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 自民党政権が、(事実上)日本の原子炉を巨大事故を起こすまで延命させると表明

2021年07月16日 | 未分類
 原発運転、60年超検討 法定期間、新増設困難で延命 東京新聞2021年7月16日
  https://www.chunichi.co.jp/article/291849

  政府が、原発の運転に関する「原則四十年間、最長六十年間」の法定期間の延長を検討していることが分かった。自民党や経済界の一部が求める新増設やリプレース(建て替え)は、世論の強い反発が予想されるため見送り、既存原発の長期的な活用を模索する。来年にも原子炉等規制法改正案をまとめる方向で調整する。ただ老朽化により安全性への懸念が強まることは避けられない。地元住民や自治体の反発も予想される。

 今後の議論では、六十年を超える運転を認める際の点検、審査方法も併せて検討する。最長で八十年間の運転を認める米国など海外の事例も参考にする。
 原発運転の法定期間は、東京電力福島第一原発事故後に導入された。今年六月には、運転開始から四十四年を超える関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)が現行ルール下で初めて再稼働しており、原則とされた「四十年間」は既に「骨抜き規制」との指摘もある。

 政府関係者によると、法改正では「原則四十年間」の運転期間を長期化したり、その後の審査を経て認められる「最長二十年間」の延長を複数回可能にしたりする案がある。
 国内の原発は既存の三十三基に加えて三基が建設中。現行ルールでは五〇年に残...
(残りは中日新聞をとってないと見せないようだ)
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 引用以上

 1960年代、第一世代原子炉の設計寿命は25年と想定されていたが、すぐに30年に書き換えられた。原子力産業側は、法定寿命を設けないことに固執したが、フクイチ事故を受けて2012年、40年寿命が合意された。
 https://www.nikkei.com/article/DGXDZO37869130Z00C12A1TJM000/

 当初、原子力村は」原発破局事故は1000万年に一度しか起きない」と保育園児にも笑われる大ボラを吹いていた。
 しかし、1979年スリーマイル・1986年チェルノブイリ・2011年フクイチと、わずか30年に3回(6基)も破局事故が起きるようになったのを目の当たりにして、原発の事故始末費用、事故を起こさなくとも廃炉費用が青天井の超巨額になることを思い知らされ、「これでは元が取れない」と、次々に「行き着くところまで行く=事故を起こすまで運転する」と、勝手に耐用年数を延長しはじめた。
 
「40年ルール」なし崩し 再稼働へ突き進む関西電力の老朽原発 福井県知事が同意へ 2021年4月26日
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/100540

 だが、160気圧という超高圧で運転される加圧水型原子炉は、くり返し応力破壊や中性子脆性劣化などの長期破壊要因が深刻で、40年耐用年数でさえ、疑問の声が多く出ている。
 中性子が圧力容器の鋼鉄に吸収されると、コバルト60など他の核種に変わってしまい、まるでスポンジのようになって強度が落ち、熱衝撃が加わったときガラスのような脆性破壊が起きるようになる。

 例えば、核燃料が制御不能になって、制御棒も入らなくなると、最後はECCS=緊急炉心冷却装置によってホウ素の入った水を原子炉に投入するシステムなのだが、このときの冷却水熱衝撃によって、熱せられたガラスに水を浴びせたときのように亀裂破壊が起きる。
 炉心の圧力が160気圧あれば、小さなクラックといえども連鎖的に拡大して巨大爆発を起こす可能性がある。関西電力の原子炉は、大半が、この危険な加圧水型なのだ。
 https://cnic.jp/39415

 グリーンピースは以下のように述べている。なお、評価している人たちはシロウトではない。ほとんどが核開発に携わってきた専門家ばかりだ。

 20年延長?原発はそんなにもたない グリーンピース・ジャパン 2016-06-17
 https://www.greenpeace.org/japan/sustainable/story/2016/06/17/4810/

原子力規制委員会は、20日(月)、関西電力高浜原発1,2号機(福井県)に、延長運転認可を判断すると報道されています。(「原子力規制を監視する会」主催のアピール行動が予定されています)

20年延長?それはバッドアイデアです。高浜原発1,2号機は、運転開始から40年を超えた老朽原発。

 老朽原発でもあった東電福島原発の事故の反省から生まれた「原発は40年で廃炉」という40年ルール。このルールには、原子力規制委員会が認めれば、1回に限り20年の運転延長ができるという例外規定があります。
けれど、世界で閉鎖された原発の平均寿命は24.7年。今ある最も古い原発は47歳。
 40歳を超えている高浜原発1,2号機の20年運転延長はバッドアイデアです。

 20年延長しても、途中で閉鎖されるアメリカの老朽原発

 アメリカでは、20年の延長を許可された原発が、20年ももたずに次々に閉鎖しています。以下、2013年から2019年の間に閉鎖された・される予定のアメリカの原発の運転期間と閉鎖年を挙げますと…

クリスタル・リバー原発3号機 37年(2013年)
サン・オノフレ原発2、3号機 それぞれ29年、30年(2013年)
キウォーニィ原発 40年(2013年)
バーモント・ヤンキー原発 42年(2014年)
フォートカルフーン原発 43年(2016年)
フィッツ・パトリック原発  43年(2017年)
オイスタークリーク原発 50年(2019年)
ピルグリム原発 47年(2019年)

 1960年代の古い設計の原発は、リノベーションにも限界があります。
多くの電力会社が、巨額を投資して改修し、使い続けることよりも、閉鎖することを経営判断しました。
 オイスタークリーク原発では、とりかえのきかない原子炉圧力容器に問題が起こり、10年の期限を残して2019年の閉鎖が決まっています。

 圧力容器にヒビが… ヨーロッパの老朽原発

 ヨーロッパでも、原発の老朽化が進んでいます。
スイスには、現存する世界最古の原発であるベツナウ原発があり、今年で運転開始47年。現在は、原子炉圧力容器にヒビが入り、運転停止中です。
 ベルギーのドール原発3号機では、やはり原子炉圧力容器に1万本以上のヒビ。
 また、同じくベルギーのティアンジュ原発の原子炉圧力容器もヒビが見つかっています。
 上記2機の原子炉圧力容器のヒビは最大で18センチだそうです。

 原子炉は放射能でいっぱい。だから、圧力容器でしっかり守る必要があります。もちろん、圧力容器自体が壊れれば重大事故になります。

 あなたの”顔”を届けます【高浜原発訴訟 応援! フェイスプロジェクト】

 原子力規制庁に聞きました。老朽原発の審査、どうなっているの?編 その1

 原子力“規制”委員会というより原子力ムラ“応援団” 傍聴してきました: 高浜原発1,2号機 議論ナシで再稼働へのステップ許可
 高浜原発1,2号機、引退を求めて。原告として提訴してきました
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 引用以上

 結局、原子力発電は、核兵器開発を正当化するための副産物であって、最初から寿命やコストなど視野に入っていない。
 日本でも、正力松太郎によって最初に導入された東海原発は、黒鉛冷却炉で、これは発電ではなくプルトニウム239抽出を前提にした設計だった。
 黒鉛炉は耐震性が弱く、日本最大の地震地帯である茨城県に設置してはならないものだったが、正力・岸信介・中曽根康弘ら日本の核武装を推進した自民党グループは、平和利用を口実に、プルトニウムを蓄積しながら核技術者を育て、核兵器開発を計画していたのだ。

 フクイチで事故を起こした原子炉でも、4号機については、兵器用高純度プルトニウムの抽出を目的としていた疑いがあると、槌田敦教授が指摘している。
 http://www.asyura2.com/14/genpatu40/msg/681.html

 福島で、凄まじい壊滅的な原発事故を引き起こしながら、事故処理費用を血税に押しつけ「原発の運転コストは安い」と真っ赤すぎる嘘を言い続けて、原発をやめようとしない自民党政権は、結局、原発発電など問題にしておらず、核兵器開発だけを見ていることが明らかだ。
 それを分かっていて指摘しないメディアも同罪だが、日本の右より勢力が、どれほど核兵器を熱望しているかが分かる。

 原発廃炉費用が最初の見通しに比べて、超巨額に膨張していることは、世界中の原発経営を圧迫していて、世界の原子力産業は、日本と同じように、原発寿命を延伸させようと躍起になっている。

 フランス、原発の耐用年数を40年から50年に延長へ 2021年2月25日
 https://www.afpbb.com/articles/-/3333667

 これらは、「安全が確認されたから寿命を延伸した」のでは決してない。原発を廃炉にしようとしても、その費用を賄える見込みがないため、事故が起きるまで突っ走ると決断したのだ。これが資本主義の原理なのだ。

 世界の原発寿命の事情は、以下のように説明されている。
ATOMICA というのは日本の原子力産業によって編集された原発百科事典

  主要国の原子力発電所の耐用年数 (02-02-03-13)
  https://atomica.jaea.go.jp/data/detail/dat_detail_02-02-03-13.html

 【運転中の原子炉の設計寿命は30年とされている。 第1世代の初期のプラントは1年間の認可であり、規制要求による年度報告書の提出により毎年更新される。
ただし、安全性向上策を施し、安全評価を行うことにより、3〜10年に運転期間更新も可能である。 また、第2世代の発電所は3〜10年毎に運転認可更新される。】

 1.日本(PWR,BWR)
 日本における発電設備の耐用年数の概念は、省令に基づく「法人税法における減価償却の計算における固定資産耐用年数」があるが、あくまで税法上の機械装置類の耐用年数であり、発電所の耐用年数を規定する法的な寿命制限はない。
 日本では、表1に示すように原子力、水力、火力発電所ともに電気事業法に基づく定期検査や定期安全検査等に合格し、それを繰返すことにより、半永久的に運転を継続することができる。
 原子力発電所では電気事業法施工規則第91条で最長13ケ月に1回の定期検査が義務付けれらており、これに合格することにより次回の定期検査までの運転が認可されることになる。

 なお、高経年化した原子力発電所の健全性評価と高経年化対策については、通産省(現、経済産業省)が1996年に報告書をとりまとめており、技術評価の結果では定期安全レビュー等の充実化によって(図1参照)、安全に運転を継続できることを確認している。さらに、2003年10月の制度改正に伴い、運転開始後30年を経過する原子力発電所は運転年数が長期間経過していることから、設備の経年劣化に関する技術的な評価、保全計画等を策定して、10年を超えない期間ごとに再評価を行うことが法令上義務付けられている。

 2003年10月から施行された健全性評価制度(維持基準)は、原子力発電設備にき裂(ひび割れ)が生じた場合、設備の健全性を評価するための手法をルールとして明確化した(図2)。

2.ベルギー(PWR)
 法的な寿命制限はない。10年毎の定期安全レビュー(PSR)では、プラントが運転認可発給時と同じく安全で有り続けることを保証し、その後10年間の安全性を保証するために、プラント設備の将来の潜在的劣化(経年劣化、摩耗、割れなど)を考慮すること等を目的として行われている。最近、プラント寿命管理のあらゆる安全および経済的側面に焦点を当てたプロジェクトを開始している。

3.カナダ(CANDU)
 法的な寿命制限はない。CANDU(カナダ型重水炉)の運転認可は通常1年の期限付きである。運転認可の更新が規制機関により認められる前に、規制スタッフによる施設の性能に関する包括的な評価と認可更新を肯定する勧告が必要とされる。また、原子力エネルギー管理法および規制には、認可更新や更新期間に関する具体的な規定はないが、ライフサイクル管理戦略の立案を支援するための「発電所寿命計画」を1995年に策定している。

