という運動エネルギーの公式を習ったことがあると思います。
 ナポレオンは、Kを「戦闘力」、Mを「兵力数」、Vを「部隊の移動速度」としてこれを重視、Kのパワーを縦列で、敵の一番弱いところにぶつけるという革新的な戦術を編み出し、次々に勝利を収めました。今ではこの運動エネルギーの法則、戦術学の初歩として、普通に学ばれています。
 また、戦術学における戦闘エネルギーの4形態「集・散・動・静」のうち、戦闘エネルギーが強化されるのは「集」「動」のときであり、「散」「静」のときは弱まる、という当たり前すぎる事項を知っておくのも、「運動エネルギー技」を理解するうえで重要なファクターとなります。

 軍隊はほとんど部隊で活動します。したがって、個人レベルで格闘技が強いとか弱いとかいうことは、一般部隊だけに限って言えば、はっきり言って大した問題ではありません。
 部隊が戦術的勝利を得るために必要なのは、相手の一番脆弱な箇所に、自部隊の持つ「K=1/2MV二乗」のパワーを、ロスなくぶっつけること。一番ダメなのは、「V」(部隊移動速度)が0になること。つまり部隊の行き足が止まってしまうことです。いくらM(兵力)が多くても、Vが0なら、全てが文字通りゼロになります。
 MAはあくまでも、部隊行動の中の、いくつかあるファクターのひとつであり、決してメインではない。ですから、立ち止まった状態でないと繰り出せない技というのは、部隊活動の足を引っ張る存在としかなりません。
 ですから、「運動エネルギーをそのまま相手にぶつけるMA技」というのは、MAがMAである以上、最も優先すべき技術骨子なのです。
 以前お話しした「ケンカで使える技は、自分の持つエネルギーを相手にロスなく、効率よく伝えることができる技」みたいな話をしましたが、その原則はここでも生きています。
 で、「運動エネルギーをそのまま相手にぶつけるMA技って、具体的に何だ?」といえば…はっきり言います。移動のパワーをそのまま使った、単なる突き押しや、相撲でいうカチあげに近いような腕刀打ちに近い、その程度のものです。
 「なんだそんなもん」と思うかも知れませんが、運動エネルギーの法則を、部隊の勢いに乗せて食らわせると、驚くほどの威力を発揮するのです。これはもう、道場拳法しか知らない人が見たら、かなりのオドロキを感じること請け合い!と言っておきます。

 次に「ビックリ技」について。
 原則、一般部隊で必要なのは「運動エネルギーを殺さないMA」ですが、そうでない任務(敵の生け捕り、敵歩哨の無音殺害など)も当然、多数存在します…その場面で使えるワザ、それが「ビックリ技」です。
 各論を話せば長くなるので省略しますが、この「MAビックリ技」はおおむね、「手の内を見せない」「相手に技の起こりを見せない」という、たった二つの機序から成り立つものがほとんどです。ですから、タネがバレれば「なんだ、そんなもんか」というワザがほとんどであり、バレたが最後、その技の効果はほぼゼロに落ちます。
 しかし、その技を知らない相手、技の起こりが見えてない相手にとってはまさしくサプライズ!であり、なすすべなく簡単にかかるのです。これは本当!です。
 以前弊ブログで、ワタクシの格闘技の師匠の金言として「技はですね~、知らんかったら、簡単にかかるんですよ~。だから、窮めなくてもいいんで、知っておくだけで違うんですよ~」というのを紹介したことがありましたが…「MAビックリ技」がかかる機序は、まさに師匠の金言通りなのです。

 え、「じゃあ、具体的なビックリ技って何?」ですって…?これはですねえ…ちょっとワタクシの口からは…っていうか、ワタクシはただの会社員ですしねえ(;'∀')。よく知らないッスよ(;^ω^)。本当ッスよ(;^ω^)。

 最後にMAについて総括いたしますと…前回、決して「ナゾの集団がやっているナゾの技」ではないのですが、やはり、特殊なシチュエーションで、特殊な人々がやっているものですから、単なる一般人が本などを頼りにマネしたところで、おそらく大した成果は上がらないでしょう。

 ただ、MAは軍隊にとって本当に重要なものであり、特に我が国を守る自衛隊に於いて、その健全な発展と適正な使用を希うものでございます。おわり。
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5 コメント

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う~ん ((゜ー゜))
2018-07-11 21:32:19
誤解を怖れず言えば、MAというのは、単純な突き、蹴り(武器や道具が使えるなら使う)の集合体であり、それを如何に相手に気付かれず(不意打ち、背後から攻撃)効率良く、勢いよくぶつけるか?が、大切なのでありその為には、偽装技術、ストーキング技術も不可欠であり・・・・・と、まあ任務達成のための技術の一部なんですよね・・・・・。(^_^;)
Unknown (老骨武道オヤジ)
2018-07-11 23:54:36
あ、そうなんや!かな・・武道、格闘技の矛盾は見てくれは単純な技なのに「あいつの技は防げても、ヤツの技は何故防げないのかな!?」にあり、勝負の行方はその技の練度に帰すること大というところが凡人努力家の限界というところか・・よって「奇襲戦法」の技を2~3種類用意し、「こりゃ勝てる相手じゃねえや!」と察した相手に一か八かの逆転狙戦法を仕掛けるのです。・・これが実に面白く、これこそがいかがわしい「インスタント最強格闘技」本の元となるのです。・・いやあ・・罪造りな本ですな・・モノ書きはたいしたもんだわ・・チャンチャン!!
ありがとうございます!あ (周防平民珍山)
2018-07-12 16:17:12
 (゜ー゜)さま、老骨武道オヤジさま、いつもありがとうございます!原稿を書き込んでからのレスポンスがめっちゃ早く、ワタクシもいろいろと「きちんとしたものを書かないと…」という責務を感じております。

 MAは軍隊が軍事に供与している間は、(゜ー゜)さまがおっしゃるとおり、軍事ミッションを遂行するいち手段なのですが、民間でお客を集めてお代を集めようとすると…どうしても、老骨武道オヤジさまが言われる通り、ビックリ技を中心とした、インスタント格闘技の部分を誇張せざるを得ず…いやはや、世の中とは難しく、そして面白いものです(;^ω^)。
Unknown (四十路メタラー)
2018-07-12 18:29:30
筆が遅く、コメントが遅れましたm(_ _)m
マーシャルアーツ(ベニー・ユキーデにあらず^^;)、格闘技をかじり尚且つ『実戦』を視野に入れている者としては気になる存在です。
昔読んだ『その手の本』は組み技が多く、組み技未経験の私には別世界の技術体系でした。
まずは今現在やっている格闘技(当時は空手)を粛々とやるしかない、と思いました。f^_^;

前編の(゜ー゜)様宛てのコメントにありました、珍山様の大先輩と思われる方が今年の春ごろにテレビのバラエティ番組に出演し、タレントふたりに護身術を指導していらっしゃいまして、思わず身を乗り出して観てしまいました!
ありがとうございます! (周防平民珍山)
2018-07-13 12:43:09
 四十路メタラー様、ありがとうございます!

 …四十路メタラー様の投稿を見て、ちょっと気になったので「ようつべ」を見てみますと…ありました…「世界まる見え」…しかもインストラクターは、まさしく、まごう方無き、ワタクシが唯一、わが社の中で徒手で勝てなかったセンパイでした…(´;ω;`)…現役時代の先輩はめっちゃ口数が少なく、冗談もほとんど言わない人でしたが…小峠相手にギャグが言えるようになって…(´;ω;`)…カンガイブカイですね。

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