4.チェコ(VVER)
 運転中のVVER(ロシア型PWR)の設計寿命は、30年であるが、40年まで寿命延長する選択肢を維持している。しかし、VVERに対するプラント寿命管理に対する方針は、規制機関および電力会社のいずれにおいてもまだ、完全に確立されていない。ただ、電力会社は原子力発電所が30年の設計寿命を達成することを保証し、さらに寿命を10年間延長できるかを判断するため、設備の現状およびVVER設計を評価する技術監査を実施している。監査の結果と勧告に基づき改修計画が1998年から2005年の間に立案される予定である。

5.ドイツ(PWR,BWR)
 法的な寿命制限はないが、2000年6月、政府と電力会社は、原子力発電所を柔軟性のある長期スケジュールで段階的に閉鎖することで合意している。経年劣化のための特別なプログラムは存在せず、経年劣化管理は、保全、バックフイットおよび品質保証に関係している個々の電力会社の行っている活動の一部である。なお、最新の安全水準に照らして実施されるバックフィットは、定期安全レビュー(PSR)の一環としても行われている。

6.フィンランド(VVER改良型、BWR)
 運転認可は、期限付き(10〜20年)で発給される。運転認可の更新には、経年劣化の評価を含む徹底的な安全性レビューが必要である。また、規制機関は10年毎に定期安全レビュー(PSR)を実施している。規制機関の年間検査プログラムは、ユーティリティの安全上重要な活動に焦点を当てた検査を含み、機器の経年劣化および寿命管理は、この検査の重要な課題の一つである。なお、認可の更新に伴う、設備改修が環境に重大な影響を与える可能性がある場合は、環境影響評価が要求される。

7.ハンガリー(VVER)
 運転中の原子炉はVVER(ロシア型PWR)であるが、法的な寿命制限はなく、運転認可は12年毎に更新できる。設計寿命は30年とされているが、30年以上の運転を目標としている。運転認可の更新の際には、包括的安全レビューが要求される。また、最も重要かつ時間依存の安全因子として、系統および機器の寿命の決定を含んでいる。運転認可更新には、材料データベース構築や経年変化監視のためのエキスパートシステムなどプラント設備に関する多くのステップがある。

8.フランス(PWR)
 法的な寿命制限はない。ただ、1987年からライフタイムプロジェクトを実施しており、これに基づき寿命に影響を及ぼす重要機器の寿命評価を実施するとともに、寿命管理方策を策定済みまたは策定中である。また、10年検査時に、通常保全プログラムでカバーされていない箇所の詳細な検査を実施し、劣化状態を把握するとともに、時間のかかる保全措置を実施して、これらにより、電力会社は少なくとも40年寿命を確保する方針である。

9.韓国(PWR,CANDU)
 運転認可更新および定期安全レビューに関する明示的な規制はなく、現在策定中である。そのため、プラント寿命管理(PLM)研究を実施中であり、フェーズ1では古里1号機の30年設計の根拠の調査により、主要機器の設計寿命は40年であることを確認し、寿命延長が技術的および経済的に可能であると判断した。フェーズ2(1998−2001)ではプラント寿命評価手法の開発と経年劣化管理プログラムの策定を行っている。

10.オランダ(PWR,BWR)
 法的な寿命制限はない。規制機関は10年毎に原子力安全および放射線防護の観点からプラント運転の評価を行い、2年毎に10年毎の評価で言及される領域の安全レベルを確認することで運転認可される。ただ、既設2基の発電所のうちドーデバルト発電所(BWR)は、経済的な理由により1997年に閉鎖され、現在運転中の残りのボルセラ発電所(PWR)も2003年閉鎖の政治的決定がなされている。

11.ロシア(VVER,LWGR)
 運転中の原子炉の設計寿命は30年とされている。第1世代の初期のプラントは1年間の認可であり、規制要求による年度報告書の提出により毎年更新される。ただし、安全性向上策を施し、安全評価を行うことにより、3〜10年に運転期間更新も可能である。また、第2世代の発電所は3〜10年毎に運転認可更新される。なお、30年以上の運転についての規制要求はないが、1971年から1975年の間に建設された第1世代の初期のノボボロネジ3、4号機、コラI−1、I−2号機については、少なくとも40年以上の運転を計画している。

12.スペイン(PWR,BWR)
 法的な寿命制限はない。期限付の運転認可(通常は10年)を更新する方式で運転を継続している。すなわち、10年毎の定期安全レビュー(PSR)において安全評価を行い、それが適切であると規制機関が判断すればプラントの運転認可を更新し、40年まで運転することが可能である。電力会社は40年運転を確保しつつ、50年運転を戦略的目標として設定している。経年劣化・寿命管理をするための指針および方法を電力会社がスペイン電事連を通して共同開発している。

13.スウェーデン(PWR,BWR)
 1980年の議会決議により、2010年までに全原子力発電所を段階的に廃炉することが決定している。このため、バーセベック−1号機は1999年11月末に閉鎖された。また、オスカーシャム1号機などの古いプラントでは近代化プロジェクトとして大規模な設備改造が行なわれている。なお、プラント寿命管理を専ら対象とした国の計画はなく、寿命管理戦略は電力会社個別に策定されている模様である。

14.スイス(PWR,BWR)
 法的な寿命制限はない。運転認可は通常、期限なしで発給される。なお、1991年末に規制機関は原子力発電所の安全に関わるすべての機器および構造物の経年劣化影響に関する体系的レビューの実施を電力会社に要求している。電力会社は共同で規制当局の要求(安全関連機器に対し、適用可能な経年劣化メカニズムが保守および品質保証で考慮されており、何らかの見落としが露見した場合に対応措置が実施されるという保証をえること)を満たすための体系的評価を実施中である。

15.英国(GCR,AGR,PWR)
 法的な寿命制限はない。運転継続は、10年毎の定期安全レビュー(PSR)を行うことにより、認可される。PSRでは、経年劣化に関する作業として、寿命を制限する可能性のある経年劣化事情の確認、次回PSRまでの10年間に対する安全解析再検証などが行われる。なお、BNFLは保有するGCRの運転終了時期を2000年5月に表明した。運転終了時期は、プラントによって異なり、35年〜50年の間となっている。

16.米国(PWR,BWR)
 原子力法により最初の運転認可を40年に制限していたが、その更新を容認する規則を整備した。そのため、多くのプラントが60年運転の更新認可申請の計画を公式に表明している。この運転認可更新のためには、10CFR54(米国連邦規則基準の一つ)に基づき総合プラント評価(IPA)および期間限定経年劣化解析(TLAA)の評価を行うことが必要とされている。また、運転認可更新の基本は、延長された運転期間においても、経年劣化影響の管理により、現行認可ベース(CLB)が維持され、設備が意図した機能が確保されること、となっている。
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 引用以上

日本では2012年の原発寿命40年同意を勝手にホゴにして、自民党や原子力規制委員会(正しくは「原子力村寄生委員会」)が、60年寿命に向けて既成事実をなし崩しにして暴走してきたが、今日の冒頭のニュースは、その60年規制でさえ、撤廃すると言い始めたものだ。

 グリーンピースの引用を待つまでもなく、世界の原発で最古が47年だが、すべて危機的状況だといわれる。なぜ延伸するかといえば、すべて「廃炉費用がないから」なのだ。
 加圧水原発は、160気圧という巨大圧力であり、もしも原子炉内に小さなクラックでも生成されるなら、ほぼ確実に周囲数百キロ圏内を莫大な放射能で汚染し、凄まじい被害が出る。

 高浜・美浜の40年超原子炉でも、おそらく60年は持たないだろう。だが、地元の反原発町長を暗殺しようとしたほどのマフィアである関西電力は、必ず、絶対に取り返しのつかない超巨大事故が起きるまで運転をやめようとはしないだろう。
 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-887.html


 認知症を防ぐために

2021年07月15日 | 未分類
 我々、70才に近い世代、超えた世代は、漏れなくといえるほど、記憶力・判断力の低下に苦しみ、認知症の跫音に怯える毎日だ。
 だから、必死になって、迫り来る認知症と戦う毎日を過ごしている人も多い。

 記憶力の低下でいえば、「即時記憶力」の減退が深刻で、たった今、やろうとしたことを数秒後に忘れてしまう。最近のことが思い出せない。固有名詞が出てこない。「あれ、それ」という指示代名詞ばかりの会話になる。

 これは、新しい記憶が「海馬」という大脳の表皮縁辺系といわれる部分で担われ、記憶が重なるたびに、どんどん脳内深く深く沈んで、他の記憶と連携することで確かなものに変わるという性質によるものだ。
 http://www.scj.go.jp/omoshiro/kioku3/kioku3_1.html

 この海馬は、非常に壊れやすく、老化や事故の衝撃などで壊れて萎縮してしまい、新しい記憶に障害をもたらす。
 私は若い頃にバイクの事故で頭蓋骨折・大脳萎縮になっていて、このせいで若い頃から記憶が苦手だった。だから、中学生のころから目指していた、プロのクラシックギタリストになれなかった。長い楽譜が、どうしても覚えられなかったからだ。
 大脳に損傷を受けた人の多くが、老化すると真っ先に海馬の萎縮が始まるといわれる。

 だから、私は古い記憶は得意で、数十年前の記憶はかなり正確なのだが、何かを買おうと思い立って店に出かけても、何を買うのか忘れてしまうという情けない状態なので、今では、スマホのメモ帳に買う予定のものを書き留めておかないと、まともな購買もできない。

 大脳萎縮=「高次脳機能障害」というレッテルが貼られると、人生は認知症一直線になってしまう。だから、私は必死になって、認知症対策に取り組んできた。
 このブログも、その一環なのだ。
 何をやったかというと、まず若い頃から登山が大好きだったので、とにかく日本中の山を歩いた。1990年には日本百名山をほぼ完登したほどだ。

 しかし、無理な登山が祟って、膝を故障するようになり、痛風と相まって、一時は登山どころか普通の歩行にも支障を来すほどに悪化した。「膝関節症」というやつだ。
 しかし、歩かなければ脳も悪化することが分かっていたので、無理して、痛みが出ない範囲でセーブしながら歩き続け、少しずつ歩行距離を伸ばしていった。
 また脳の循環を良くするため、血液をさらさらにする効果のあるDHAを毎日服用して、すでに10年近い。

 歩くことは、認知症克服の第一歩であることは、このブログで何度も書いてきた。
 https://www.tmghig.jp/research/topics/201412/

 人間、毎日歩いてさえいれば、全身の体液の循環が促進され、脳内の認知症誘発物質の除去に役立つ。歩けば、疲労し熟睡することができる。深い睡眠によってアミロイドβなどが除去されやすいことが分かっている。
 https://neurotrack.com/jp/resources/why-your-brain-needs-sleep

 しかし、どのように歩けばよいのか? については、なかなか難しい。
 我々の若い頃には、毎日一万歩、歩けといわれていた。
  https://www.gakken.jp/manpo/%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%81%A8%E6%AD%A9%E6%95%B0%E3%81%AE%E9%9D%A2%E7%99%BD%E3%81%84%E9%96%A2%E4%BF%82-2/%E2%91%A0%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%81%AF%E6%AF%8E%E6%97%A5%EF%BC%91%E4%B8%87%E6%AD%A9%E6%AD%A9%E3%81%84%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%80%81%E3%81%9D%E3%81%97%E3%81%A6%E6%AD%A9/

 だが、最近では「1万歩は歩きすぎ」という指摘が多くなってきた。
 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/51423

 1万歩といえば、私の足で、おおむね2時間程度の歩行になるが、これくらい歩くと多少の疲労感がある。これによって免疫が低下するのだという。
 https://style.nikkei.com/article/DGXKZO97666280V20C16A2NZBP01/

 それだけでなく、私のように若い頃歩きすぎて、膝に慢性疾患歴のある人間は、膝関節症の再現を招く可能性が強まる。
 私の場合は、30代、40代は年間50回の山行、一日8~12時間の登山歩行を行っていて、これくらいやると、いくら若くても膝に来る。50才代になると膝関節症を引き起こす可能性が強まる。
 だから、60才代になると、もう2時間の歩行で膝に来ることが多くなった。

 中之条市における長期にわたる研究によって、やはり歩きすぎは逆効果であると指摘されるようになった。
 https://toyokeizai.net/articles/-/100087

 ネットを見渡すと、さまざまな意見があるが、おおむね一日8000歩とか7000歩の薦めが多い。
 https://www.myrepi.com/wellness/fitness/otona-article-160323

 スマホのアプリでは一日7000歩を薦めている。
 https://www.harpersbazaar.com/jp/beauty/diet-fitness/a30712454/how-many-steps-to-lose-weight-190401r-lift1/

 ただし、これには条件がついている。7000歩だと、だいたい1時間半以内の歩行時間だが、うち20分程度は、息が上がる手前くらいの負荷をかけるのが良いようだ。
 私も7000歩目安だが、必ず5~6Kgのザックを背負って、標高差150mを5Km以上歩いている。それ以上歩くと、やはり疲労感を感じることが多い。

 ザックの中身は、セーター・雨具・水・カメラなどありふれたものだが、携帯用ウオッシュレットも入っていて、歩行中催して藪に入ったりしたとき心強い。
 少し荷が重すぎて、空身のとき、逆に歩きにくくなってしまったのが問題だが。
 
 それでも、よほどの土砂降りでないかぎり、年間350日以上は歩いているので、副次的な効果も大きい。元々腎臓機能が落ちていたので、肉や魚を食べられなかったのだが、現在は普通に食べている。
 腎機能が落ちると、尿量が減り、視力がひどく落ちるし、ひどい不眠症になり、頭痛や下痢も起きる。以前は、かなり深刻だったが、毎日の歩行で症状が軽減された。
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_331.html

 以上、認知症の予防には、毎日7000歩、歩くこと、ぐっすり眠ること、全身の血液をさらさらにするDHAやタマネギを摂取すること。
 歩くときは、階段や山道など標高差(100メートルくらいがいい)をつけ、5Kg程度の負荷をザックで背負うこと。
 あとは、全身の体液の循環を良くする入浴、森林浴などが薦められる。

 これも何度も書いたが、人間は立って歩く動物なので、下腿に血液が溜まりやすい。これをふくらはぎの運動で、心臓に送り返すことが体液循環を支えている。
 歩くということは、ふくさはぎの運動を意味していて、人間の健康には欠かせないものだ。
  https://dot.asahi.com/wa/2018072700024.html?page=1

 認知症になる原因は、社会が便利になりすぎたせいである。だから。認知症を防ぐためには、逆に不便を求めなければならない。
 頭が呆けてきたと感じたなら、DHAを服用して、ザックを背負って毎日5Km必死になって歩き続けよう。


 地球温暖化の虚偽 温暖化の本当の原因は原発温排水

2021年07月14日 | 未分類
 6月末から7月はじめ、カナダブリティッシュコロンビア州など、北米大陸西海岸の広い範囲で、ヒートドーム現象により、気温が50度前後を記録し、カナダでは500名以上、アメリカでも数百名の熱死者が出たと報道された。
 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1542.html

 https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/06/475.php

 この報道は、人々に極高温気象の恐怖をもたらし、「二酸化炭素増加が招いた高温化現象」という解説がなされ、「だから二酸化炭素を出さない原発エネルギーが必要」という詭弁が原発推進側によって宣伝されている。

 だが、この二酸化炭素増加、異常高温現象の本当の原因は、CO2抑止を謳われる原子力発電の温排水が海水温を上昇させていることにある。
 今すぐ世界中の原発温排水を停止させ、新自由主義=資本主義競争社会によるエネルギー浪費を抑制させないと、全世界で取り返しのつかない超高温気温が続くことで、本当に、我々の生きているうちの人類滅亡が視野に入ってきている。

 世界最大のウラン鉱所有者であるオクシデンタルペトロリウム社のCEO、アルゴアらによって地球温暖化が叫ばれたのは今世紀初頭であり、CO2増加原因説が提唱され、温室効果ガス(CO2他)排出権取引という科学的根拠不明の奇っ怪な国際合意が成立し、我々への徴税から相当額の支出が行われてきた。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8E%92%E5%87%BA%E6%A8%A9%E5%8F%96%E5%BC%95

 だが、この問題、CO2が、本当に地球温暖化に寄与しているのか? という問いについては、科学的根拠の確認できない一方的な決めつけだけがまかり通り、「だからCO2を出さないクリーンな原発電気が必要」という詭弁が世界を席巻している。
 本当にCO2増加が温暖化の犯人なのか? これに対して、元名城大教授、物理学者の槌田敦氏が、すでに12年前から明確な回答を示している。

 CO2温暖化脅威説は世紀の暴論【槌田敦(名城大学商学部)】2009 年 9 月 27 日
http://www.asyura2.com/09/nature4/msg/209.html

 環境経済・政策学会 和文年報 第4集より CO2温暖化脅威説は世紀の暴論
― 寒冷化と経済行為による森林と農地の喪失こそ大問題 ―槌田敦(名城大学商学部)

 CO2温暖化脅威説は,たとえば南極ボストーク基地における氷床の調査により,大気中のCO2濃度と気温とが過去22万年にわたって関係があることなどを根拠にしている。

 しかし,2つの現象が長期にわたって関係するとき,どちらが原因でどちらが結果なのか,または別に本質的な原因があって,この両者はともにその結果なのか,その考察をすることなく,人々はCO2濃度上昇で気温が上がると信じ,その対策を一大国際政治課題にしてしまった。

 これにより,寒冷化説をとりつづける地道な学者は,研究費が得られず,また研究してもこれを発表する場をレフェリー制度によって奪われ,さらに圧倒的に多い温暖化論者の前に意欲を失い,沈黙を余儀なくさせられたように見える.寒冷化説の指摘した問題点は,現在もなお有効である。

 ここでは,CO2温暖化脅威説やO3ホールのフロン原因説が間違っており,また京都議定書を受けて提案される太陽光や原発などの取組みが無意味であることを示す.さらに,穀物の過剰生産,自由貿易,債務という経済行為を原因とする農地と森林の喪失がこのCO2温暖化説の陰に埋没しているという現実を打破するため,あえて思うままを率直に書くことにした.
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1.気温の変化がCO2濃度の変化に先行する
2.南半球大気中のCO2濃度の季節変化
3.両半球大気中のO2濃度の季節変化
4.海洋での炭素循環
5.気温を決めるのは太陽光と地球の受光能
6.温暖化ガスとしてのCO2の効果
7.地球寒冷化の心配
8.大気汚染による寒冷化と温暖化
9.無意味な温暖化対策
10.原子力発電ではCO2排出量も減らない
11. ナンセンスといえばオゾンホールも
12. 森林と農地の喪失こそ最大の環境問題
13. 債務返還と利子払いが途上国の農地破壊を加速
14. 途上国における森林破壊
15. 環境問題を正しく理解するには、開放系の熱学が必要

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 1.気温の変化がCO2濃度の変化に先行する

 多くの研究者は,大気中のCO2濃度の増大が気温を上昇させるという.しかし,事実は逆である.ハワイのマウナロア観測所でのCO2の長期観測者として知られるC.D.Keelingグループの研究によれば,図1に示すように,気温の上がった半年~1年後にCO2が増えている。

(事実①)
 (アマ註、図表がないので、代わりに気象庁の海水温とCO2の相関関係評価をリンクする) https://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/db/mar_env/knowledge/global_co2_flux/global_co2_flux_map.html

 C.D.Keelingらは,エルニーニョ発生の1年後にCO2が増えたことも発表した[1],[2].赤道付近の海面温度の上昇がCO2濃度の上昇の原因となっているのである。

(事実②)
 したがって,大気中のCO2濃度の増加で温暖化するのではなく,気温(海面温度)の上昇でCO2濃度が増えるというべきである.根本順吉は,このC.D.Keelingらの仕事に注目し,「現在の温暖化のすべてを温室効果ガスによって説明することはたいへん無理である」と述べた。
 しかし,このC.D.Keelingらの研究も,根本氏の見解も無視されたまま,現在に至っている.

 2.南半球大気中のCO2濃度の季節変化

 人間が発生させたCO2が大気中に留まるとする説の論拠は,海洋の表層水は10~20℃で軽く,深海水は0~5℃で重いから,これらの海水は混合しない,また,表層水のCO2溶解量は少ないから,大気と表層水との間でCO2交換があってもその量は少なく,大気中のCO2濃度に深海水のCO2が影響することはない,という考え方に基づいている。
 しかし,それでは,北半球で大気中のCO2濃度に10ppm程度の季節変化があるが,南半球でほとんど季節変化がないという周知の事実を説明できない。

(事実③)
 北半球と南半球の違いは海と陸の面積の違いである.北半球(30゚N~70゚N)では海と陸の面積はほぼ等しいが,南半球(30゚S~70゚S)では海は90%以上を占めている.その南半球で,夏,表層水で植物プランクトンが活発に光合成するが,大気中のCO2を必要としていない。
 表層水での光合成に必要なCO2は深海水から供給される以外には考えられないから,表層水と深海水の間にCO2のやりとりがないとする説は正しくないことを示している。

 3.両半球大気中のO2濃度の季節変化

 R.F.Keelingらは,大気中のO2濃度が北半球でも南半球でも季節変化していると発表した[4].海の生物にとって,表層水に溶けているO2だけでは不足し,またCO2と違って深海からのO2の供給は考えられないので,大気中のO2が必要なのである。

(事実④)
 ここで,大気中のO2とCO2濃度を合計すると,生物の光合成や呼吸の効果を消去できる.R.F.Keelingらによれば,この合計の季節変化は,北半球,南半球とも,生物効果とほぼ同じ大きさである。

(事実⑤)
 このO2とCO2の濃度の合計の季節変化は主に,海洋と大気の間のこれらの気体の交換の結果である.夏には海洋から大気へ,冬には大気から海洋へこれらの気体が移動している.海洋と大気の間で気体の移動は少ないとすることが間違いであることがわかる。

 4.海洋での炭素循環

 深海水との関連で表層水のCO2濃度を論ずるには,海洋における炭素の全体の流れを考える必要がある.それは海洋の炭素の上下循環で決まる。
 表層水への炭素の供給は炭素濃度の高い深海水の湧昇でなされている.赤道で貿易風が吹くと西向きの海流が生ずるが,この東端で深海水が湧昇する。
 太平洋ではペルー沖である。中緯度で赤道に向かう風が吹くと赤道に向かう海流が生ずるが,これは地球の自転についていけず,西向きに方向を変える。

 この海流と大陸西海岸との間にすき間ができるが,ここで深海水が湧昇する.太平洋ではカリフォルニア沖とチリ沖である.また極洋では,冬に表層水の温度は氷点の-2℃になる.この温度の海水は最大密度であり,また氷結によって塩分濃度も増えるため重くなって沈降し,代わりに0~3℃の軽い深海水の湧昇となる。

 この深海からの湧昇水は炭素化合物とリンや窒素などの養分が豊富である.表層水に供給された炭素化合物は細菌などの餌となり,大気から供給されるO2によってたちどころに酸化されCO2になる.この豊富なCO2と養分によって海洋の光合成が進行し,この湧昇海域は漁場となる。

 ここで生育した海洋生物は,世界の海に拡散し,海洋動物の餌となり,結局は糞になる.糞は海水より重いので沈降し,炭素と養分は深海に帰っていく.つまり,表層水のCO2濃度は深海永の湧昇と糞の沈降で決まることになる。

 植物プランクトンの元素構成比(Redfierd 比)はC:N:P=106:16:1であるが,深海の元素構成比もこれとほとんど同じであるから,湧昇海域では,光合成に必要な養分濃度とCO2濃度は過不足なく均衡している.したがって,南半球の光合成にとって大気のCO2は必要がなく,その濃度は季節変化しないのである。

 5.気温を決めるのは太陽光と地球の受光能

 このように,大気中のCO2濃度はヘンリーの法則により海洋表層水の温度とそのCO2濃度で決定される.表層水の温度は太陽活動と地球の受光能で決まる。
 太陽活動の大きさは黒点の数と対応している.黒点の数の変化と気温の変化は直接関係し,CO2の変化はこれに遅れて続くという事実も報告されている。

(事実⑥)
 北極圏では,過去350年にわたる気温の変化と太陽光の受光量の変化はよく対応している。

(事実⑦)
 さらに,1992年から2年間,人間がCO2の放出をやめたわけではないのに,大気中のCO2濃度はまったく増えていない.CO2温暖化説によれば,このCO2は完全に行方不明ということになる.

(事実⑧)
 この原因は1991年のピナツボ火山の噴火により,微粒子が成層圏に放出され,地表の受ける太陽光が減ったからである。

 これらの事実によって,大気中のCO2濃度は人間の発生するCO2によって決まるのではなかったことがわかる.そもそも,人間社会の発生したCO2が大気中に溜まるとすると,その半分が行方不明になるという欠陥は20年も以前から指摘されていた.これを放置したまま,CO2温暖化説を信じたことに間違いがあった。
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 ヘンリーの法則
 ある温度における比較的水に溶けにくい気体の溶解度は、気体の分圧に比例する。ある温度 t において1気圧の気体の溶解度をF(t) とすると、気体分圧がp(atm) の場合の溶解度は、F(t)・p で求められる。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%B3%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87
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 6.温暖化ガスとしてのCO2の効果

 以上述べたように,気温の上昇で大気中のCO2濃度が上昇する.しかし,そのCO2が気温を上昇させる効果も2次効果としては無視できない.ところで,温暖化ガスの中でもっとも影響の大きい気体はH2O=水蒸気である。多くの議論ではこのことが無視されている。
 熱帯または温帯の夏,大気中のH2Oの量が多いので,CO2が多少増えたところでCO2による影響はない。しかし,寒帯または温帯の冬,大気中のH2Oの量は少ないので,地表から放出される遠赤外線は宇宙にそのまま逃げていく。これはいわゆる放射冷却である。ここで,大気中のCO2濃度が増えるとこの放射冷却は妨害され,地表は保温されることになる。

(事実⑨)
 これは温室での保温効果ではない。地球の温室効果は他に実在し,重力が原因である.これにより窒素や酸素は地球から抜け出せず大気を作っている。この大気がなければ地表の温度は-18℃となる.CO2による温暖化効果を温室効果(greenhouse effect)と呼びつづけることは大きな間違いをそのままにすることである。

 H2OやCO2温暖化効果は,これらの分子が遠赤外線を吸収し,また放出する能力によって生じる。この温暖化効果は,真綿をかぶると空気の出入りが自由であるのに,暖かい効果が得られるのと同じである.したがって,このH2OやCO2の温暖化効果は,真綿効果(silk effect)とでも呼ぶべきであろう。

 このCO2の二次的な保温効果によって,寒帯または温帯の冬は暖かくなるが,この温暖化は,地球上の生命にとって悪い効果をもたらしたことはない。
 5000年以前の古代文明(日本では縄文文明)や1000年前のノルマンの侵略(日本では平安末期)以前の気温の高かった時代を,気象学者は,ヒプシサーマル(気候最適期)と呼び,人類にとって高温時代は暮らしやすいと判断していたのである。

 7.地球寒冷化の心配

 逆に,気温が低い時代は人類は不幸であった.その理由は,陸の光合成は気温が15℃以上でなければならないからである.

(事実⑩)
 現在,平均気温が15℃ということは,陸地の半分で光合成ができないことを意味する.これが低温になると,この面積が増えて,食料が得られなくなる。
 1950年代,暖冬続きで地球の温暖化が問題になった.そのころ南極の氷がとけて海面が上昇し,大都会が水没するおそれがあると騒がれた。
 ところが1970年代に入り,気温が上がらず,地球寒冷化が問題となった。実は,1940年以後,気温は徐々に下がっていることが確かめられた.そこで気象学者の多くは1980年ごろから,寒冬・冷夏が増え,小氷河期の気候に近づくと予想した。


図3 過去2万5000年間の北半球の気温の変化
 (アマ註、図表が見つからないので代わりに南極気温変化図を掲載)
kion001.jpg


 図3は,過去2万年の花粉,樹相,氷河からまとめた気温の変化(連邦研究協議会記録,1975年)である。これによれば,7000年前に高温期があり,それ以後長期低下傾向にある.とくに注意すべきは,その間に3回,約2000年の間隔で,約2℃の温度降下をもたらす小氷期がある。

 前回の最高気温期が2000年前であるから,現在が最高気温であり,まもなく気温が下がっていくとした1970年ごろの気象学者の予想はやはり正しいのである.
 蛇足であるが,世論に迎合して寒ければ寒冷化説を主張し,暖かくなれば変更の理由も示さず温暖化説を唱えるような,最近の気象学者の生態には,私はとてもついていけない。

 8.大気汚染による寒冷化と温暖化

 人間による地球気候への影響について,もっとも考慮すべきは,CO2ではなく,大気汚染である.
 地球を開放系の熱物理学の対象とするとき,重要な事項は入力としての太陽光の受光状態,出力としての宇宙への放熱状態,そして地球に存在する物質循環の3点である。

 まず,太陽光を15℃の地表で受ける。次に,対流圏上空のマイナス23℃で宇宙に放熱する。これによって,下が熱せられ,上が冷やされるので,対流圏の大気の循環活動が成立する.まさに地球エンジンである。
 この大気の循環が,地表の水と大気中の水蒸気の間の循環活動を作る。つまり,地球は空冷と水冷の機能をもつことになる。この大気と水の循環は海水の上下循環活動を発生させ,また養分の循環を作って生態系を成立させている。つまり,大気の循環こそが地球での諸現象の根源である。

 そこで,この大気の循環を阻害する人間活動を考える。それは,大気汚染である。まず,可視光と赤外線に対して汚染物質が白い場合,太陽光は宇宙に散乱されるから気温を降下させる。
 大気汚染が,可視光と赤外線に対して黒くて,成層圏にある場合,太陽光は吸収されて成層圏の温度は上がるが,この熱はそのまま宇宙へ放熱され,対流圏の大気循環に対してはほとんど影響がない。しかし,この汚染は地表に届く太陽光を少なくするので,白い汚染と同様に寒冷化をもたらすことになる。

 黒い汚染物質が対流圏に放出される場合は,深刻な影響を受ける。太陽光はこの汚染物質に吸収されてその高度の大気を加熱する。そして,地表に到達する太陽光は減少する。その結果,上が加熱され,下が減熱されることになるので,大気の循環は阻害され,地表は熱平衡に近づく。
 また,大気循環が滞るため,風が吹かず,水があっても蒸発しない.地球の持つ空冷と水冷の機能を損なうことになる.これは温暖化というよりも,熱地獄である.

(事実⑪)
 この現象は都市気象(ヒートアイランド)として知られるが,これが世界各地に広がっている。インドネシアやブラジルの焼畑を原因とする熱帯林の火災による煙は,赤道上空を覆い,貿易風や積乱雲の発生を妨害して,赤道海面の温度を上げる原因となった。
 また,北極圏では,工場や航空機の黒い煙による対流圏大気の汚染がある.これは北極圏の気温上昇の一因である。

 以上述べたように,CO2温暖化脅威説は11の事実から否定される.CO2温暖化脅威説では,まず人間の活動を考えた。しかし,人間の活動はまだ地球全体に及ぼすほど大きくはない。したがって,より根源的な事象としてまず太陽活動,次いで地球の受光能,そして人間活動の地域に及ぼす影響の順に考えることである。これを逆にすれば矛盾した結果になるのは当然である.

 9.無意味な温暖化対策

 CO2温暖化脅威論がナンセンスである以上,この脅威を防ぐためのCO2対策もナンセンスということになる。もしも,文明批判が目的であれば,結果として発生するCO2を論ずるのではなく,石油など資源の大量使用を直接論ずるべきである。

 それだけでなく,提案された対策の多くは発生するCO2を減らすことにもなっていない・これらの対策は,ほとんどすべてコスト高である.コスト高ということは,間接的に石油や石炭などを大量に消費することを意味する。
 たとえば,太陽光発電の場合,半導体や関連機器の生産や設置に巨大な費用が必要だが,それは石油の消費でなされている.つまり,余計にCO2を放出することになっている。

 ここで,エネルギーまたは物質収支の計算がなされるが,この種の計算の最大の欠点は積上げ方式をとっていることである。このため,入力の積上げを忘れても,出力損失の積上げを忘れても,効果はよいほうに傾き,提案者に誤った希望を与えることになる。

 10.原子力発電ではCO2排出量も減らない

 このことは,とくに,原子力発電の推進根拠の失敗に現れている。原子力発電所には,小さな重油タンクがあるだけだから,発電時にはCO2をほとんど出さないと説明される。しかし,この発電時以外のところで大量のエネルギーが投入されており,原子力発電はCO2を大量に発生している。

 アメリカのエネルギー開発庁(ERDA)が1976年に計算したところによれば,エネルギー産出量100を得るために26のエネルギーを投入している。産出投入比は100/26=3.8である.電力中央研究所による1991年の計算も4.0とほとんど変わらない。
 この結果は原発が有利なように見える.しかし,これは積上げ計算であるから,積残しを考慮していくと,投入量は増え,産出量は減り,結果として産出投入比はどんどん減ることになる。

 ERDAの場合も,電中研の場合も,運転での電力投入(7),遠方送電の建設(5),揚水発電所の建設(10)という投入が忘れられている。これを考慮すると,投入量は26+7+5+10=48となる.また遠方送電損失(7),揚水発電損失(20)という欠損があり,産出量は100-7ー20=73となる.その結栗,産出投入比は73/48=l.5となる。
 さらに,計算不可能な投入として,放射能対策,廃炉対策,事故・故障対策がある.これを評価すれば,産出投入比は1に近づき,そして1を割ることになっていく.原発は事故で庶民を加害し,また処理処分不可能な放射能を残すだけでなく,石油石炭を大量に消費するのである.
 現代の温暖化キャンペーンは,このような原子力をCO2削減のエースとして推進するためであった。アルゼンチンで開催された気候変動枠組条約 第4回締結国会議(COP4)は,さながら原子力発電の売込みの場であったと伝えられている.これに誘導されて大騒ぎするなどまったくナンセンスとしかいいようがない。

 11. ナンセンスといえばオゾンホールも

 通説では、フロンから塩素が出て化学反応で成層圏のオゾンを壊し、南極にオゾンホールが広がり、地表に届く紫外線が増え、皮膚ガンが増えると心配されている。
 オゾンを壊すという化学反応には、塩素のほかに紫外線が必要である。しかし、南極の春先、太陽光は水平に入ってくるので、光が通過する大気の厚さは、真上から入射したときの10倍にもなる。

 そのため、紫外線は南極の上空に届く前に宇宙に散乱され、ほとんど存在しない。これではオゾン破壊になるわけがない。
 フロンがオゾン層を破壊するという説の論拠は、南極の高層成層圏では強い西風が吹き、.その極渦がエアカーテンとなって南極の大気を隔離する。オゾンの出入りがないのにオゾンが減るのだから、ここでオゾンが破壊されているとしなければならない、と。しかし、ほんとうに南極の大気は閉ざされているのだろうか。

 高層成層圏での強い西風の原因は地球の自転である。地球が西から東へ動いているため、大気も一緒に西から東へ動いている。赤道の大気はもっとも速く動いており、南極の大気はあまり動かない。
 ここで、赤道の大気が南極に向かって移動すると、地球表面の速度は、南極に近づくにしたがって遅くなるので、大気のほうが速く動くことになる。つまり、緯度が高くなる方向に大気が動くと、西風になる。

 南極の周辺で高層成層圏に強い西風が吹いているということは、赤道から南極の方向に向けて大気が流れていることを示している。高層成層圏の西風はエアカーテンではなかったのである。
 南極に流れこむ高層成層圏の大気にはオゾンが1/10と少ない。したがって南極のオゾンが減るのは当たり前である。この南極成層圏の西風という事実だけからフロン原因説は覆されてしまった。
 そのうえ、オゾンは紫外線が存在すると大気中の酸素から直ちに生産され、蓄積される。したがって、太陽光の有害紫外線はそれほど気にする問題ではもともとなかったのである。

 12. 森林と農地の喪失こそ最大の環境問題

 現状では、環境問題はCO2温暖化とO3ホールの話題がほとんど独占している。しかし、最大の環境問題は、農地と森林の喪失である。この原因は、過剰農業、過剰放牧、過剰伐採といわれているが、そもそもなぜ過剰になるのか、ということの議論が欠けては、対応できるわけがない。

 まず、科学技術はアメリカなど先進国で穀物の過剰生産をひき起こし、穀物の価格を下げてしまった。その結果、まだ穀物を生産できる農地であっても、採算がとれなくなって放棄されている。
 この放棄された農地は風水害で荒地となり、砂漠化している。
 また、先進国での穀物価格の低下は、農民を離農させ、失業問題となった。そこで農民の失業を抑止するため、この過剰穀物は輸出されている。

 農産物の代表的輸出国アメリカの穀物生産最は、入口を養う約5倍という。そのうち1は国民が食べ、3は家畜の鋳にし、残りの1を輸出している。これさらに安い価格で輸出されている。また援助物資という形は補助金をつけて、さらに安い価格で輸出されている。また援助物資という形で輸出される穀物も、実は失業対策であった。

 1994年の世界の小麦の貿易量は9900万トンであった。その輸出国の筆頭はアメリカ(31%)で、これにカナダ(22%)、オーストラリア(13%)、フランス(13%)、ドイツ(6%)、アルゼンチン(5%)、イギリス(4%)が続く。これらの国だけで小麦の輸出量のほとんどすべてになっている。
 これらの先進国の穀物の輸出攻勢を受けて、途上国の穀物生産は壊滅状態になった。とくに、アフリカの場合、昔は小麦を食べなかったが、たびたびの飢饉の際、援助物資の小麦で食の嗜好が変わり、都市の住人に小麦を食べる習慣ができてしまった。

 そうなると農家がミレット(きび)などの雑穀を生産しても、都市の住民は買ってくれない。やむなく農業を放棄して、都市のスラムの住民になる。先進国の失業対策は、途上国への失業の輸出を意味している。そして、放棄された農地は、風水害によって荒地となり、砂漠化することになる。
 先進国の科学技術による穀物の生産性の向上は、世界の人々を飢えから解放すると期待された。しかし、事実は逆で、先進国でも途上国でも有用な農地を砂漠化し、将来の飢えの原因を作っている。

 13. 債務返還と利子払いが途上国の農地破壊を加速

 砂漠化には、植民地から独立国になったことによる政治問題も関係する。植民地時代、植民地政府は綿花やコーヒーを栽培させた。それでも、農民を永続的に働かせるため、穀物生産のための農地は保護していた。

 ところが、独立で状況は一変する。独立した政府に、先進諸国から多大な資本の貸付が行われた。ところが、1982年以降、債務の返還と利息の支払いで資金は一方的に途上国から先進国へ流れることになった。
 世界の富は貧しい国から豊かな国へ流れている。途上国ではこの債務や利息の支払いのために、穀物生産をやめて換金作物を作っている。しかし、多くの途上国ではコーヒーなど換金作物を売った額の半分近くをこの返済にあてている。
 このような無理をして換金作物を作っているため、農地は荒れる一方で、ますます途上国の砂漠化が進むことになる。

14. 途上国における森林破壊

 途上国の農民が都市のスラムへ行かないで農業を続けようとすれば、まだ肥沃な土地のある森を焼き、開墾すればなんとかなる。しかし、そのようにして得た農地は2、3年で養分がなくなるので、そこを捨てて、また別の森林を焼くことになる。

 日本へ輸出する木材の過剰伐採も森林を破壊する原因であるが、それ以上に焼畑のほうが深刻である。スマトラ島のように、焼畑の火が森林火災の原因となって森を大規模に失うこともある。放牧でも森を焼いている。このようにして利用した森林の跡地はすべて砂漠化している。
 このように、砂漠化を進めているのは、穀物の過剰生産と穀物の自由貿易と債務である。これを止めるのは容易ではない。よほど議論して対策を立てなければ、よい結果は生まれない。

 ともかく、このままでは、世界中で農地と森林を失い、農耕できない荒れ地ばかりにするのは確実である。このときに地球寒冷化と異常気象が襲うであろう。われわれがこの現象をなすすべもなく見逃したばかりに、子孫は苦しむことになる。
 このような農地と森林の破壊こそ大問題であるのに、炭酸ガス温暖化脅威説に振り回わされ、世界各地の環境悪化の経済的原因を十分に論議する機会が奪われていることは、残念というほかはない。

 15. 環境問題を正しく理解するには、開放系の熱学が必要

 生命は、なぜ、その活動を維持できるのか。この問題の答えは、開放系の熱学を学ぶことによって得られる。いわゆる、エンジンの理論である。地球環境もこのエンジンの法則の範囲の中にあるから、これらの問題を議論するにはこの開放系の熱学が必要不可欠である。

 また、人間社会もこのエンジンの法則により維持されている。このエンジンは、需要があれば供給すると儲かるという欲望の法則によって動いている。これを無視して環境問題や人間社会を論ずると、CO2温暖化やO3ホールだけでなく、中途半端な議論に明け暮れ、その結果は、大気汚染や自由貿易や原発など本質的な環境破壊行為を見逃し、これをますます悪い方向に広げることになる。現状は残念ながらそのとおりである。

 本論文は、1998年秋の環境経済・政策学会、物理学会、エントロピー学会での講演と質問への回答をもとに作成した。
(「熱物理学および環境経済論」)
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引用以上

 槌田敦氏の論文は、極めて的確で学問的価値の高いものだが、残念ながら原発温排水の地球温暖化効果について触れられていない。
 以下に、小出裕章氏、中村隆一氏の原発温排水についての文章を転載する。小出氏の文章は、2010年3月、フクイチ事故の一年前に書かれたものだ。消失圧力を懸念して全文掲載する。

 原発温廃水が海を壊す 原発からは温かい大河が流れている 小出裕章
 https://imidas.jp/jijikaitai/k-40-059-10-03-g112
 
 原子力発電所の稼働に不可欠な冷却水は、その膨大な熱とともに放射能や化学物質をともなって海に排出される。この温廃水(温排水 hot waste water)の存在、あるいは環境への影響が論じられることは少ない。
 地球温暖化への貢献を旗印として原子力回帰が叫ばれる中、けっして避けられない温廃水の問題を浮き彫りにする。

 蒸気機関としての宿命

 地球は46億年前に誕生したといわれる。その地球に人類が誕生したのは約400万年前。地球の歴史を1年に縮めて考えれば、人類の誕生は大みそかの夕方になってからにすぎない。その人類も当初は自然に寄り添うように生活していたが、18世紀最後の産業革命を機に、地球環境との関係が激変した。

 それまでは家畜や奴隷を使ってぜいたくをしてきた一部の人間が、蒸気機関の発明によって機械を動かせるようになった。以降、大量のエネルギーを使うようになり、産業革命以降の200年で人類が使ったエネルギーは、人類が全歴史で使ったエネルギー総量の6割を超える。その結果、地球の生命環境が破壊され、多数の生物が絶滅に追いやられるようになった。その期間を、地球の歴史を1年に縮めた尺度に合わせれば、大みそかの夜11時59分59秒からわずか1秒でのことである。

 今日利用されている火力発電も原子力発電も、発生させた蒸気でタービンを回す蒸気機関で、基本的に200年前の産業革命のときに誕生した技術である。その理想的な熱効率は、次の式で表される。
 理想的な熱機関の効率=1-(低温熱源の温度÷高温熱源の温度)
(※それぞれの温度には「K(ケルビン)」の単位で表す絶対温度を用い、「℃」で表す摂氏温度の数字に「273」を加え、たとえば0℃=273K、100℃=373Kとなる)

 だが、現実の装置ではロスも生じるため、この式で示されるような理想的な熱効率を達成することはできない。火力発電や原子力発電の場合、「低温熱源」は冷却水で、日本では海水を使っているので、その温度は地域差や季節差を考慮しても300K(27℃)程度であり、一方の「高温熱源」は炉で熱せられ、タービンに送られる蒸気である。

 そのため、火力発電と原子力発電の熱効率は、基本的にそれらが発生しうる蒸気の温度で決まり、その温度が高いほど、熱効率も上がることになる。現在稼働している原子力発電では、燃料の健全性を維持するため冷却水の温度を高くすることができず、タービンの入り口での蒸気の温度はせいぜい550K(約280℃)で、実際の熱効率は0.33、すなわち33%しかない。
 つまり、利用したエネルギーの2倍となる67%のエネルギーを無駄に捨てる以外にない。

 想像を絶する膨大さ

 この無駄に捨てるエネルギーは、想像を絶するほど膨大である。たとえば、100万kWと呼ばれる原子力発電所の場合、約200万kW分のエネルギーを海に捨てることになり、このエネルギーは1秒間に70tの海水の温度を7℃上昇させる。日本には、1秒間に70tの流量を超える川は30筋もない。原子力発電所を作るということは、その敷地に忽然として「温かい大河」を出現させることになる。

 7℃の温度上昇がいかに破滅的かは、入浴時の湯の温度を考えれば分かる。ふだん入っている風呂の温度を7℃上げてしまえば、普通の人なら入れないはずである。しかし、海には海の生態系があって、その場所に適したたくさんの生物が生きている。その生物たちからみれば、海は生活の場であり、その温度が7℃も上がってしまえば、その場では生きられない。
 逃げることのできない植物や底生生物は死滅し、逃げることができる魚類は温廃水の影響範囲の外に逃げることになる。人間から見れば、近海は海産資源の宝庫であるが、漁業の形態も変える以外にない。

 途方もない環境破壊源

 雨は地球の生態系を持続させるうえで決定的に重要なもので、日本はその恵みを受けている貴重な国の一つである。日本には毎年6500億tの雨が降り、それによって豊かな森林が育ち、長期にわたる稲作も持続的に可能になってきた。雨のうち一部は蒸発し、一部は地下水となるため、日本の河川の総流量は年間約4000億tである。一方、現在日本には54基、電気出力で約4900万kWの原子力発電所があり、それが流す温廃水の総量は年間1000億tに達する。

 日本近海の海水温の上昇は世界平均に比べて高く、特に日本海の温度上昇は著しい。原発の温廃水は、日本のすべての川の水の温度を約2℃温かくすることに匹敵し、これで温暖化しなければ、その方がおかしい。そのうえ、温められた海水からは、溶け込んでいた二酸化炭素(CO2)が大量に放出される。もし、二酸化炭素が地球温暖化の原因だとするなら、その効果も無視できない。

 もちろん、日本には原子力発電所を上回る火力発電所が稼働していて、それらも冷却水として海水を使っている。しかし、最近の火力発電所では770K(約500℃)を超える高温の蒸気を利用できるようになり、熱効率は50%を超えている。
 つまり、100万kWの火力発電所の場合、無駄に捨てるエネルギーは100万kW以下で済む。もし、原子力発電から火力発電に転換することができれば、それだけで海に捨てる熱を半分以下に減らせる。

 さらに、火力発電所を都会に建ててコージェネレーション(cogeneration)、すなわち無駄に捨てるはずの熱を熱源として活用すれば、総合的なエネルギー効率を80%にすることもできる。しかし、原子力発電所は決して都会には建てられない。

 熱、化学物質、放射能の三位一体の毒物

 温廃水は単に熱いだけではなく、化学物質と放射性物質も混入させられた三位一体の毒物である。
 まず、海水を敷地内に引き込む入り口で、生物の幼生を殺すための化学物質が投入される。なぜなら海水を施設内に引き込む配管表面にフジツボやイガイなどが張り付き、配管が詰まってしまっては困るからである。
 さらに、敷地から出る場所では、作業員の汚染した衣服を洗濯したりする場合に発生する洗濯廃水などの放射性廃水も加えられる。
 日本にあるほぼすべての原子力施設は、原子炉等規制法、放射線障害防止法の規制に基づき、放射性物質を敷地外に捨てる場合に濃度規制を受ける。

 原子力発電所の場合、温廃水という毎日数百万tの流量をもつ「大河」がある。そのため、いかなる放射性物質も十分な余裕をもって捨てることができる。洗濯廃水も洗剤が含まれているため廃水処理が難しい。原子力発電所から見れば、苦労して処理するよりは薄めて流すほうが得策である。

 たとえば、昨今話題となる核燃料サイクルを実現するための核燃料再処理工場は、原子力発電所以上に膨大な放射性物質を環境に捨てる。ところが、再処理工場には原子力発電所のような「大河」はない。
 そこで、再処理工場は法律の濃度規制から除外されてしまった。逆にいえば、原子力発電所にとっては、温廃水が実に便利な放射能の希釈水となっているのである。
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 引用以上

 中村隆一 「風の便り」 2014/03/06
原発停止で温排水も止まって 周辺の海洋環境が劇的に改善
  https://www.windfarm.co.jp/blog/blog_kaze/post-15842

 ■佐賀県玄海町の玄海原子力発電所が4基すべて運転を停止してから2年以上が経ちました。
 ■1号機が運転を開始してからおよそ39年、これまでに前例のない長期間の停止によって、周辺の海である変化が起きていました。

 玄海原発では1975年に1号機が運転を開始してから、ほぼ連続して原発が動いてきました。ところが、東日本大震災後の2011年12月に、4号機が定期点検に入って以降、4基すべてが2年以上にわたって停止したままです。

 なぜ海はこれほど変化したのでしょう? (アマ註、映像は消去されてしまった)
 その原因として考えられるのが、原発から出される暖められた海水、『温排水』です。

 原子力発電所は、タービンを回す蒸気を、海からくみ上げた水で冷やします。暖められた海水は『温排水』として再び海に戻されます。
 原発からは最大で7度まで、周囲より高い温度の水を出すことが認められています。その量は、岩につかまらないとダイバーが流されてしまうほどだったということです。

 大量の温排水で海が温められたため、南方系の魚が冬も生き残っていたのです。
 原発停止後の変化は、魚だけではありません。

●今林記者・水中リポート
「この四角のコンクリートブロックは原発が動いている時は、全く海藻が生えていませんでしたが、今は一面びっしりと海藻に覆われています」
同じく今から8年前の映像です。(映像は消去された)

 原発稼働中は、ほとんど海藻は生えておらず、岩がむき出しの状態でした。
ところが、現在はいたるところにアラメやクロメなど、コンブの仲間が生えていました。
 同じ場所で比べてみると違いは一目瞭然です。

 原発周辺の海で変化が起きているのは、玄海だけではありません。
京都大学の益田准教授は2004年から若狭湾で潜水調査を続けています。
 益田准教授は、原発停止直後の海の劇的な変化に、目を見張ったといいます。

●京都大学舞鶴怜治水産実験所・益田玲爾准教授

「予想よりはるかに急激でしたね。南方系の生き物がたちどころにいなくなって、それで本来の若狭湾の生き物が戻ってきたということですね」
 若狭湾沿岸にはあわせて14基もの原発が集中しています。

 益田准教授は、そのひとつ高浜原発からおよそ2キロの地点で調査を続けています。

 益田准教授によりますと温排水によってこの地点では周辺海域と比べ水温がおよそ2度高くなっていました。この2度が冬場、生き物の生死を分けていたのです。

●京都大学・益田准教授

「水の中では、陸上よりもはるかに熱が伝わりやすいということがあるんですね。ですから、水中の2度の違いというのは、魚にとって非常に大きな違いになります。人間が陸上で2度というのはどうにでも調節できますが、魚にとっての2度というのは、調節がきかないエリアになってしまいがちなんです」

 温排水は火力発電所からも出ますが、益田准教授の調査では近隣の火力発電所では大きな変化は起きていませんでした。
 原発の運転が海の生態系に大きな影響を与えているのは明らかだと益田准教授は話します。

★福井県・若狭湾の原発停止で北方系の魚介類が戻ってきた
(日刊SPA 2013/12/20)

 現在、日本で稼働している原発は1基もない。これまで、原発を冷やすために取り込んだ海水が温められ、海に放出され続けてきた。ところがこの「温排水」が止まったことで、原発周辺の海域の環境が回復してきているという! 原発停止によって(良い意味で)激変した各地の海の状況をリポートする。

 <福井県・若狭湾の原発> 

◆温排水停止で、減少していた北方系の魚介類が戻ってきた
 原発の温排水が海の生態系に与える影響について、実際に海に潜って調査している研究者がいる。京都大学舞鶴水産実験所の益田玲爾所長は、’04年以降、毎年1月下旬~3月上旬に高浜原発の放水口から北東約2kmの「音海」という海域に生息する魚介を定点観測してきた。益田所長は「温排水による生態系への影響は明らか」と語る。

 「’04~’11年にかけて、原発から2kmの地点の水温が、湾内外の他の海域より2℃高くなっていました。水中では熱が伝わりやすいため、2℃というのは魚介類にとって大きな違いなのです。熱帯・亜熱帯の南方系の魚介類が生活できるギリギリの温度は11℃なのですが、原発の温排水で、春や夏に来た南方系の魚介類が冬を越せるようになっていました。本来いるはずのない生物が繁殖することで大きな混乱が起きていました」

 ところが、温排水が止まったことで、元の健全な生態系が音海の海に戻りつつあるという。

 「例えば、ガンガゼという南方系の毒ウニが大量発生していたのですが、温排水が止まったことで死滅。地元特産のおいしいアカウニやムラサキウニはガンガゼとの競合で追いやられていましたが、再び姿を見せるようになりました。同様に、地元特産で食用のマナマコも、南方系のトラフナマコが水温低下で減少すると、また数を増やし始めています」

 温排水の停止の好ましい影響の中でも、特に喜ばしいのは海藻の復活だろう。
 「海の生態系で非常に重要なのは、浅瀬に生い茂る海藻。さまざまな魚介類の餌である生物が棲むエサ場であり、稚魚が育つ棲み処でもあります。アワビやサザエなどの貝類も海藻を餌としています。温排水が放出されていた頃は、『磯焼け』といって海藻が壊滅した状態でした。海水温の変化による直接的なダメージに加え、本来冬場の音海にはいないはずのアイゴという海藻を食べる魚が温排水の影響で一年中いるようになり、海藻が食い荒らされてしまったのです。

 しかし、温排水の放出が止まった途端に海藻が復活し、アミなどの動物プランクトンも一緒に戻ってきました。以前は姿をまったく見なかった、ヒラメの稚魚が姿を見せるようになったことも良い傾向です。若狭湾の特産物で、煮付けにするとおいしいメバルも戻ってきました。基本的に、南方系の魚よりも、もともといた北方系の魚のほうが、商品として高く売れるので、地元の漁師さんにとっても、温排水がないほうがいいといえるのではないでしょうか」

― 原発止めたら[海の環境がもりもり改善!?] ―

 ◆原発停止で周辺の海洋環境が劇的に改善
(日刊SPA 2013.11.26 ニュース)

 現在、日本で稼働している原発は1基もない。そのため、稼働中に海に放出され続けてきた原発から出る温排水が止まったことで、原発周辺の海域の環境が回復してきているという声が各地から挙がっている。

 ◆鹿児島川内原発の場合……

 鹿児島県にある川内原発の近くで海岸の清掃ボランティアやウミガメ監視員を務める中野行男さんは、10年ほど前から月に20日以上、川内原発の南海岸を歩き続けてきた。
 「これまで、季節によっては毎日のようにサメやエイ、ダツなどの大型魚類や、クジラ、イルカなどの海生哺乳類、ウミガメなどの死体が海岸に漂着していました。原発ができる前は、こんなことは全然ありませんでした」(中野さん)

 サメの死体が1日で4体もうち上げられたこともあったそうだ。
「それが、川内原発が停止した’11年9月以降、これらの死体漂着は一切なくなったのです」
 また、この近辺ではウミガメの異常行動がよく確認されていた。

 「例えば、通常のウミガメは満潮の夜に産卵のため岸に上がりますが、昼間や干潮時に産卵に来るケースがしばしば報告されていました。ところが、現在では産卵は順調に行われています」

 週刊SPA!11/26発売号「原発止めたら[海の環境がもりもり改善!?]リポート」では、他にも、原発が止まったことによって取水口に取り込まれる魚が減ったり、海水温が下がったために外来種が減り、漁業にも好影響が出ていることを報じている。また、福井県の若狭湾周辺の原発、北海道の泊原発周辺地域での(よい意味での)激変をリポートしている。 <取材・文/週刊SPA!編集部>

◆上関原発建設計画:温排水の影響を懸念
(2010/05/20 風の便り)から抜粋

 世界有数の漁場だった瀬戸内海が埋め立てや海洋汚染によって、生態系が破壊されてるなか、今も豊かな自然が残っている周防灘という海域(山口、福岡、大分の3県にまたがる海域)があり、絶滅危惧種や希少な生物がたくさん棲息しています。

 そこに上関原発が建てられようとしており、その計画に28年前から反対し続けている人々(祝島や長島の自然を守る会など)がいます。
 ここを破壊してしまったら、瀬戸内海の再生は不可能になるだろうと多くの学者が指摘している重要な地域を、生物多様性国際会議を開く主催国が破壊しようとしているわけです。

 原発は、過熱した炉心を冷やすために大量の海水を吸いあげて、7~7.3℃熱くなった海水(温排水)を海に放出しますが、その量が恐ろしく多量です。

 平均的な規模(100万キロワット)の原発1基で1秒間に70トンも温排水を海に放出します。上関原発は、137万キロワットを2基建設するために、1秒間に190トンもの温排水を海に放出します。

 現在、日本にある54基の原発全体から1年間に放出される温排水の量は1000億トン。日本全土に降る雨の量が年間6500億トンで、そのうち河川に流れるのは4000億トン。
 つまり原発は、日本の川を流れる水の4分の1に相当する量を7℃温めて海に戻しているのです。

 それに加えて、上関原発や各地で増設される原発からの温排水が上乗せされようとしています。
 また、海水を冷却水として吸い上げる際にプランクトンや魚卵、そして、稚魚なども大量に吸い込み、原発の高熱でその多くが死んでしまいます。

 問題はこれだけでなく、吸排水パイプにフジツボなどが付かないよう殺生物剤(次亜塩素酸ソーダ)が使用され、海洋を汚染しています。
 海の小さないのちを吸い上げて殺し、殺生物剤で殺し、膨大な温排水を海に捨てながら「地球温暖化防止のために」原発を増やす現代人に対し、海に暮らしている生きものたちは、どう感じているのでしょう。

 まさに今、私たちは「生きものの声を聞く」必要があるでしょう。

上関原発建設計画:温排水の影響を懸念 広島で環境考えるシンポ /山口

 中国電力の上関原発建設予定地(上関町)周辺の慎重な環境評価を国や中電に求めてきた日本生態学会、日本鳥学会、日本ベントス学会によるシンポジウムが10日、広島市中区の広島国際会議場であった。学者らは集まった約500人に対し、建設地の生物の多様性の貴重さと、原発建設による影響調査の必要性を強く訴えた。

 学者らの一番の懸念は原発から出る温排水。原発周辺海域の温度が上がり、希少生物や魚類の生息環境が変わってしまう恐れが強いという。また、京都大大学院の加藤真教授(生態学)は、冷却水として海水を取り入れる際に投入される殺生物剤、次亜塩素酸ソーダの危険性を指摘した。

 建設地周辺では天然記念物の鳥、カンムリウミスズメも生息している。上関地域周辺での生息を初めて発見した九州大大学院の飯田知彦研究員は、上関の海の豊かさを強調。魚の卵や稚魚、イカの子どもといった浮遊生物が冷却水として原発に取り込まれて加熱されることで多くが死ぬことが予想されることから、食物連鎖への影響を懸念した。【矢追健介】
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 引用以上、これ以上の説明は不要だろう。


私が共産主義者にならなかったワケ

2021年07月13日 | 未分類
 私は、今から半世紀以上も前のことだが、高校生時代、マルクス主義に没頭した時期がある。
 高校の社研サークルは、毎日のように党派のオルグがやってきて、革マル派・中核派・ブント・反帝学評など盛りだくさんの新左翼系活動家が来ていた。当時は、さすがに資本論は荷が重いので、「共産党宣言」とか「家族国家私有財産の起源」とか、10冊くらいの岩波文庫版を使って、その意味を討論しあった。

 学校の授業など興味はなかったが、新しい知識の宝庫だった古典共産主義文献は、何でも知りたい私の知的好奇心を激しく刺激した。
 私は中学生の頃から「弁証法」について興味があって、マルクスの弁証法的唯物論に夢中になった。これは、マルクスに言わせれば「ヘーゲル弁証法を逆さまにひっくり返したもの」というものだ。
 弁証法三原則に「否定の否定・対立の統一・量質転化」というのがあって、事物現象は、かならず三段階の発展プロセスをもって、「止揚」されるというものだ。

 始めて聞くと、何が何だか分からない極端な抽象論にすぎないのだが、三段階発展論の原点、最初に「鶏が先か卵が先か?」という論争があって、ヘーゲルは、最初に霊的カオスがあって、否定されて物質的存在になり、もう一度否定されて霊的存在に還る。つまり、人類は、あらゆる矛盾を克服して絶対精神に向かって歩み続ける、という理屈だった。

 この最初に存在した「霊的カオス」を、物質的カオスに置き換え、逆立ちさせたのが、マルクス流、弁証法的唯物論だった。
 これは宇宙の存在は、最初に物質があり、そのなかに意思が生まれ、思索が生まれるが、やがて倒錯して、宗教的な世界=霊的世界が登場してくる。しかし、それもいずれ否定されて、再び究極の矛盾のない物質的世界に還るというものだ。

 小難しい理屈を並べたが、私の70年近い人生経験によれば、「哲学者」なんていったって、特別な存在ではなく、精神障害を患ったような偏執狂的兄ちゃんが、人の理解を超えた難解な屁理屈を並べて、自分は特別な存在であり「宇宙の叡智」であると勘違いして、他人に対して偉そうにふるまっているだけのことだから、怖れ多がる必要はない。ただの屁理屈・妄想狂マニアによる言葉の遊びにすぎないのだ。

 しかし、はじめて哲学に触れる若者にとっては、宇宙の深淵に触れたような気分になり、ヘーゲル弁証法を数ページでも理解したなら、宇宙の真理を自分のものにしたかのような快感・興奮に陥り、自分が人類に超越する特別な存在になったかのように錯覚し、他人の意見に耳を貸さない優越感に浸るものだ。

 この優越感を利用して、特権的存在になったかのように舞い上がらせ、他人の意見を嘲笑しながら自分たちだけが真理の領域にいると思い込んでしまった妄想的宗教団体がたくさんある。
 例えばオウム真理教がそうで、幹部たちは優越感に有頂天になり、自分たちが選ばれた人間だと勘違いして、人々の人生や命まで支配できると思い込み、あのザマになった。
 同じように、子供の頃から「優秀」とおだてられて調子に乗った若者を、ヘーゲル弁証法のエッセンスに触れさせて優越感で支配したのが文鮮明の統一教会だ。

 宗教だけなら、まだマシだが、これが政治団体となると、社会に大きな波風を引き起こす。
 例えば、私が若い頃、公安警察にメンバーに違いないと思われて、散々な目に遭わされた赤軍派とか、日本共産党や新左翼諸党派なども、弁証法的唯物論に触れて調子に乗った優越感に支配されながら暴走したグループだ。

新左翼諸党派の本質を一言でいえば、オウム真理教も幸福の科学も同じだが、一種の優越感といえるだろう。自分たちは選ばれた特別の存在だから、自分たちの理屈通りに世の中が変われば、すべて問題が解決すると妄信してしまった連中だ。
 自分たちは「最高存在」だから、他人の意見など聞く必要がないという傲慢さが共通点でもある。

 「最高存在」という言葉は、どこかで聞いた。そうだ北朝鮮だ、中国だ。そうだ、共産主義思想を掲げた独裁専制国家は、必ず「最高存在」という言葉を使いたがる。
 日本共産党も同じだ。「最高存在」の志位和夫は、実に30年を超えて共産党の全実権を掌握している。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BF%97%E4%BD%8D%E5%92%8C%E5%A4%AB

 一つの組織で、30年間もトップが変わらないということは何を意味するのか?
 例えば、一般的な企業の場合、幹部クラスは3~5年程度で、半強制的に転勤させられる。理由は「流れない水は腐る=流れる水は腐らない」ということだ。
 一カ所に権力者が数年もいれば必ず権力や利権が集中し、反対者が排除されて独裁体制が成立する。組織よりも、自分の利益を優先させるようになるのが人間というものなのだ。

 ベラルーシのルカシェンコは、大統領を28年間続け、対立候補を弾圧して独裁体制を堅持している。ムガベは37年間ジンバブエに君臨した。プーチンも20年以上、ロシアに君臨している。
 いずれも超長期政権に君臨し、その腐敗ぶりが世に知られてきた。志位和夫も事実上、30年間以上だから、負けていない。

 なんで、こんなことが許されるのか? といえば、私が学んだ「共産主義」の書かれざる綱領に「優秀な人物が、優秀な思想で、社会を正しく指導すれば最高の社会が成立する」という不文律が、巨大な壁のように君臨していたからだ。
 組織というのは「優秀」が好きだ。日立も東芝も三菱も、優秀な人物が巨大組織のトップを務め、企業全体を牽引したわけだが、いずれも 無様な結末を迎えて、東芝など社名さえ失いかねないほどに追い詰められているのだが、その本当の原因は、私にいわせれば、「流れない水は腐る」という原理である。

 「優秀」という定義が根本から間違っている。日本では「学歴信仰」が深く根付いていて、東京大学を卒業すれば「優秀な人物」というレッテル、お墨付きをもらえることになっている。
 だから、もちろん志位和夫も東京大学出身だ。上に述べた巨大企業の最高役員の大半も東大出身だろう。
 本当にそうなのか?
 
 「東大卒は優秀」という恐ろしい勘違いのせいで、日本社会は根底からねじ曲げられてきた。
 例えば私を個人攻撃している大垣市民病院の岩田洋介という医師は、自分は旭丘高校を出て東大医学部を卒業したのだから超一流人間だと錯覚してしまって、私を「無学歴」と誹謗嘲笑し、延々と凝りもせず、8年間もツイッターで低俗下劣な嫌がらせを繰り返している。

 なるほど、東大を出ると、こんな下劣なことをやるようになるのか? と私は深く納得した。だが、病院側に抗議しても、東大信仰のゆえんか、無視されたままだ。
(余談、ツイートが大垣市民病院の医療者用Wi-Fiからであることを発見したので訴訟を起こそうとしたら、予想賠償金額は20万円、訴訟費用が90万円という見積もりだった。復讐するなら長期服役を覚悟するしかない)
 https://twitter.com/tokaihomo

 まあ、「優秀」といったって、この程度のゴミのような人間性だと思って間違いない。共産主義を体系化したともいわれるマルクス・エンゲルス・レーニンも「優秀マニア」だったとともに、何よりもユダヤ人だった。トロツキーもブハーリンもそうだ。
 ユダヤ教の経典タルムードには、「神に選ばれたユダヤ人は、それ以外の民衆をゴイム(奴隷)として使役し、利用してかまわない」と書かれている。だから、「優秀なユダヤ人は、それ以外の人々を見下しているわけだ。

 そんなわけで、共産主義というのは「優秀な人間が正しい理論で人々を領導すれば、何もかもうまくいく」というユダヤ流の自分勝手な思い込みで成立していることを知り、私は共産主義者になることを断念したわけだ。
 そんな思い上がった連中には、虫唾が走るなんてもんじゃない。

 ホセ・ムヒカのような苦労人は、絶対に他人を見下したりしない。自分を優秀だと勘違いすることもない。もし、人間社会に本当に信奉すべき人間と思想があるとすれば、それはホセ・ムヒカだ。
 つまり、人間苦労してナンボというのが唯一の真理なのだ。

 共産主義そのものの理屈は決して間違っているとは思わないが、「優秀」というのが大好きな人物ばかりが集まっていれば、それは思い上がって自滅崩壊する定めにある。
 そもそも、「優秀」というのは、「優生保護」に直結するものだ。

 実は、日本で優生保護思想を実現しようとした人々の多くが、革新側の人物だった。
 優生保護法の実現に尽力したのは、日本社会党の加藤シズエや市川房枝だった。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8A%A0%E8%97%A4%E3%82%B7%E3%83%85%E3%82%A8
 その結果、多くの障害者が強制的に断種させられた。

ファッシズムと優生保護 2017年02月25日
 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-78.html

 再び優生保護思想 2018年04月30日
 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-331.html

 早い話、共産主義者もまた優生保護思想が大好きだ。人道の仮面を被っている分だけ始末が悪い。これも「優秀病」の脅迫観念から必然的に派生するのである。
 もしも、私が共産主義者になっていたなら、たぶん真っ先に粛正されていたことだろう。「優秀」という発想が大嫌いだったからだ。


 ちょっと待て! その染色体検査=NIPT

2021年07月12日 | 未分類
NIPTというのは、大半の妊婦がダウン症など染色体異常を周産期前に検出するための遺伝子検査として大々的に宣伝されている。
 https://niptjapan.com/
 https://nipt.hiro-clinic.or.jp/lp/down-syndrome/?gclid=Cj0KCQjwraqHBhDsARIsAKuGZeGvwTukjxuzwhTApzWyU3_B-QdfGg7Ph4dXTuhHBE7dUPgOVB4G0qAaAly5EALw_wcB#what

 ところがNIPTの本当の呼び名はニフティといい、それは中国共産党軍事組織が開発したもので、世界中の妊婦・胎児の遺伝情報を収集して、生物兵器を研究している疑いが出てきた。

 https://news.yahoo.co.jp/articles/db208c6f9f5ca2014bf5737c91dfc66bbef56fca


 ロイター2021年7月8日 中国大手が軍と開発した出生前検査、遺伝子データが当局に渡る可能性
 https://jp.reuters.com/article/health-china-bgi-nifty-idJPKCN2EE0AU

 [7日 ロイター] - 中国の遺伝子解析最大手BGIグループ(華大集団)が中国軍と共同開発した出生前検査のデータを二次利用し、診断データが国家安全保障に直接関連する場合には中国当局に提出可能な規定となっていることが分かった。同社の出生前検査は世界中の妊婦数百万人に利用されている。ロイターが公開資料などを基に調査した。

 BGIが人民解放軍と協力して出生前検査を開発し、診断データを保管・分析していることが明らかになったのは初めて。
 BGIは2013年に出生前検査の海外での販売を開始。同社の「NIFTY」は非侵襲的出生前検査(NIPT)として世界で最も販売されている検査の1つで、母体からの採血によって胎児の異常を調べる。

 BGIによると、これまでに検査を受けた女性は世界全体で800万人余り。NIFTYは英国や欧州諸国、カナダ、オーストラリア、タイ、インドなど少なくとも52カ国で販売されているが、米国では販売されていない。

 ロイターの調査で、検査を受けた女性500人以上の遺伝子データが、BGIが運営する深圳の「国家基因庫(ナショナル・ジーンバンク)」に保管されていることも分かった。国家基因庫には中国政府が資金を提供している。

 またロイターの調査によると、BGIは香港の自社研究所に送られてくる検査後の血液サンプルやデータを人口調査に利用していることを認めた。
ロイターの調査では、BGIによる個人情報保護規定や規則の違反は見つからなかった。同社は、検査の際に同意を得ており、海外のサンプルやデータは5年後に廃棄しているし、検査や分析にあたって個人情報にアクセスすることはないと説明した。

 ただ、BGIの検査の個人情報保護規定によると、収集したデータが中国の国家安全保障に直接関連する場合には当局への提供が可能となっている。
同社によると、これまでにNIFTYのデータについて中国当局から提供の要請を受けたことはなく、提供したこともないという。

 米国家テロ対策センターはロイターの取材結果について、NIFTYを受ける海外の女性は中国の情報機関へのデータ提供を認めている個人情報保護規定に注意すべきだと指摘した。
 専門家の話に基づくと、出生前検査を販売し、研究のためにデータを利用している企業は複数あるが、いずれもBGIほど大規模ではない。またBGIは政府とつながりを持ち、軍と協力してきた実績もある。

 ロイターの調査によると、BGIは2010年に軍と組んで胎児の遺伝子の研究を開始。軍の研究者と共同で出生前検査について数十件の研究結果を報告している。
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引用以上

 中国共産党=人民解放軍は、何の目的で、世界中の妊婦胎児の遺伝情報を大規模に収集しているのか?
 それは、どうやら生物兵器の研究であるらしい。
 以下は本日の「新唐人テレビ」の記事。

 中国バイオ大手が軍と提携 世界中の妊婦の遺伝子データを収集【禁聞】2021年7月12日
 https://www.ntdtv.jp/2021/07/51082/

 ロイターは7月7日、中国バイオ大手の華大基因(BGI)が中共軍と共同開発した出生前検査を通じて、世界数百万人の女性の遺伝子データを収集して、民族や人種などのグループに分けて全面的な研究を行っていると報じました。

 ロイターは7日、中国バイオ大手のBGIグループが中共軍と出生前検査方法を共同開発し、それを使って数百万の女性の遺伝子データを収集することによって、「人口の質」を向上させるほか、兵士の聴力喪失や高山病などへ対処するためにも遺伝子研究を進めていると報じました。

 BGIは2013年からこの「胎児染色体異常非侵襲性出生前遺伝子検査(NIFTY)」を推進していました。この検査は妊婦の血液を検査するだけで、胎児のダウン症の有無が分かるとしています。BGIはさらに、妊婦の遺伝情報のほか、国籍や身長、体重などの個人情報を保存していますが、氏名は含まれないとしています。

32歳のポーランド人、アメリアさんはNIFTY(にふてぃ)の検査を受けたことがあります。

 ポーランド人のアメリアさん
 「私は、私に関係するそれらの敏感なデータに何が起きたのか知りたかった。例えば私のゲノムと私の子どものゲノムについてだ」

 NIFTY検査は出生前に行われる一般的な検査の一部ですが、研究に役立つようなデータを提供する必要があります。例えばBGIには、スーパーコンピューターを使ってNIFTYのデータを分析し直し、中国人女性におけるウイルスの流行状況を作図したり、彼らの精神疾患に関する指標を見つけたり、チベット族やウイグル族をはじめとする少数民族をえり分けて、彼らの遺伝子と特徴の相関関係を見つけるという研究テーマがあります。

 アメリアさんは、同意書に署名して自分の遺伝子データが保管され研究に用いられることにも同意しましたが、自分の情報が最終的に中共に送られるとは知らなかったし、同意書にもそれに関する説明はなかったと話しています。

 アメリアさん
 「私の情報が中国政府に把握されると知ってショックを受けたことを認めなければなりません」

 これまでに世界で800万人以上の女性がNIFTY検査を受けています。NIFTYは英国や欧州諸国、カナダ、豪州、タイ、インドなど世界52か国で販売されていますが、米国では販売されていません。

 大紀元時報コラムニストの王赫氏
 「中共は1950年代からバイオ戦争に特に興味を示していた。21世紀に入ってバイオ科学が飛躍的に発展し、遺伝子戦争が中共内部で一つの重点的核心項目となった。彼らは遺伝子兵器を新たな戦略分野に位置づけてそれによる軍事覇権を熱望している。よってその分野のことを長い間継続して行っている」

 BGIは中国人の関連データを収集していることについては認めていますが、ロイターは出生前検査を受けた外国人を含む少なくとも500人の遺伝子情報が、中共政府の支援を受け、BGIが運営する深圳の「国家基因庫(ナショナル・ジーンバンク)」に保管されていると報じました。ロイターは、現在のところBGIによる個人情報保護規定や規則の違反は見つからなかったが、NIFTY検査ウェブサイトのプライバシーポリシーには、収集されたデータが中国の国家安全保障や国防に直接的に関係するものであれば、当局への提供が可能になっていると記されています。
 
 これまでに、BGIが中共軍と出生前検査の分野で提携したとの報道はありませんでしたが、ロイターは、BGIが2010年から、中共軍と組んで遺伝子の研究を開始し、出生前検査について数十件の共同研究結果を発表していると報じています。これにはテストと出生前検査の改善やデータの分析が含まれています。

 米国は、BGIが収集・分析した遺伝子のデータはすでに米国にとって国家安全保障上の脅威となっていると考えています。米国政府顧問は今年の3月に、BGIはAIを使って大量の遺伝子データを収集・分析し、中国共産党のために最大かつ最も多様なヒトゲノムを入手し、それによって軍事戦略的に優位な立場を獲得できるようにしていると警告しました。また、「遺伝子組み換え兵士」の出現や、米国人や食品に対し、有害な遺伝子操作を行う可能性もあるとしています。

 在米独立研究者で時事コラムニストの戈壁東氏
 「中共は生きた人間からの臓器を収奪して利益を得るほどの邪悪な政権で、ウイルスを故意に広めて世界に災いをもたらすこともできる、極めて邪悪な反人道的な政権だ。武漢ウイルスが世界に与えた危害はまだ終わっていない。中共はこんどは人間の遺伝子に目を付けたが、そのことがあなたの幸せにつながるとあなたは思うだろうか」

 アメリアさんは、もし彼女がBGIテストの研究範囲を知っていたら、他社の出生前検査を選択しただろうと話しています。

 アメリアさん
「出生前検査を選ぶときに、非常に重要なことは、自分にとって正しいかどうかだ」
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 引用以上

 先に、新型コロナウイルスは、中国共産党によって生物兵器として開発されたもので、武漢における人体実験の途上で誤ってパンデミックを引き起こしたが、中国共産党は収拾不可能な事態になったことで、世界中にこのウイルス感染者を観光客として送り出し、全人類にウイルスを拡散伝播させる道を選んだとWHO調査員、閻氏の決死の報告があった。
 
閻魔様の恐ろしい告発 2021年07月06日
 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1547.html

 中国共産党は、自国民の体制批判派を不法に拘束して、生きたまま臓器を抜き取って殺害し、臓器を世界中に売りさばいてボロ儲けするという、ナチス以来の凄まじい悪魔、巨悪である。
 この中国共産党軍が、世界中の妊婦の遺伝子データを集めているとすれば、当然、目的は中国共産党の権益拡大、領土拡張戦争に利用する生物兵器研究しか考えられない。

 参考情報
 中国、出生前診断のミスで健常胎児1.5万人が中絶か 2018年09月27日
 https://www.epochtimes.jp/p/2018/09/36594.html

 https://www.sankeibiz.jp/business/news/210705/prl2107051705151-n1.htm

 この問題は、もう少し調査し、成果が得られたら報告したい。